文 田原あゆみ
今年もまばゆい光に包まれた、パワフルな夏がやってきました。
ヨーガン レールの夏の恒例となりつつある、「イエローレーベル展」。
インドのニールクマールさんの工房で手仕事を活かして作られるテキスタイルを、ヨーガン レールのデザイナー松浦秀昭さんがうつくしいラインのお洋服に仕上げたシリーズ。
松浦さんのデザインは、とてもシンプルなのですが、着た時の身体のラインがとてもすっきりときれいに出るのが特徴です。
動いている時が、一番きれいに見えるのも嬉しい。
インドの手仕事のテキスタイルは今ではあちらこちらで手にする事が出来るけれど、松浦さんの手にかかるととても上品で女性らしく、フェミニンな仕上がりになっているのが特徴なのです。
上質で、軽やかで、生き生きとした力強い夏の服がShoka:に入ってきました。
去年のイエローレーベル展の時の記事の中に、ニールクマールさんの工房での写真等が載っています。
2013「イエローレーベル展 人と服と」
2013「心躍る インドの手仕事」
インドの太陽はどんな景色を照らしているのでしょうか?
沖縄の光もまぶしくて、一年中花が咲き乱れているのですが、ニールクマールさんの工房で作られる布の色を見ていると、沖縄とも日本とも違う発色がとても新鮮です。
色が発光しているように感じませんか?
それぞれの色たちが生きているような、力強さを感じます。
きっと空気が乾燥していて発色がより鮮やかなのだろうと、この色たちを見ているとオレンジ色の土壁にかぶさるように咲き乱れているブーゲンビリアの真ピンクが浮かんできたり、いろいろな色の花が浮かんでくるのです。
いつか必ず行きたいと思っているインド。
特別にしていたので、まだ行けずにいる摩訶不思議な想像のまま私の中に息づいているインド。
この色たちを目にしていると、私の想像の中のインドはますます強烈な印象の国になってゆく。
布を重ねておいた上からミシンで刺繍をして仕上げたアップリケ。
ワンピースの上に大きなお花が咲いているよう。
私はミシンを踏んだのも、高校生の家庭科の授業で作ったパジャマが最後だったので、実際にどんな風にミシンを使ったらこんな風になるのかは想像する事しか出来ないけれど、なんだかリズミカルなミシンの音が聞こえてくるよう。
たたたんたたたん たたたたたたた
たたたたたたたた たたたんたたたん
夢のような色。
この布の作り方を、私は写真で見て知っている。
けれど、どうやって作られたかを知る事よりも、この布のうつくしさを味わう方がずっと良い事も知っている。
ときにリアリズムは夢を壊してしまう事もある。
インドの神秘的でうつくしい女性たちが、清流の流れる畔の工房で糸を染めて、布を織って、空はどこまでも青く、大地は赤く熱を持っている。
そんな景色を想像したい。
それで良いのかもしれないけれど、Shoka:へ見に来てくれた方にはどうやって作られているのかをお教えしましょう。
デザイナーの松浦秀昭さんは、もともとイラストレーターをしていてヨーガン レール氏との出会いをきっかけに洋服のデザインをするようになったのです。写真の絵は、30年ほど前に描いたピーターパンの挿絵と、赤毛のアンの中に出てくるお菓子の本のイラストの原画たち。その本は当時とても人気があって、たくさんの乙女たちがドキドキしながらその本に描かれている世界や、おいしそうなお菓子たちに夢中になったのだとか。現在でも根強く支持されていて、最初の版権を持っていた出版社が倒産した後、白泉社がその半券を買い取って重版を重ねています。「赤毛のアンの手作り絵本 少女編」・「赤毛のアンの手作り絵本 青春編」・夢の家族編の3巻となっています。松浦さんのイラストがとても魅力的。
現在、文京区弥生にある弥生美術館にて開催中の『村岡花子と「赤毛のアン」の世界観』という展示会で松浦さんのイラストの原画を見る事が出来ます。私も見に行ってきましたが、アンのフアンの方には見逃せない興味深い展示会でした。
今のデザイン画やイラストのテイストとは違う事も、仕事をしていく上での変化を感じられて興味深いものです。
現在のイラストはこんなタッチで描かれています。とてもシンプルなラインで、自然な身体の動きまで表現できる技術と、絵から届く楽しさや明るさなど人を笑顔にするような表現力が一つになっているところが松浦さんらしくて本当に素敵です。
一体どんなお洋服を見せてくれるのか、私もとても楽しみなのです。
さあ、台風12号ナクリーの影響で、朝から雨模様の沖縄。
8月1日(金)からスタートする「インドの手仕事 イエローレーベル展」、
いろんなイエローがあるけれど、今回のイエローは人生に活気を与える、スパイスのようなイエローです。
8月1日(金)~ 10日(日)
インドの手仕事 イエローレーベル展
インドのニールクマールさんの工房で作られている手仕事を活かしたテキスタイルを、ヨーガンレールのデザイナー松浦秀昭さんが、エレガントで遊び心一杯の楽しい洋服に仕上げました。夏を楽しむ大人の服たち!
Shoka:OBの麻ちゃんの料理店「胃袋」も
8月1日にオープンします。
楽しみですね!
くらしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com
12:30~19:00
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791