» NATURE PLANTS SKIN CARE 守本理恵 太古から地球に根を張るワイルドな植物の生命力を、お肌から

NATURE PLANTS SKIN CARE

アロエとアメジストの化粧水

 

透き通るピンク色が印象的な化粧水。ダマスクスローズの艶やかな香りが、一気に広がり、吸気を満たす。人の手によって作られたのではないローズそのものの、はっとするような美しい香り。

 

植物の持つ生命力を、余すところなくボトルに詰めたのは、メイクアップアーティストの守本理恵さんだ。その植物が生きてきたビジョンが浮かぶものを、できる限り材料に選ぶと言う。

 

– – – 生きてきたビジョンが浮かぶとは、どういうことですか?

 

私ね、お寿司とか、ほんとに新鮮な赤貝とか食べたとき、生きてた環境のビジョンがぶわ〜と浮かんだりするんですよ。綺麗な磯で綺麗な海藻を食べてたビジュアル。自然でフレッシュなものって、ここでこーんな風にカーブして、こーういう風にビジョンが広がっていくんです。生きてた時の記憶を伝えてくれるんですよね。そういう感じで爽やかにビジョンが広がるものを、化粧品に入れるようにしているんです。

 

– – – ではこの化粧水には何が入っているのですか? どうしてこんなに綺麗な色なのでしょう? 

 

アロエの酵素で、自然にこんなピンク色になるんですよ。果肉が厚くて太いオーガニックのアロエじゃないと、ここまで濃いピンクにならないんですよね。沖縄南部の生のものを使っているので、生のヒアルロン酸が入ってるんです。それから、沖縄の生のもずくのコラーゲンを入れています。最初、工場に頼んで作ってもらおうとしたんですよ。でも、工場は、生ものはやりたくないってことで、乾燥して蒸留したエキスじゃないとダメとか。でも私が思うには、植物のヒアルロン酸とかコラーゲンって、生のネバネバなものにあるので、乾燥させたりするとせっかくのエネルギーがもったいないなと思って。だから、自分で工場を作って、私が手作業で作っています。

 

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自然に囲まれたこの部屋で、理恵さんが一つひとつ丁寧に作業する。

 

– – -工場まで作ってしまったなんて驚きです。こだわりも相当なのでしょうね。

 

こだわりは色々あるんですけど、アメジストの波動を転写させた水を使っています。クレオパトラもアメジストにはまったという話があるんですよね。その転写水で化粧水を作ったら、ピンク色がより濃くなったんです。1000年ほど前のドイツの方で、ホリスティック医学の先駆者と言われるヒルデカルトという女性は、植物と同じくらい、石にも人にもたらす効果があると、その本に書いているんですね。その本に則って、転写水を作っています。鉱物の波動を入れてる化粧水って、他にないんじゃないかな。最初はね、特許取ろうと思ったんですよ。でもいいものだからね、独り占めしないで、皆さんでやってもらったらいいかなと(笑)。

 

私、陶芸を習っているんですけど、陶芸の先生が言うんですよ。「粘土には記憶する力がある」って。だから「作る過程のろくろで一度お茶碗みたいに広げちゃうと、壺を作ろうと思っても絶対戻らない」って。それくらい水って記憶するみたい。鉱物の波動が水に記憶されるんでしょうね。

 

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アルガンオイルや杏の種油の他、アメリカ大陸のホホバオイル、アフリカ大陸のバオバブオイル、カリテシアバターなどが入った、NATURE PLANTS フェイスクリーム リッチ

 

– – -鉱物の力をも借りるなんて斬新ですね。このフェイスクリームも、ナチュラルな香りで、いいものがぎゅっと詰まっているような贅沢感があります。

 

私ね、食べられるもの、舐められるものを入れたいなと思うんですよ。経皮毒といって、皮膚は化学物質とか悪いものも吸収するんですよね。毛穴や毛細血管を通って、血液まで入っていくんです。皮膚と臓器は繋がってて、悪いものが臓器に溜まってしまうんですよね。だからお肌に直接塗るもの、毎日塗るものこそ、食べられるくらいでないと。スキンケアはもうお惣菜感覚で(笑)。それにはまず材料選びから。オーガニック、できればワイルドなものを使いたいんです。

 

– – -オーガニックより、ワイルドなものを使いたいのは、どうしてですか?

