「暮らしの息づかい」

 

立春を迎え、暦の上では春。
春とともに、Shoka:では小野哲平さんの企画展が始まりました。

 

哲平さんの大きな壺にしつらえられた桜の蕾も、せっせと春を探しているところです。

 

 

 

 

今回3度目の小野哲平さんの企画展。
赤木智子さんの生活道具展も合わせると、何度も沖縄にやってきている縁のある器たちです。

 

我が家でも哲平さんの器が大活躍。
こつこつと集めた哲平さんの器は使わない日がほとんどなくて、家族みんなそれぞれが思わず手にとっています。

 

親しみと温かみがあって、とっても使いやすい。

 

 

 

 

普段コーヒーやお茶にも使っている酒器、ホッと一息つきたい時に。

 

「哲平さんの器って、こうやって両手で包みこみたくなるね」
その感覚わかる、愛らしい存在だよね。なんて話しながら、過ごす時間も温かなものになります。

 

 

 

 

おやつにも、お夕飯にも、お客さんがおうちにきた時にも一番使っている取り皿。
こどもたちにもちょうどよいサイズ感で、とても大事に使ってくれている。

 

この器で食べるともっと美味しいね!って、哲平さんのことを知らなくてもこの温もりが伝わっていてとても嬉しかったのです。

 

 

 

 

普段から炒め物、煮物、カレー、焼きそば、おうどん、なんでも受け入れてくれる懐の深いお皿。
中鉢が足りないときにも代役を果たしてくれます。

 

この日は盛岡冷麺を、あたたかいお茶と。
江戸時代の古い蕎麦猪口との相性もよく。
哲平さんの器はおうちにあるいろんな器と、仲よしでとても重宝しています。

 

わたしは普段から、よく器に助けられています。
なんてことない普段のお食事も、表情豊かな器のおかげで楽しみが増えていると実感するのです。

 

毎日毎日、朝にもお昼にも夜にもきちんとお腹がすいて、でもめんどくさくなってしまう日もあって、なんにも作りたくないなって時もある。
そんなときにはお惣菜だって、いい器に盛れば気持ちがご馳走になるのです。
ときには、この器を使うならめんどくさくったってちょっとつくっちゃおうかな、なんて日もあったり。

 

うーむ、やっぱり懐の深い器。

 

 

 

 

裏側の表情も味わい深く、水もしたたるいい器。
洗っている時にも楽しみがあるって、とても豊かなこと。

 

哲平さんの器を選ぶときには、ぜひ裏側の表情も楽しんでくださいね。

 

 

 

 

さてさて、高知からはるばるやってきた哲平さんの器たち、少しずつご紹介していきます。

 

手によく馴染む丸湯呑み。
これがまたとにかく使いやすくて、何個あっても困らないのです。

 

 

 

 

こちらはShoka:でながく使っているもの。
思わず手が伸びて、Shoka:の定休日以外はほとんど毎日使っている湯呑み。

 

 

 

 

大地のような貫入がとても美しく、使っているからこそ生まれる艶がなんともなまめかしく色っぽい。
自分の持っている哲平さんの器も、こんな風に育つといいなと毎日撫でています。

 

 

 

 

蕎麦猪口もたくさん届きました。
唐津の土が、青みがった緑や赤が混じり合ってとても味わいのある表情です。

 

焼締のような硬くカリッとした肌で、使っていくととてもよい艶と肌触りになっていってくれそうです。
男前で、使ってみたい器のひとつです。

 

 

 

 

個人的に無条件でときめいてしまう片口!

 

もともと片口は、酒や醤油を瓶などに移しかえるのに用いられてきた台所道具。
でも使い方は自由が一番、お酒にはもちろん、お茶やめんつゆ入れにもよさそうですね。
薪の酒器だけでなく、唐津の酒器と合わせてもまたかっこいいです。

 

 

 

 

鉄点の大皿。
ステンレスのピンを差し込んで焼かれていて、点の豊かな表情が表現されています。
にじみ方や大きさもそれぞれ違っていて、どの部分をみても味わいがあります。

 

 

 

 

どんな料理が映えるかな。
おむすびをたくさん握って、卵焼きやきんぴらごぼうをのせて、みんなで囲むお花見弁当なんてどうだろう。
色のたくさん入ったちらし寿司も楽しそう。

 

 

 

 

 

櫛目の鉄絵大皿。
豪快で生命力と力強さが溢れている。

 

 

 

 

哲平さんの器が持つ表情はとても自然で、海や川、山を歩いているときに見る景色や石や土や水の流れに似ているなと感じることがある。
器自体が有機的で生きているような感覚になるのは、哲平さんもその作られた器たちもとても素直で自然により近いからだろう。

 

思わず手に取りたくなるのは、まっすぐで素直な優しい器だから。
ぜひ、手にとってみていただきたい器たちです。

 

比屋根の丘の上へ、一息つきにお越しくださいね。

 

 

写真・文 佐々木 さやか      

 

 

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小野哲平 作陶展
「土がある」

 

 

陶器は硬いのに、哲平さんの作るうつわにはなんともいえない柔らかさがある。
その肌は冷たいはずなのに、場を温もりで包むのだ。
いつも使っているはずなのにいまだにはっとすることがある。料理を載せた時に
お皿が笑ったように見えるから。
まるっこい急須には愛嬌がある。
人が作るものは、その人に似るのだなあ。
熟れた菊の散り際をふっくらと受けとめたこの壺を、なんと形容していいものか?
未だ言葉にならないでいる。
子ども、学生、大人たち、老若男女誰も彼も、このうつわたちに触れて欲しい。
肩の力をふっと抜いて、素の自分が一番いいのかもね。そんな気持ちに寄り添
うような、小野哲平のうつわたち。

 

会期 令和二年 二月七日(金)~二月十六日(日)火曜定休
作家在廊日七日・八日

 

 

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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com/
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791(火曜定休)
営業時間 12:30~18:00