もうすぐ父の日だけど・・・
いつも、何をあげていいのか迷ってしまう。
でも、孫達にもいつも優しくて大好きなお義父さんに、
今年はとっておきのプレゼントをあげたい。
「義父へのプレゼントを買いたいのですが、
作家さんの作品ってどういうのが良いのか全然わからなくて。。」
「わからないというのは、見慣れないというだけ。
好き嫌いで選んで良いんですよ。」
「好き嫌いで・・・。
そっか、そう考えるとわかりやすいかも。
触ってもいいんですか?」
「勿論!どうぞどうぞ。」
「これ、つるつるしてる。
触り心地良い〜。」
「釉薬のガラス質が滑らかに感じるのでしょう。
こちらは陶器では無く磁器ですね。」
「これ、なんかすごく好き。
私がお茶を飲むなら、これで飲みたい!
見た目も好みだけど、
手に持った感じも合う気がする。
厚川文子さん、岐阜の作家さんなんですね〜。」
「これも素敵〜。
東恩納美架さんの作品。
これでカフェオレとか飲んだら幸せ〜。
・・・あれ?いつの間にか自分の選んでる、私(笑)」
「わ、素敵な色!
このブルー、すごく不思議な感じ。好き。」
「小泊(こどまり)良の作品です。」
「これは・・・何に使ううつわですか?」
「何に使って頂いても良いんですよ。
酢の物でもお吸い物でもお抹茶でもカフェオレでも。
購入なさった方が
自由に決めてくださって良いんです。」
「そっか〜。
別にこうやって使わなきゃいけないって
決められてるわけじゃないですものね。
う〜ん・・・素敵なものばかりで迷っちゃう。」
「プレゼントを選ぶのって難しいけれど、
贈る相手の方を頭に思い浮かべて、
その方の性格や人柄を考えてみると良いかもしれません。
物も人と同じで、性格があるんですよ。
だから、
『なんか雰囲気が似てるな』
って思う物を選ぶと良いですよ。
例えば、すごく繊細な方に無骨なものをあげるのは
ちょっと違いますよね。」
「なるほど〜!
物にも性格がある・・・か。
そういう風に考えたことなかった。」
「これ、さっきから気になる。
お義父さんのイメージにも合ってる気がする。」
「赤嶺学のうつわですね。
お義父様はお酒は呑まれますか?」
「いえ、今は呑みません。
普段はお茶とコーヒーをよく飲んでいます。
以前はお酒、よく呑んでたみたいなんですけど、
『僕は優秀な成績でビール大学を卒業した』って(笑)」
「(笑)。ユーモアのあるお義父さんなんですね。」
「すごく面白い義父で、
言う事がいつも私のツボにぴったりハマっちゃうんです。」
「お義父さまと仲が良いんですね。
自分も、嫁の父親とは呑み友達なんですよ。」
「え〜!素敵!」
「これは釉薬で丸々コーティングしてあるんです。
高台部分(作品の裏)にある目土(めつち)の跡も可愛らしいんですよ。」
「わぁ〜、ほんとだ。
しかも、一つ一つ形が違うんですよね。
これが手に一番おさまりが良い気がする、
これが良いな。」
「これにします!」
「ありがとうございます。
お包みしますね。」
「陶器の場合は
使っていくうちに風合いが変わっていきますよ。」
「え、そうなんですか?
ジーパンと一緒?!」
「その通り、ジーパンと一緒。
陶器は土なので、もろい。
そのもろい造りの中に雑物が詰まっていくので・・・」
「味が出てくるんだ。」
「そう。
ほら、この2つのうつわ、
一つは僕が普段使っているもの、
もう一つは新品。
もとは同じなんですけど、全然違うでしょう?」
「本当だ〜!
うつわって、買った人が育てていくものなんですね。」
「母の日だったらお皿をプレゼントするのも良いかな〜
って思うんですけど、
お父さん達は料理しないからな〜・・・。」
「父の日は酒器を選ばれる方が多いんですけど、
お父様の好物を載せるうつわとか良いかもしれませんよ。
昔、今よりも父親の存在が大きかった頃は、
お父さんのおかずだけ一品多かったりしていましたよね。
だから、そういう意味でも特別なうつわを。」
「なるほど。
自分だけの特別なうつわって、
お父さん達もきっと嬉しいですよね。」
「これ、なんか可愛い〜。」
「義父はお刺身が大好物なんですけど、
沖縄のひとなので、盛られたお刺身じゃなくて、
味噌和えドーン!みたいな感じなんです。
こんなお皿で食べたら、きっと美味しいだろうな〜。」
「あ、これも良いかも。」
「ユーモラスな感じがお義父さんのキャラにも合ってる感じ。
あ、これも東恩納美架さんのうつわなんだ。
私、美架さんが好きみたい(笑)
あ〜、もうプレゼント決めちゃったのに、
うつわ見るの楽し〜!
普段使いのうつわも、
全部こんな素敵なものに変えたくなってきちゃう。」
「わ!これ、トランプだ!
うふふ、可愛い〜。
子ども達も喜びそう。」
「はい、ラッピングができましたよ。」
「あ〜、楽しかった!
義父、すごく喜ぶと思います、ありがとうございます。
今度は自分のうつわ、買いに来ますね!」
「お待ちしてます。
その時は是非、子どもさんも連れて来てください。
子どもはうつわの良さを大人よりもよくわかりますから。」
「はい、連れてきます!
良いお茶碗、買ってあげたいな。」
写真・文 中井 雅代
陶・よかりよ
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