私は常日頃いろんな方々、そしてモノに憧れを抱きます。
島根県で作陶する安部太一さんの作りだすこちらの青。
このたびお店に届いた青の器は、私が初めて出会った時よりもアンティークを思わせる雰囲気が加速していました。
透明感を感じる青もいいけれど、まるで額縁に入った絵のような、そんな青もいいでしょう。
いつどこで自分の感性にピタッとはまるものに出逢えるかわからないものです。
私の場合は、たまたま見た拝見したネットショップの画像の中にありました。
画面越しながら見た瞬間につらぬかれた気持ちと、「百聞は一見にしかず」という言葉を頼りに、この器に会いに2年前倉敷で行われていたクラフトフェアへ訪ねました。
(2011年フィールドオフクラフト倉敷にて)
どこかの国で使われていたのかなと、自然と時代背景を思いめぐらせてしまう安部さんの器。
この感覚はどこからくるのだろうか。
こちら、古い時代に使われていたオイルポットを参考に作ったそうです。
一輪ざしに良さそうです。
思い思いの空間をつくって。
(オイルポット)
小瓶にキャンドルスタンド。
必ずしも必要なものではないはずなのに、置いたその瞬間から空間が作られていく、そんなふうに感じる。
そこに置くことで意味をもたせるような。
次に「なるほど」と、すっと腹におちる感覚がやってくる。
(キャンドルスタンド・小瓶)
口の大きなピッチャー。
コーヒードリッパーがちょうどセットできる大きさです。
ポットのように使っても。
また、無造作に切り花を生けてもきれい。
日々目にする文章や耳にする言葉、そして映像はどれもあわただしく右から左へ移行し、気がつけば過ぎしことになっていて。
だからこそ心の網に引っかかった言葉や、その時見た景色はとても大切で。
(花瓶使いによさそうなピッチャー)
直接お会いして交わした言葉は多くはありませんでしたが、
安部さんとのメールのやり取りや頂いたお手紙に胸を打つ表現があります。
紡ぎだされる言葉や文章は情感にあふれていて、羨ましくもある。
琴線に触れるってこういう時に使うのだなあと感じます。
現在店内は安部さんの器がたくさん並んでいます。
静けさ、実直さを感じる安部さんの陶器に是非会いに来て下さい。
安部太一
1975年島根県生まれ
27歳の頃まで音楽活動をして、その後、陶芸をはじめる
安部宏(父)のもとで5年程度技術を学び、2006年頃から展示会等、活動を始める
現在は、島根県松江市に工房移転、在住
Taichi Abe art of potter
http://taop410.com
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net
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