yuna


ジュリアン・バーンズ著  土屋政雄・訳 新潮社 ¥1,700(税別)/OMAR BOOKS

 

熱帯夜が続く毎日。
そんな厳しい暑さを忘れてしまうほど、どんどん引き込まれてしまう心理サスペンスのような小説はいかがでしょう。

 

最近身近でタイムリーな話題が、「誤った記憶を作る」研究が現実に成功したという話。
それって怖いな、と思っていたら、たまたま読み始めたこの本がまさに記憶をめぐる物語だった。
ブッカー賞受賞作(世界的に権威のあるイギリスの文学賞の一つ。同賞受賞作にカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』がある)とあるから、期待を裏切らないでしょうと読んでみたら、ますますこの賞への信頼が増した。

 

家族や長年付き合いのある友人たちと思い出話を話しているとき、「えっそうだっけ?」と戸惑うときがある。
言った言葉や見たこと、聞いたこと、同じ時間を過ごしたはずなのに、互いの記憶の違いにあまりにも相手が自信満々だと、全く身に覚えがなくても「そうだったかも」と、自分の記憶の曖昧さに自信を無くす。

 

自分の行動、感じたことが本当のことなのか、今となっては確かめようがない。
人は都合のいいように記憶を作り変える。それはもう当たり前のように、無自覚にやっているから普段は気にしないけれど、ときどき他人と記憶合わせをやってみると分かる。

 

結局、他人と自分の記憶をすり合わせたものが一番信用できるのかもしれない、と思う。
この小説を読んでいるとますますそう考えるようになった。

 

一見すると派手な事件は起こらなくとも、まるでミステリーのように読者を心の迷路に誘う。

 

ある男性の人生の回想から始まるこの物語。
過去に関係のあった人物から何十年も経て、彼の元へ日記が届く。
彼、トニーにはそれがどんな意味をなすものなのか分からないまま、それを辿っていくうちにある過去へ行き着く。
ここから先はもう言えない。

 

後半その謎は加速度を増し、最後にはあっといわせる展開が。
思わずうわっと声を上げそうになってしまった。これはもう一級のミステリーだ。

 

最近思うのは、個人の歴史ほど面白いものはないということ。どんな人のものでも。
いくら周りから平凡な人生を送っているように見える人でも、その内には豊かな物語を抱えている。それはもう例外なく。
単なる時間の積み重ねではなくそれ以上の何かがある。

 

そう、だから人の話は聞くのをやめられないのです。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

 

          

yuna

 

【一般講演】 8/24(土) 13:30〜15:30
「40、50代だからこそ始める植物=芳香療法としてのアロマテラピー」
講師 高山林太郎 先生 特別ゲスト:内科医 大場修治 先生
前売 机席3,500円 椅子席 3,000円

 

【少数対話会】 8/25(日) 9:30〜11:30
「若いセラピストたちへ伝えたいことがたくさんある」
講師 高山林太郎 先生
前売 6,000円

 

★この方々へお伝えする講演会、対話会です。
アロマテラピーを実践している方
アロマテラピーを教えている方
アロマテラピーに興味がある方
ハーブ、自然療法に興味がある方
野菜、植物にチカラあると信じる方
医療関係に従事している方
介護での心理ケアを探している方

 

アロマテラピーって人によって使い方が違うみたいなんだけど、どれが正しいの??
健康に役立つ植物=芳香療法をアロマテラピーの父、高山林太郎先生から直接話しを聞き、質問も出来る、こんな2日間が開催されます。

 

アロマテラピーを日本で誰よりも早く取り組みロバートティスランドなど30冊以上の翻訳、執筆を行った高山先生。翻訳時には原著者に会いに行き、実際に内容を確かめて翻訳したという姿勢からも、まさにアロマテラピー界の生き字引といえます。

 

75歳になる高山先生は自らアロマテラピーを活用する実践者でもあります。
近年普及が進んだアロマテラピーですが、アロマテラピーの”文献”とよべるものは非常に少ないのが現状です。試験の参考書やハウツー本は文献とはいえません。

 

「病気に強い身体、医者にかかりにくい身体を作る「植物=芳香療法(アロマテラピー)」
「日本発のアロマテラピーを生み出すために、アロマセラピストたちへ伝えたいことがたくさんある。」

 

こう語る高山先生の著書「誰も言わなかったアロマテラピーの本質」が、今年の5月に出版されました。しかしその後1週間で、諸事情により、発売禁止となり、すべて断裁され、もう読むことは出来ません。

 

その高山先生と、沖縄の健康、植物療法、ハーブ、アロマテラピーをテーマに、時に語らい、時に議論する2日間となります。

 

お問い合わせ、お申し込みは、
みねいアロマ音楽メディケアホームページにて、
受付しています。
http://www.meetsnature.com/

 