 

今世界中でオーガニックって言われてますけど、例えばこの化粧品に5%でもオーガニックのものが入っていたら、これはオーガニックコスメって言えちゃうんですよね。買う人は、全部がオーガニックって思っちゃうじゃないですか。だからできればオーガニックって言いたくない(笑)。そうじゃなくて、ほんとに力があるものを入れたいんです。ほんとに力があるものって、そう、沖縄来て思ったんです。たしか4年前の夏、3ヶ月間雨が降らなくて、カラカラに地割れして。畑やってたんですけど、野菜は全滅。それでも生きてたものがあるんですよ。自分達が作った野菜は全部ダメなのに、なんでこんなに生きているのか。それは、ワイルドっていう生きる力を持ってるもの、人が手を入れたものじゃなくて、自分の力で生きているものこそが強いんだって。それを沖縄で見せられたんですよね。だから、太古の昔から植物自体の力で生きてるもののオイルをセレクトしたいなって思ったんですよ。

 

– – -生きる力を持つ植物でも、化粧品にする過程でその力を削いでしまうことはないのですか?

 

市販のクリームで白いものがあるでしょ? あれはオイルが透明だからなんです。でも本来のオイルって、種を潰して濾すと、ゴールドの色をしているんです。精製してるから透明になるんですね。私は、植物の持つ力をそのままお届けしたい。せっかくね、花が咲くのに25年から30年、実がなるのに40年前後かかる植物もあるんですよ。そんな長期間、どんだけエネルギーを蓄えているか。それを精製しちゃって、脱臭しちゃってって、もったいないことできないじゃないですか。

 

例えばね、フェイスクリームに入れているこのアルガンオイル、ナッツの香りがしっかりしますよね。ちゃんと生きてる。普通はこんなに匂いがしないんですよ。この杏の種のオイルも、作られた香りじゃなくて、ちゃんと杏仁のそのまんまの匂いがしますよね。ヒマラヤに自生してるものを朝採りして、それをコールドプレスっていって、低温で圧搾するんです。熱を加えると成分が弱ったりするので、昔ながらの器具を使ってね。ただ不純物だけをガーゼで濾したものなんです。

 

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100% PURE KARITE シアバター

 

– – -シアバターのボトルに書いてある“カリテ”って初めて耳にします。カリテって何ですか?

 

西アフリカにあるシアの樹を、現地の人は“カリテ”と呼んでいるんです。その実を潰して炒ったり練ったりして、1ヶ月くらいかけて作るらしいんですけど、100%カリテの実のまんまのシアバターなんです。これ、全然腐らないし、常温で大丈夫だし、すごい万能クリームだって、お友達からもらったのが最初だったんですね。ちょうどその時冬で、東京から帰って唇がカサカサしてて、これを塗ったら翌日というか、半日くらいですっかり潤ちゃったんですよ。今まで使ってたシアバターより濃厚なんですよね。目尻の小じわとかにも塗ったら、ハリが全然違う。すごいな、これ、ワイルドはすごいって、びっくりして。もうワイルドは間違いないって(笑)。

 

– – -日本でほとんど知られていないカリテなのに、どうやって商品化にこぎつけたのですか?

 

これをくれたお友達、沖縄のアフリカンダンサーの女性なんですけど、彼女の旦那さんがミュージシャンで、西アフリカのギニアの方なんですね。旦那さんの出身の村でこのシアバターを作っているんです。その村は、電気も水もガスも通ってない、学校も病院もない、ほんとに僻地の村なんですって。仕事もなくて、お金もないところで、みんなここを掘ったら金が出るかもしれないって、穴を掘って危ない仕事をしているらしいんですね。その穴に落ちて亡くなるっていう事故が多発してて、旦那さんの兄弟も、落ちて亡くなっているんです。彼女、あんな危険な仕事はさせたくない、なかなか出ない金を掘るくらいだったら、シアバターを日本で売りたいって。でも自分達はミュージシャン、ダンサーでどうやって売ったらいいかわからないから「理恵ちゃん、会社にして売ってくれない?」って。「いや〜、私、会社とかできる器量じゃないし」って最初断ったんですね。「じゃあ、オーガニックコスメの会社に材料として売ろうか」って、そういう会社いくつかに持って行ったんです。そしたら「工場で精製してますか」「単価はいくらですか」とか、中味よりそういうことばっかり聞かれて。なんかもったいないなと思って。で、やっぱり私が販売することにしたんです(笑)。それで、NATURE PLANTS SKIN CAREという会社を立ち上げました。

