» 『ROOm hair & organic works』オランダの魅力に出逢うオーガニックヘアサロン

 
オランダという国名を聞いて、何を思い浮かべるだろう?
チューリップ?風車?はたまた運河?


オランダが「光の国」である事を、


世界に名だたるデザイン大国である事を、


羊と牛が至る所で放牧されている事を


ご存知だろうか?





「ROOm hair & organic works」のオーナー菅野さんは、
10年前に旅行で訪れたオランダに、文字通り


「恋に落ちた」。


日本から海外に旅行するのと違い、
ヨーロッパを旅していると、国境を意識する事が少ない。
それでもオランダを訪れた時、


「ここは、他の欧州諸国とは違う」


と、はっきり感じたという。


そして、恋に落ちたその国に足しげく通い、
好みの器やアンティークを蒐集するようになった。





「デザイン大国というだけあって、至る所にデザインの利いたものが置いてあるんです
別に特別なお店じゃなくても、本当にそこかしこに。
デザインとか情緒に重きを置く繊細さは、日本にも通ずる所がありますね。」


確かに、日本の文化にも繊細さは存在する。
しかし、オランダのそれとは方向性が少し違う気がする。


そういうと、菅野さんは「確かにそうかもしれない」と頷く。





日本のプロダクトの繊細さは、伝統を守ることによって表現され、受け継がれ 
ているところがある気がする。
古きもの、もしくは古き伝統を受け継いだ繊細さを備えるプロダクトは、
使うとなるとどうしても身構えてしまう。
そればかりか、プロダクト自体が、私達が身構えることを求めているような気さえする。


しかしオランダの繊細さは、そうではない。


日本の繊細さから「非日常性」を感じるのとは逆に、オランダの繊細さには「日常性」が満ちている。


例えば、浪費社会に対してのメッセージが込められた、ロブ・ブラントによる


「CRUSHED CUP」





紙コップを実際に握りつぶし、その型をとって磁気で焼き上げた作品で、
一つとして同じ形のものは無く、
また、実際に人が潰した型によって作られているため、手にも良く馴染む。
驚くことに、今でもベストセラーとして大人気のこの作品が発表されたのは、 
1975年。
そして、これほどまでに芸術性に富んだ有名作品であるにも関わらず、1000円台で手に入れることができる。


オランダにおいて芸術作品とは、
美術館や博物館で立派なショーケースの外側から眺めて楽しむものではなく、
実際に手に取り、更にはそれを普段の生活で使うことによって、デザイナーや 
作家のメッセージを受け取り、理解していく為のものなのだ。
そして、そういう風潮は何も最近生まれたわけではなく、私達が生まれる以前から根付いているのだ。





錆び付いたふるいホーロー製のカップに見えるが、なんとセラミック製。
オランダの監獄で使われていたマグカップを模したものだそう。
錆のように見えるのは、職人がひとつひとつ丁寧に施したダメージペイント。
これも、驚くほど安価で手に入れる事ができる。


私達が日常使いの食器を選ぶ時、大抵、大量生産されたピカピカの新品を買う。
デザインが利いていたり、少し古くておしゃれなものを選ぶと値がはるので、
どうしても食器棚で眠る控え選手になりがちだ。


そして今でこそ「エコ」という名の元、モノを大事に使おうという風潮が再度日本でも広まっているが
(日本が誇る「勿体ない精神」は、一度は廃れたと言っていいと思う)
オランダではその精神がずっと前から、庶民レベルでしっかり浸透しているのだ。


それを思うと、
なぜ日本は環境問題に関する意識も行動もこんなに立ち後れているのか、
腕組みをして「う〜ん」と考え込んでしまう。





「モノを最後まで使う、寿命を全うさせるという精神は、オーガニックにもじます。
商品を見て、ただ『可愛い』『おしゃれ』と思ってもらうだけでも、とっかかりにはなる。
そのとっかかりを提供する場でいたい。」





東京は下北沢のサロンでスタイリストをしていた菅野さんは
コレクションなどで活躍するヘアドレッサーに師事し、アシスタントを務めていた。
当時はモデル達の価値観も風潮も「身体の細さ」に美を見いだしていた時代。
骨身を削る思いで体重を落とし、見た目の美しさばかりを追求するモデル達を
目の当たりにして過ごしたことがきっかけで


「本当に良いものを、自分がその良さをきちんと理解した上でお客さんに勧めたい」


と考えるようになり、オーガニックにたどりついたという。


東京で活躍していた菅野さん、どうして拠点を沖縄に?


「オランダで始めることも考えました。
でも、母国でちゃんと根を張ってから、と思って。」


当時石垣島に魅せられていた奥様が熱心に沖縄を勧めるので
実際に訪れてみると、
沖縄という地の懐の深さを感じたという。


「その頃にはまだオーガニック自体今ほど流行っていませんでしたから、
新しいものを受け入れやすい土地柄にも惹かれました。」


入り口を入ると、普段はこだわりの石けんやシャンプーが並ぶ雑貨販売のスペースがあり、
壁を隔てて奥にヘアサロンがある。
雑貨を買いに来たお客さんが、後にヘアサロンのお客さんになったり、その逆になったり。
また、特に広告や宣伝もしていないが、通りがかりに立ち寄る人や、口コミなどで広がっているという。





かくいう私も、今まで何度もお店の前を通り、気になってはいたものの、
そのおしゃれな雰囲気とオーガニックに対して知識がないことから腰が引け、 
なかなか入店できないでいた。


「それはよく言われますが、逆にこちらが恐縮しちゃうくらいで。
気になる方はどなたでも、本当に気軽に入ってきて頂きたいです。
お試しで使ってみて、良かったら続けてみる、合わなければやめるっていう気持ちで大丈夫。
それはアンティークなどの商品についてもそう。
食器や道具って使うためにあるんです。
是非手に取って、こうしてゴリゴリ回してみたりして、その感じを確かめてほしいですね」


そう言って、アンティークのコーヒーミルの把手をかき回す。





いかにもお洒落男子な菅野さん、一見近寄りがたい雰囲気もあるが、
話しかけるとにこやかに丁寧に、なんでも優しく教えてくれる。


「自分はあまり前に前にというタイプじゃないので話しかけづらいかもしれないけれど、
気軽に声をかけてください、何でも答えます。」


店構え同様、押しつけがましいところがなくて控えめなのに、
人を惹き付ける魅力を持つ菅野さん。
照れ屋だという彼に、是非話しかけ、
オランダの魅力、オーガニックのこだわりを訊いてみてください。

写真・文 中井 雅代






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