開催日:
【一般講演】 8/24(土) 13:30〜16:00
【少数対話会】 8/25(日) 9:30〜11:30
場所:沖縄船員会館(とまりん近く、泊ふ頭郵便局となり)

 

http://www.meetsnature.com/seminar/
http://meetsnature.ti-da.net/

 

yuna

 

「キャリア教育」とは、子どもが「社会で生きていくために必要な力」や「社会人基礎力」を身につける、全国的に需要が高まっている新しい教育の考え方です。

 

ひと昔前、子どもは地域の大人を見て夢を持ち、将来をイメージしました。現代、机の上で済む仕事が多くなった産業構造の転換に加え、刻々と進化する経済情勢。子どもから見ると、働くことのやり甲斐や厳しさも、”かっこいい大人”も見えにくくなりました。そして社会問題となったニートやフリーターの増加、若年層の早期離職・・・そこで、子どもが「社会で力強く生きていくために必要な力」や「職業観」を身につける『キャリア教育』の需要が全国的に高まっています。
誰にでもすぐに実践できます!まずはお話を聞きに来てみませんか?どんな方でも大歓迎!
県や国が推奨する理由とは?
生活や仕事にどう活かせるの?
参加無料!まずはお気軽にお申込みください♪

 

講座の様子や受講者の声は下記からアクセス!
http://yumesodate.com/career/

 

開催日:
8月12日(月)14:00~16:00
8月15日(木)18:30~20:30
日時(2日とも同じ内容です。)
会場:沖縄県産業支援センター4Fオーシャン21会議室

 

yuna

 

ひやみかち市場vol.4 は「ぼん*marché」です!!

 

お盆の前の日にいいお買い物をしませんか?
夏の青空と、夜の月明かりの下、
両方楽しめる「ぼんmarché」にぜひお越し下さい♩
可愛くて素敵な雑貨たちと、ほっぺの落ちる食べ物たちが
皆様をお待ちしております!

 

開催日:8月17日(土)、18日(日)
時間:15時〜20時
場所:にぎわい広場(那覇市松尾2-7-10)

 

HP:http://hiyamikachikeikaku.blogspot.jp
facebook:https://ja-jp.facebook.com/Hiyamikachikeikaku

 

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アクアパンダトリックトリップ(3Dトリックアート)入場料(大人)700円→500円(子供)400円→300円(子供) 3歳以下は、無料です!!
合言葉:CALND OKINAWAをスタッフに言えばOK!!割引致しますよ!!!

 

期間:2013年8月5日(月)~2013年9月1日(日)迄
場所:沖縄県中頭郡北谷町美浜15-69
カーニバルパークミハマ3F(観覧車フロア内)

 

http://www.aquapanda.net/

 

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DUBMISSIONはおかげさまで一周年を迎えることが出来ました。日頃から支えてくれる皆様のおかげだと、その思いを噛み締めながら一周年Partyを開催したいと思います。

 

オープンなアンダーグランドの現場として今迄にすばらしいアーティストを県内外から迎えながら開催してきました。
今回は、日本のレゲエダブシーンに多くの作品(功績)を残し、「MUTE BEAT」のフロントマンとしても名高い現在進行形のレジェンド「こだま和文 from DUB STATION」、日本各地より深々と猛者が集う日本有数のBEST PARTY「ZETTAI-MU」より不動のレジデントにして日本のアンダーグラウンドシーンのラスボス「1945 a.k.a KURANAKA」、KING RYUKYU設立等まさに沖縄のシーンの立役者と言える、沖縄のレゲエシーンの父「DADDY-P from BLUE BEAT」をゲストに向かえ、レジデントはおなじみ「MONDO」「CHEEBA」「KAGAWA」とまさに一周年に相応しいこの上ない布陣でお送り致します。

 

☆☆☆DUBMSSION 1st Anniversary☆☆☆

 

☆Guest Live
こだま和文(DUB STATION)

 

☆Guest DJ
1945 a.k.a KURANAKA(ZETTAI-MU)
DADDY-P(BLUE BEAT)

 

☆Resident DJ
MONDO(bud ryukyu)
Cheeba(AKAZUCHI)
KAGAWA(DUB BOX)

 

☆VJ
SAKKAKU&GENKAKU

 

information&contact
http://loveball.ti-da.net/

 

開催日:8月31日
場所:LoveBall(NAHA/Okinawa)
入場料:Door:3500/1D W/F :2500/1D
12:00までに入場の女性 1500yen

 

https://www.facebook.com/events/318465641621047/?ref=14

 

yuna

 