 

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カリテシアバター制作風景。ギニア、サンバララ村

 (写真提供 NATURE PLANTS SKIN CARE)

 

– – -そもそも、理恵さんはメイクアップアーティストなのに、どうしてスキンケアコスメを作ろうと?

 

東京にいた時に使っていたオーガニックコスメがこっちになかったから。沖縄の人って、なかったらなんでも自分で作るじゃないですか。ここに住んでると「買うと高いよね」って感じになってきますよね(笑)。東京へ行く主人に買ってきてもらったりしてたんだけど、自分で作れるかなと思い始めて。たまたま沖縄で住んでる方で、手作りコスメをやってる方がいて、その方がワークショップ形式で教えてくれたんですよ。基本はそこで教わって、3年くらい試行錯誤してきたかな。元々メイクアップアーティストなんで、コスメオタクなんですよね。モデルさんは、インナービューティーとかオーガニックコスメとか当たり前。「スキンケアは何使う?」って色々聞かれるので、その辺は詳しかったっていうのもあるんです。でも裏の表示までは全部見てなかったですよね。自分で作るってなって、そこから売れてる化粧品には何が入っているんだろうって、1個1個裏を見ていって。「これ、なんだろう?」ってわからないものがあったら調べて「薬品が入ってるじゃん」とか「これを抽出する過程で、化合アルコールが必要じゃん」とか。「ユキノシタエキスか、ユキノシタだったらその辺に生えてるな」とか「水だったら、久米島の海洋深層水のほうがいいんじゃない」とか「キサンタンガムだったら、アロエのネバネバ使ったほうがいいんじゃない」とか。色んな本も読みました。大変じゃなかったですよ。手作りするのが好きなんです。だって、中味を全部自分で選べるじゃないですか。買うよりも絶対いい中味で作れるし。

 

自分で作って嬉しいから、友達にもあげて。メイクアップアーティストとかモデルさんとか、特にコスメを知っているお友達が多いんで、そういう人達にも使ってもらったら「すごくいい」って言ってもらえて。「こんなリッチなクリームないし、すごいクリームを作っちゃいましたね」とか、「もっと欲しい」とか「他のを使えなくなった」とか「お友達にもプレゼントしたい」とか。何百人と使ってもらったんですけど、ほとんどの人が「いい」って言ってくれるんですよ。なのでね、嬉しいなと思って。ほんとにいいものができたんだなって実感できたんですよね。

 

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沖縄の珊瑚パウダーなど、自然の素材のみで作られた、ナチュラルUVクリーム

 

– – -理恵さんはこれまで、メイクアップアーチストとして、パリやニューヨークで研鑽を積み、東京へ戻ってからは、VOGUEやELLEなどのハイファッションの雑誌で、モデルやセレブリティのメイクを担当していたと聞きました。何がきっかけで沖縄へ?

 

震災の時、息子が1歳だったんですね。主人は「息子が小さいから、沖縄へ避難したほうがいい」って。私は「ムリ」って(笑)。だって私、ずっとファッションやりたいし、出産してようやく仕事に復帰したばっかりだし。でもだんだん、この食べ物息子に食べさせて大丈夫かな、とかすごく不安になってきて。周りの友人も沖縄へ行ってたので「じゃとりあえず2年間だけ、沖縄へ行ってみる」って。物件見るために、南城市のこの辺の道を走ってて、そしたらそれだけで「ここなんだ」って思ったんですよ。すごいノスタルジックな雰囲気で、育った群馬の自然とか、自然の中で遊んでた幼い頃が蘇ってきて、自分はこういうところ好きなんだなと思って。「ここに住む!」と思って(笑)。

 

– – -実際に住んでみて、どうでしたか? 都会に戻りたいとは思わなかった?

