写真・文 佐野 綾子
梅雨明けした途端に、空気が変わり一層日差しの強くなったここ数日。外を少し歩いただけで、汗がどっと吹き出します。
梅雨の間じゅう湿気やカビが心配だったお気に入りの革製品を、はらはらしながらたまに靴箱やクローゼットを覗いてはチェックしていました。
今年は梅雨の間もあまりまとまった雨は降らず、梅雨明けはあっさり突然でしたね。
これでやっと気になっていた靴のお手入れが出来ると、お気に入りのtrippen potを引っ張り出します。
泥はねの汚れがところどころついていたり、写真に収めるのが恥ずかしいくらいですが、どれくらいきれいに変化するのか、楽しみながらお手入れしていきます。
まずは靴を見ながらどのような状態なのかを細かくチェック。お手入れは久しぶりなので、少しくたびれた印象です。
そして、お手入れの基本ですが、まずは、ブラシで靴全体のほこりや汚れをよく落とします。タピールのブラシは天然の馬毛のブラシですのでしっかりしながら柔らかさもあり、使い易く革にもとても良いのです。
タピールのフレーゲクリームは、表革に使える艶出しや保護効果の高いクリームタイプのワックスです。チューブの蓋を開けると柑橘系の爽やかで優しい香りが広がります。
このフレーゲクリームの原材料は、防水効果のあるミツロウ、ブラジルのカルナバやしの葉から採取したカルナバ蝋、ひまわりの種のオイルから作られたひまわり脂肪酸、オレンジの皮から蒸留して作った天然の溶剤であるオレンジテレピン、アンモニアなど天然素材にこだわって作られています。それぞれの植物性原料はすべて有機栽培されたものを使っており、また遺伝子組み換えされたものは使ってないのです。
革製品のお手入れには石油化学系の乳化剤や酸化防止剤などが含まれたワックス製品が多く流通しているのが現状ですが、これらの素材は環境にも人体にも有害な影響をもたらします。そしてそれだけでなく、自然素材である革の柔軟性をなくしたりひび割れの原因となってしまいます。
市販のクリームやスプレーで大事な靴をお手入れしてこのようになってしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。
タピールの製品は、1983年にドイツ中部で誕生しました。19世紀の古いレシピを元に試行錯誤を繰り返し、天然の素材が皮革にとって最良のケアになるということにたどり着いたのです。
それでは、タピールのフレーゲクリームを少量ブラシか布に取り、馴染ませていきます。この時ブラシを使う場合は、最初に使用した汚れを落とすブラシとは別にクリーム塗り用のブラシを使用してくださいね。
布で塗りこむより、革の細かいシワにクリームが行き届くので、ブラシで塗るのがオススメです。
この時つけすぎには要注意です。ごく少量を薄く伸ばすように少しずつ広げていきます。
全体に均一に馴染んだら、仕上げのブラシや柔らかい布などで磨き、余分なワックスを落とします。
クリームが隅々まで行き届いて、細かなシワも目立たなくなり、深い艶が出て全体的に色がくっきりしたように感じます。
Shoka:で取り扱いをしているフレーゲクリームは無色のタイプなので、表革でしたらほとんどの製品に使っていただけます。ですが、初めて使うときには革の目立たないところにごく少量を試してからお手入れするのが失敗を防ぐコツです。
お手入れの頻度の目安をよく聞かれますが、フレーゲクリームを使ったお手入れは、月に一回を目安にしていただくのがオススメです。
大切なのは「使ったらブラシをかける」ということなので、使ったあとにブラシなどで汚れを落とすようにしていると、ケアの頻度も少なくてすみ汚れが落ちにくくなるのが防げます。
せっかくの革製品を長く愛用できるようになるべく心がけたいですね。
もし、trippenのお靴のお手入れしていて、何か修理が必要だと思ったらお気軽にお持ちになりご相談くださいね。trippenの職人さんがお直しをするので少しお時間はいただきますが、修理を終えて生まれ変わった靴をご覧になった時のご依頼主の嬉しそうなお顔は、本当にこちらまでとても嬉しくなるのです。
さて、お手入れも済んでさっぱりしたので、冷たい飲み物を飲んでリフレッシュ。
Shoka:オリジナルのグラスのマトリョーショカグラスは、お茶の時間に大活躍しています。
紫蘇ドリンクの美しい色が視覚から元気を与えてくれます。
( 左:クリア 右:灰緑色)
飲み物を注ぐとグラスにはいっている筋状の模様がよりくっきり浮かび上がり、美しい清涼感があります。つい手が伸びて気がつくと毎日使っているグラスです。
3個セットで入れ子になり、マトリョーショカのように重なるのが、ネーミングの由来です。
(どちらも灰緑色)
そして使い方いろいろ、グラスとしてだけでなく、こうしてフラワーベースとして使ってもお花の魅力やガラスの美しさが際立ちます。
(青)
一番人気で完売していたクリアのタイプは、6月末に入荷予定となっています。読谷村在住の琉球ガラス作家、小野田郁子さんが暑さに負けず製作真っ只中です。
そして、みんなでのお茶の時間は、靴のお手入れと同じくらい大切な時間だと考えています。
日々の暮らしを丁寧に、、、言葉にすると簡単なようですが、限りある時間の中で暮らしの何に重点を置いて行動するのか、日々どんな心がけをしたいのか、見つめて実行していくことの積み重ねがこれからの自身をつくっていくのだと思います。
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ただいまのShoka:
Shoka:オーナー田原あゆみが自分の足で回って、自分の目で見つけてきたヨーロッパ、主にパリのアンティークを紹介しています。
絵本からとび出してきたようなキノコたちですが、古くに特殊な印刷で仕上げられた一枚。
ヨーロッパの地からShoka:へたどり着いた額絵が続々お店に並び始めています。
「アンティークは誰かに見出され、愛されたからこそ受け継がれてきたものです。時間という篩にかけられて、残ってきたものには確かな魅力があるのです。そんなものを自分で見て回り集めてきました。ヨーロッパの銀製品や、手仕事を生かしたものたちには独特の雰囲気が詰まっていて、暮らしの中で使うと独特の景色が美しいと感じます。暮らしの中に、時間を超えたストーリーを迎えることも愉しいことだと感じます」
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暮らしを楽しむものとこと
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