旅する天然石とマクラメアクセサリーのお店 Macrame Jewelry MANO 、オンラインショップオープンから三ヶ月目に突入。
日頃の感謝を込めて summer sale 2013開催!!
8月3日から17日までの二週間、全品15%off。
マクラメアクセサリーを知っている人も知らない人もこの機会に是非覗いてみて下さいね☆

 

旅する天然石とマクラメアクセサリーのお店 Macrame Jewelry MANOは
旅で集めてきた天然石をマクラメの技法を用いてマクラメアクセサリーを制作販売しているオンラインショップです。
一つ一つ心を込めての手作りなので全てオリジナルの一点モノです。
オーダーも承っております。
宮古島でのんびり子育てをしながらののんびりなお店です。
あなたの暮らしに寄り添う天然石のアクセサリーを見つけてみませんか。

 

期間:8月3日から17日までの二週間
オンラインショップにて(宮古島で制作、発送しております)

 

online shop :http://mano-macrame.shop-pro.jp/
blog :http://manodegato.blog119.fc2.com/
fb :https://www.facebook.com/macramejewelrymano

 

yuna

 

お片付けにも理論があった!!
どうしたらお片付けがスムースにできるのか?
日々の生活を気持ちよく過ごせる、楽しく!簡単にできる片付け術をこの講座で学ぼう!
講師に家事・育児・掃除・お片付け代行業「サポートマンおきなわ」代表 根原典枝さんを招いて楽しく学びます。

 

講座後は読谷村”島やさい工房「かめさんといっしょ」主宰 島袋都子さんがつくる”うちな~薬膳ランチボックス”をいただきながらユンタクタイムといきましょう♪

 

開催日:8月30日(金)
時間:10:00~12:00
場所:ガールズスクエア
定員:15名
参加費:2000円(参加費・お弁当代・指定駐車券込み)
共催:nono friends、沖縄ガールズスクエア
講師:玉城乃野、サポートマンおきなわ代表 根原典枝
nono friends代表 玉城乃野(たまきよしの)
二児の母親で、テレビやラジオのパーソナリティなどを務めるワーキングマ ザー。家族の健康を大切にしながら、自分磨きもしたいし、育児情報がもっとあったらいいなという想いから「やってみたいこと・習いたいこと」をママたちで 企画現在nono friends代表として女性目線・ママ目線の企画を各地で発信中♪

 

www.girls-okinawa.jp

 

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12回目、夏の食事瞑想です。

 


入室したら無言をお願いするサイン。入り口に置いてあります。

 


ゆったりと心地よい空間の瞑想スペース。柔らかい日の光がはいります。

 


bio cafe 清流舎のオーナーであり、リマ沖縄校の長嶺弘子先生による繊細なお料理には、いつも驚きます。

 


酸・苦・甘・辛・鹹の味覚と歯ざわり、彩りと、五感を刺激するように考えられた、オーガニック素材で作られたマクロビオティックのお食事。

 

「食事瞑想」とは、瞑想を、日常である食事として体験することです。
自分の精神と感覚がどんどん繊細になり、意識が内側に向いてゆくのを実感していきます。
読谷村のマクロビオティック・カフェ、bio cafe清流舎のオーナーであり、リマ沖縄校の代表である長嶺弘子氏と、ヨーガスタジオ・オキシャンティがコラボレートします。
マクロビオティックと瞑想ヨーガのランデヴーをお楽しみください。

 

ヨーガの鍛錬にした丸一日通す「沈黙の行」。その日の食事では、食物に感謝し、その色や形、味をあじわいながら一口一口時間をかけて咀嚼します。わずか3 品を長い時間をかけて食すのですが、自分の精神と感覚が立ち上がり、意識と時間が解け合う、まさに瞑想的な食事となります。

 

いのちの栄養は、良い睡眠とおいしい食事、そして純粋意識(自己治癒力や免疫力などの自然知性をもたらすもの)を体験する瞑想です。日常生活の中のある日の食事を、自分を見つめ直す瞑想の時間としてみてはいかがでしょう。

 

「食事瞑想」では、呼吸法をまじえた瞑想の後、そのままゆっくりと、長い時間をかけて食事をします。オーガニックの贅沢な素材で作られたbio cafe清流舎の3品目のおいしいお食事。日々を安定した気持ちで過ごすための、何かの気づきがあるかもしれません。

 

開催日:8月17日(土曜日)
時間:10:30~13:30
場所:bio cafe 清流舎  沖縄県読谷村古堅851
参加費:3000円
完全予約制 *二日前までにご予約ください。
bio cafe: 098-956-4000/土日月火11:00~15:00
info@seiryusha.com
ヨーガスタジオ オキシャンティ: 080-4363-6464
okishanti@gmail.com
食事瞑想のご予約はオキシャンティでも承ります。
ぜひご参加をお待ちしております。完全予約制ですので、二日前の15日までにご連絡ください。

