なんと美しい映画でしょう。
ツリー・オブ・ライフといえば、クリムトの作品を思い出しますが、アメリカではよく聞く言葉ですね。
親から子へ命は繋がっていく。
子供のころの親と子の繋がり方で、人間は形成されていくのだ。
もちろん、その後の変化もあるが、やはりこの辺りは大きいよね。
家族の確執って、やっぱり影響あるよね。
ブラッド・ピット演じる父親。オブライエンという苗字からも、アイリッシュであろうか。
厳格。子供にとってあれはつらいよね。父親におびえて暮らす日々。
でも、そこに愛はある。
見せ方が実に上手いと思う。
自分の子供のころとだぶって見えた。
抑制されるとその矛先は違った方向にいってしまう。
長男ジャック。 ハンター・マクラケンが演じてますが、上手いねえ。
この3兄弟は2年がかりでオーディションで見つけたという。
ハンター・マクラケンの繊細な演技が光るが、しかし、R.L. 役の ララミー・エップラー。
この子がブラピにそっくり!!!!
本当の息子かと思いました。驚きのそっくりぶり。
母親は ジェシカ・チャステインが演じてますが、美しいです。
控えめだが、子供たちを守る。とにかくいつでも美しく着こなしも素敵。
際立った存在感でした。
この映画、最初のほうは、いろんな”LIFE”の映像が延々を流れ、うっかり眠りそうになりました(笑)
こんな映画だとは知らず、ちょっと後悔したりもしましたが、人間の成長の過程をあるがままに、しかも、美しく見せていくという点では、いままでにない斬新さでありました。
途中、いろんなドラマがおこるのですが、何も詳細に語られないし、映し出されない。
人生において、記憶は曖昧だし、曖昧にしたい部分って誰にでもあるはず。
そんなイメージなのかと思いました。
とてもリアルであり、とても幻想的。グレーなゾーンを鮮やかな映像でスクリーンに映し出されると、誰しも自分のTHE TREE OF LIFE に想いを馳せるはず。
ブラッド・ピットも大変上手いし、ショーン・ペンにおいては、成長したジャックを演じているので出演シーンは多くないのですが、彼でなくてはならないような個性を放っています。
またもや「生きること」「繋がること」「家族であるということ」を考えさせられた1本です。
私は、好きです。
KEE
<ストーリー>
成功した実業家であるジャックは人生の岐路に立ち、遠い少年時代を回想する。力こそが全てだと信じる厳格な父と、純粋すぎるほどの愛に満ちた母との狭間で葛藤し、父への反感を募らせていた無垢な日々。暗黒の淵にとらわれそうな彼の心を、光のさす場所に留めたものは何だったのか? “あの頃”に再び思いを巡らす時、すべてを乗り越えつながり続ける家族の姿に、ジャックは過去から未来へと受け継がれていく生命の連鎖を見いだす…。
<キャスト>
ブラッド・ピット
ショーン・ペン
ジェシカ・チャスティン
フィオナ・ショウ
ハンター・マクケラン
ララミー・エップラー
タイ・シェリダン
<沖縄での上映劇場>
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex