» module(モジュール)「何でもいい」ではなく、自分の基準で選んでほしいから。


 
– – – プロダクトにも、語るべき言葉はある 
 
当店では家具と文具を主に扱っていますが、
文具に関してはメーカーが作ってる製品、つまり「プロダクト」が多いんです。
作家ものは今の所あまりなくて・・・作家ものを否定しているわけではないのですが。
 
品質が良い割りに価格が安いから、という理由もあるんですが、
メーカーの営業や企画の方とお話する機会が多くて、
当たり前なんですけどみんなすごく真剣なんですね。
製品一個作るために、企画担当がまず企画出して、営業の人が「これはダメだよ」ってダメだしして、みんなで「ああしなきゃこうしなきゃ」って煮詰めて・・・すごい沢山の人が関わってる。
良い大人が一つの便せんのデザインについてあれこれ言い合ったり(笑)。
そうしてやっと商品としてできあがったら、次は一生懸命売りに歩くわけです。
 
そして、関わっている全員がこれで食ってるわけです、家族を養ってる。
だから真剣度が違うというか。
そういう想いの強さをプロダクトに対して私は感じるんです。
 
作家ものだったら作家さんがダイレクトに想いを伝えられるけれど、
プロダクトは普通に買われていくだけ。
それは違うんじゃないかなって。
プロダクトにも、語るべき言葉はあるんです。
 


 
– – – 日本製品の使い勝手は最高峰、デザインとの間で妥協点が見出せればOK
 
実は私、以前雑貨メーカーの営業してたんです。
だから、自分の経験も関係してるのかもしれませんね。
 
メーカーにいたので、どうやって一つの製品ができるかをリアルに見ていて、
物ってそう簡単にできるものじゃないって知ってるんです。
お金もかかるし、失敗できないから。
様々な過程を経て淘汰されて、最終的に残ったものだけがこうして商品になって流通しているのだから、プロダクトって本当にすごい物なんだって思う。
だから、最終段階の手前にいる小売店がそれをお客さんに伝えなきゃって。
 
文具なんて特にそうですが、日本人の技術たるや、まさに世界最高峰だと思います。
フランス、イギリス、ドイツ等の製品はさすがにデザインは素晴らしい。
でも、ここまで使い勝手を追求して作っている国はありません。
とはいえ、日本の製品はデザインがイマイチの物も多い。
そこに妥協点が見つけられるかどうかってことなんです。
「これは無いわ」というデザインなら、どんなに便利でも当店で扱えないけれど、
「これだったら許せるわ」というラインであれば販売しています。
 


 

 
– – – 使い勝手も兼ね備えていないと、デザインとは呼べない
 
プロダクトだって、どれもデザイナーがデザインしてるんです、
それが「社内デザイナー」だってだけで。
でも、有名なデザイナーだから偉いというのではないと思うんです。
 
13年くらい前、ある世界的デザイナーがコンビニエンスストアと共同でステーショナリーシリーズを開発して売り出したことがありました。
それが文句なくカッコいいんですよ、でも使えない。
はさみはすぐ切れなくなる、テープカッターはテープが切れない。
どんなに見た目が素敵でも、使えないんじゃしょうがない。
 
結局、そのプロジェクトは2年くらいで終了、
製品も店頭からも消えちゃいました。
 
美しさと使い勝手のバランスを考えてデザインしたものでないと、
デザインとは呼べないんじゃないかと思うんです。
そういう要素を全てクリアして一つのものを完成させるのは実はすごく難しいこと、
だって、こんな有名なデザイナーも苦戦したわけですから。
 
私もデザインが優れたものはもちろん大好き。
でも、機能や使い勝手がある程度の基準まで達してない場合は販売しません。
そこはシビアに選り分けしています 
 

 

 
– – – オープン当初、品揃えも悪かったのにお客様は大喜びで
 
12年前、東京から主人のふるさとである久米島に移住し、
その2年後に本島に移り、すぐに主人とともに店を始めました。
最初はハーバービューホテルの近くにオープンさせたんです。
 
東京にいた頃、
「いずれは沖縄に行かないといけないんじゃないかな」
という想いは、漠然とありました。
 
15年前くらいに、東京で「第一次沖縄ブーム」があったんです。
喜納昌吉さんやりんけんバンドさんが大人気になって。
当時、「uruma」という雑誌も大きな書店に置かれてました。
その中で「マルチメディアアイランド構想」という計画が沖縄で行われると書かれていて。
「これからIT化が進んでどこでも仕事ができるようになるから、
沖縄のような人件費の安い場所に多くの『サテライトオフィス』ができるだろう。」
というようなことが書いてありました。
だから、
「こういうことに携わる人たちをターゲットにすれば良いのでは?」
と思ったんです。
先進的な分野で働く人たちが使う机や家具と、
文具を中心とする雑貨を販売しようと店を始めたんです。
 
