美は暮らしの中に

文 田原あゆみ

 

2011年を振り返る。
この一年は私にとって、自分がやりたかった事をどんどん表現して行った年だった様に思う。
今まで折り曲げていた手足を心も一緒にぐーんと伸ばしていったような感じ。

自然児だった小さな頃から、小さな虫の完璧さに感動したり、沖縄の白い砂の中の無限の形や色たちに圧倒されたり、海の無限の色に引き込まれたりと、自然界はなんて美しいもので溢れているのだろう、と感じてきました。

なので過度に装飾的なものや、ものを使って自我を表現しているように感じられるものよりも、「自分の中の自然」を表現しているものに惹かれます。
たとえそのものが、悪戦苦闘の末生まれでたものであっても、すっと溢れるように誕生したものであっても、「自然」を感じさせるものには芯があって、持続する絶え間ない美しさがあらわれているものです。

私にとっての美しさとは、触れる人の心を静かに解き放つものです。
そして、暮らしの中から至福への入り口となりうるもの。

2011年、巷で言われている事とは反対に、私にとっては希望に溢れた本質的に豊かな生活へとたどる道が大きく開かれた事を感じています。

大量に作って大量のゴミを生み出すものたち
誰かの犠牲の上に成り立って製産される廉価なものたち
その循環も確かにあるけれど、

自分の中の自然に耳を傾けて、そこへ手を伸ばして微笑んでいる
やりがいや、つながりや、本当にいいものを生み出そうという循環の中に立っている人達も確かにいます。
出会うと嬉しくなる、手を伸ばして使ってみたくなる
旅に一緒に行きたくなるようなものや、たくさある中からなぜかいつも使ってしまうもの
そのように美しいものたちがある。

衣・食・住
日常の暮らしの中にこそ美しいものはあって欲しい。

それを美しいと感じる心とともに。

2011はたくさんの笑顔に触れた一年でした。
友人たちと、今年出会ったすべての人と出来事に感謝いたします。

2012年
自分にとっての最高にぐんと手をのばして選び取る、そんな事の連続に立っていたいと思います。



Shoka:の2012年仕事始め

ganga 手仕事のやさしい布たち



2012年1月27日(金)~2月5日(日) 
 
26日(木)夕方より布使いのワークショップを行います。
詳細は決定次第掲載いたします。