 

私は、パリにも行ったし、ニューヨークにも行ったし、自分は最先端なものを見てきて、情報も最先端なところにいた、みたいな気持ちでいたんです。でも沖縄で自然の中にポーンときた時に、私が住んでいるのは地球で、自然に生かされているのに、その地球のことを知らなかったと思って。私は、祖父母に育てられて、祖父母は農業をして自給自足の生活してて、お米から野菜から果物から育ててたのを見てきて、そういう祖父母に育てられた自分を思い出して。自分は、土と暮らしてきた先祖の末裔なのに、そこから違うことをしてきた。今、土と向き合わなかったら、自分の子供は食べ物を自分で育てるっていう知恵も知らないし、買うことしかできない。買うためにお金を稼いで、お金を稼ぐためにあくせく働かなきゃいけないっていうサイクルに行くんだって思ったときに、アブナイアブナイって(笑)。それで、大地に戻って、祖父母がしてきたことを子供に伝えたいなと思ったんですよ。すぐに畑を借りて、畑作業したら、やっぱり気持ちいいんですよね。子供って自然が大好きじゃないですか。虫触ったり「ママ、ピーマンなってる」って、子供の方が早く見つけてくれたり。自分たちで作った野菜を食べられる喜びを息子と味わうことができて、ほんとにありがたいな、幸せだなって。植物と生きるって間違いないなと思って。

 

これが20歳の頃とかだと、沖縄に来てもこんな風に感じられなかったと思うんですよ。やりたかった仕事をそれなりにやりきって、いいタイミングで母になったっていうのがね。自分がちゃんと目覚められる年になっていたし、優先順位が子供になっていたし。自分にとっていいタイミングだったんですよね。

 

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– – -今後、沖縄でやっていきたいことはありますか?

 

沖縄では好きなことやりたいなと思って。私、モデルさんだけじゃなくて、一般の人にも触れたいし、沖縄の地元の友達も欲しいし。メイクを教えて欲しいっていう人が出てきて、メイクしてあげたりすると、「わあ!!」ってすごい感動してくれるんですよね。今までモデルさんとかに綺麗なメイクしても、やられ慣れてるから感動とかされないんですよね。こっちでは、まつげ上げただけ、ファンデーション塗っただけで「わあ!!」って、もう感動が全然違うの。自分の顔に初めましてって感じで、喜んで帰ってくれる。やりがいあるなあって思ったんですよ。子供の虫刺されの痒みをさっと取ってくれる、びわの葉を煎じた化粧水作って「お母さん達、欲しい人は持って帰っていいよ」って保育園に置いておいたり。そしたら「またちょうだい、ちょうだい」って、「今年は掻きむしらないですんだ」ってすごく喜んでくれて。よかったなと思ってね。

 

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宮古島の麻炭、沖縄南部のクチャ、それに米ぬかやシナモンパウダーの入った、ボタニカル石鹸

 

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沖縄南部、理恵さんの作業場付近で採取したクチャ

 

– – -東京にいた頃にはできなかった身近なことが、理恵さんに新しい喜びをもたらしたのですね。

 

身近といえば、長命草ってあるじゃないですか。大手化粧品会社が長命草ドリンク出してますよね。長生きができる野草として、長命草を探すストーリーの海外ドラマがあったり。その辺に生えてる長命草ってすごいんだって思って。この石鹸に入れてるクチャも、この辺で取れるんですよ。クチャは汚れを吸着してデトックスしてくれるし、ミネラルがすごいでしょ。沖縄は、お宝がいっぱいなんですよ。知れば知るほど、すごいものがいっぱいある。ほんと、ここの大地はすごいですよ。今後は、もっと沖縄のもの、沖縄の椿オイルなんかも使っていきたいですね。

 

インタビュー・写真/和氣えり(編集部)

 

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