でも、結局そのマルチメディアアイランド構想は言われていたほど進まなかったし、
ターゲットにしようと思っていた人々もこだわりどころが違うというのが、オープンして1ヶ月くらいでわかったんです(笑)。
 

 

 
また、オープン当初は品揃えも良くなかった。
というのも、仕入れ段階で「沖縄の店です」っていうだけでメーカーさんが3歩くらい後ずさりする時代だったんですよ。
沖縄には雑貨屋さんがそんなに多くなかったし、
その上「個人で始める」って言うと、代金を回収できないんじゃないかと怖がるんですね。
その頃、実際にメーカーさんが回収できなかった雑貨屋さんも結構あったらしくて。
店の規模も大きくなかったし、自分たちが思うような仕入れができてなかった。
 
でも、来てくださるお客さんはなぜか大喜びだったんですね。
なんでだろう?って思うくらい。
変な場所にあるし広告も出したことなかったのでごった返すことはなかったけど、
来たお客さんはとても喜んで帰って行く。
 
この手の店が当時はあまりなかったんですよ。
じゃあそれぞれ雑貨と家具のニーズをもう少し冷静に見極めて伸ばしていこうということになって。
 

 
– – – 男性のお客様が30分いても面白いと思えるように
 
家具については、問い合わせのほとんどがオフィス家具ではなく家で使うものでしたから、そういう物を多く置くようにしました。
 
雑貨は、「足りないのは文具だ」って私自身が感じてたんです。
文具って、子供から大人まで自分専用を持っていますよね。
自分の好みを一番反映するもので、価値観もそれぞれ。
デザイン重視、使い勝手重視、100円均一でオッケー・・・。
じゃあもっと選択の幅を広げても良いんじゃないかな?と。
 
また、男性って何でもこだわりを持って買うイメージがあったので、
男性のお客様が30分いても面白いと思えるようなお店が良いなと。
「男の人は裏切らないわ」とも思っていました(笑)。
女性は切り替えが早いので新しいお店に移ってしまいがちですが、
男性は一度気に入ってくれたら長くお付き合いして頂けると確信していました。
じゃあ男性が楽しめる分野は何かというと、文具かなと。
それで文具に特化していったんです。
 

 

 

 
– – – 「自分のお気に入り集めました」というのは違うんじゃないかと
 
特化する分野の決定理由は、自分の好き嫌いではないですね。
 
私、自分が好きだというだけで商品として売るのは違うんじゃないかと思ってるんです。
嫌いなわけじゃありません、もちろん。
ある程度の基準で好きな物ではありますが、
「自分のお気に入り集めました、これ買ってください」っていうような立場ではないと思っています。
そんなことは言えません、お金払って使うのはお客さんですから。
 
自分の目で見たり実際に使ったりして、
これだったら価格と使い勝手とデザインのバランスがとれている、
これだったらうちに来てくれるお客さんだったら使ってくれる、
という物を選びます。
 
お客様についてのイメージが明確にあって、
ものを使ってて「楽しいな」って思える人が良いんです、何でも良い人じゃなくて。
「これを使ってるオレってちょっと良いな」とか、
「このソファーを使えて私毎日幸せだわ」とか。
そういう方々が好きかどうか、使ってくださるかどうかを想像するんです。
 

 

 
– – – 「大きな店」の意識では動いてないんです
 
最初の店をオープンさせてから4年経った頃、
インテリアの問い合わせが増えてきたので別の店舗にわけたんです。
住宅地の奥深く、人知れずな場所に。
 
そうしたら、「こちらに移転してこないか」というお話を頂いたので
また一つの店舗に戻りました。

店が大きいので、
「もしかして金持ちがやってるんじゃないの?」とか
「もともと何か大きな仕事をやってたひとがやってるんじゃないか」って勘違いされがちなんですけど、全然そうじゃないんです。
つても友達もいないところで個人事業として始めて、
今の場所に移ったのはご縁があっただけ。
だから、大規模店の意識では動いてないんです。
 
沖縄にも、個人でやっていて雰囲気の良いお店がありますよね?
それと同じことをこのお店の規模でやりたいと思っているんです。
 
でも、その誤解がプラスに働くこともあって。
例えばメーカーさんが親切になりました(笑)。
 
以前は「これのサンプルください」って言ってもまずくれなかったし、
そもそも営業マンなんて来なかった。
もちろん、私たちのやりたいことを理解してくれて昔から協力してくださっているメーカーさんもいらっしゃいますが、
移転してきてから増えましたね。
 
そうなると、結局お客様のためになることが多いんです。
筆記具に名前をいれるのもお金がかかるんですけど、
「じゃあこの期間はキャンペーンということで無料になるように協力しましょう」
なんていう風に。
お客様にもメリットがあるし、
こっちに来て始めてできるようになったことも沢山あるから、
お店を広くして良かったなって今は思いますね。
 

 
 
– – – 家具を買うときはメリハリをつけて。気に入ったものは妥協しない、他の部分で削れば良い。
 
家具を購入なさる方は、新築や引っ越しを控えた方が多いので、
図面を頂いて、テーブル、椅子、カーテン、ソファー、テレビボード、という感じでトータルでご相談を受けて、予算をふまえて提案して行くことが多いです。
例えばカーテンなんかは特にスタイルや値段があまりにもピンキリなので、
お客様も自分がどういうものを求めているのか、はっきり把握している方は少ない。
なのでお話を伺ってこちらでピックアップしてご提案することもあります。
トータル予算がこれくらいだから、と、予算に応じて購入できるようご協力します。
 
とは言っても、椅子一脚からでももちろん販売していますし、
デザインは気に入っているけれど予算が合わないという場合は
似たような雰囲気で他の商品を提案させて頂くことも可能です。
 
当店にはデザイナーものでない家具もあります。
もともと主人の実家が家具屋をしていますから、
家具屋が扱う商品もご提供できるんです。
 
良い家具を長く使ってもらいたいという思いはありますが、
予算に合わない方をお断りするのではなく、色々な方向からご提案させていただいてます。
 
でも、こだわりどころはこだわって、メリハリをつけた買い方をお勧めすることが多いかもしれません。
好きな物をあきらめて妥協してしまうよりは、
気に入ったものは頑張って買って他のところで削る、という感じ。
 
「これが良い!」と納得したら買うという買い方、
私にも経験があります。
昔、1万5千円の洗濯機を買いにいったのに、
日本初上陸のイタリアメーカーのドラム式洗濯機を30万払って買った事があります(笑)。
店員さんの説明を聞いていたら
「洗濯機は絶対これが良い!」
って思っちゃったんですね。
 

 

 
– – – 10年前のソファが捨てられない。じゃあ張り替えたら良いんじゃないかな?って。
 
主人がメンテナンンスの技術も習得したので、
ソファやテーブルの傷の補習もお受けしています。
 
10年前くらいに買ったソファを買い替えようか悩んで来るひと多かったんですね。
その頃にある程度の金額を支払って買われたソファって
土台もしっかりして結構良いものが多いんです。
それを捨てるのも惜しい。でもへたってるし・・・って踏み切れない人が多くて。
 
だったら張り替えたら良いんじゃないかな?と思ったんですよね。
うちはお店だから新しい物を売った方が良いではあるけれど、
そんなに悩むということは今のソファーがお気に入りなんじゃないかな?って。
 
それで何度か張り替えをお受けしたんですけど、
お客様の満足度が非常に高くて。
好きで買ったソファが新品になって帰って来て、しかも捨てないですむから無駄にならないし、張り地が変わるからイメージも変わるし。
それで「嬉しい~!」って。
 
そうやって喜んで頂けると、やっぱり私たちも嬉しいですよね。
やってよかったなって。
 

 

 
– – – 何でも良いではなく、自分の基準で物を選ぶ
 
インテリアも文具も売っているけれど、売り方はだいぶ違います。
でも「使う物」という点は共通しているので、感覚は同じ。
そして、今後はオリジナルを増やしていきたいと思っています。
 
家具は、主人が図面を引いて作るソファやテーブルを既に販売しているので、
もっと数を増やしていきたい。
 
文具は、これまで相当数の商品に触れてきて、
「これがもうちょっとああだったらな~」って思う商品もあるし、
結局仕入れたい商品がないから扱ってないカテゴリーもあるので、
オリジナル商品でそこを埋めていけたら良いなと。 
 
店名の「module(モジュール)」は「基本単位」という意味。
その基本単位をお客様ご自身にしてはどうでしょう、という想いを込めました。
何でも良いではなく、自分の基準で物を選ぶ。
使っていて気持ちの良い物を、自分に似合う物を。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
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