 

http://ameblo.jp/okishanti/

 

yuna

 

辻本氏の演奏は、力強く激しく聴き手に迫ります。
名器からひき出される美音と爆音、「こんなチェロ、聴いたことない!」喝采をあびた情熱の演奏をぜひお楽しみください。
公演前にはプレトークを開催、プログラムの聴き所などをアーティスト自身にお話していただきます。
また、公演後には会場内で、アーティストを囲んだアフターパーティもご用意します。
芸術と過ごす週末のひとときをぜひご一緒しましょう。

 

開催日:2013年8月9日金曜日
時間:開演19時15分(開場18時15分)
場所:浦添市てだこホール/小ホール
プレトーク:18時30分〜45分
料金:一般4,500円(前売4,000円)/学生2,000円
プレイガイド:リウボウ 098−867−1171
カフェ・ド・カンタータ 098−867−6389
主催:ビューローダンケ http://blog.giba.in/kei/
お問い合わせ:080−5540−6760

 

 

yuna

写真 文 田原あゆみ

 

shoka

 

 

みなさんは、Gabbeh – ガベ(ギャッベ)を知っていますか?

 

ガベとはペルシャ語で、イラン・イスラム共和国の南西部に位置するシラーズ州を夕卜するカシュガイ(カシュカイ)族、ルリ族の人々が暮らしの中で織ってきた絨毯の総称です。

 

羊毛を草木で染めて、ざっくりと織っているためおおらかな味わいがあるのがその特徴で、織り手によって柄も色も個性豊かに違うのが面白い。

 

羊毛は冬のイメージがあるけれど、山岳地帯に住む羊の毛は、日中と夜との寒暖差が大きい時には40℃もある地域特有の放熱と保温に優れているのだそう。
なので、たとえ南国沖縄で使っても夏は放熱してさらっとしていて、冬にはしっかり暖かさを提供してくれるのです。

 

今までにも何度かガベは横目で見てきてはいたけれど、去年の8月に開催した企画展、「赤木智子の生活道具店」の際、じっくりと触れることが出来た。
それは岡山のGallery ONOの小野善平さんがセレクトした、生き生きとした大小様々な暖かみのあるガベたちだった。

 

そのあとしばらく経って、その小野さんこそが日本に最初にガベを持ってきた人だということを知った。

 

小野さんは筆まめで、企画展開催前からハガキやメールをくださって、扱ってくれることへの感謝や、沖縄が大好きなこと、Shoka:のHPを読んでくださって誉めてくださったりと、とても気持ちが温かく、仕事を心から愛している様子が感じられて、私たちはいつの間にか小野さんの人柄に魅了された。

 

 

いつか小野さんのギャラリーに行ってみたい、行かなくっちゃと、私はこの一年間思い続けていたのです。

 

shoka

 

 

かくして私はまたまた空を飛んだのでした。

 

 

東京出張と、ソウルへの旅が終わったばかりの7月半ば。
以前から工房を訪ねる約束をしていた、陶芸家の小野哲平さんと早川ユミさんの住む高知県の谷間を訪れることがぱたぱたと決まった。

前回の記事で挨拶があったように、Shoka:の常勤スタッフの一人だった愛しの関根が7月一杯で常勤を退職。
8月は身体のメンテナンスをする為にゆっくりと休みます。
その後はShoka:の協力助っ人体制となるとはいえ、この夏は人手不足。
私が動くなら7月中しかありません。

 

ちょっときつきつのスケジュールの中、えいやっ!と飛行機へ飛び乗ったのでした。

 

 

高知までの直行便は沖縄からは飛んでいません。
なので、どの経由で行こうかと調べていたら、岡山から車を借りたら行けるということが分かった私は、即決で岡山行きを決めたのでした。

 

これでGallery ONOさんに行ける、と。

 

shoka

 

 

Garally ONOは岡山市の高島屋の裏手にある小さなギャラリー。
店内に置いてあるのは、紀元前3000年前の土器や、ラテン語で書かれた楽譜、西洋の古美術たち。
すべて小野さんが旅をしながら自分の目と手で確かめて、集めたものばかり。

 

 

「僕のお店にきてくれるお客さんは、僕が自分の目で確かめて買って集めたものを置いていることを知っているんです。
そこを信頼して来てもらっているんです」
と、小野さん。

 

 

自分の仕事に覚悟を持って向き合ってきた人の言葉だ。

 

shoka

 

選んだものを通して、小野さんがどんな人なのかを感じようと、店内を見回す。
キリスト教にまつわるものから、エチオピアの枕、オリエントのBC3000年の土器の欠片、古いのに鼻息が感じられるような駱駝の焼ものまである。
詳しいことは聴きそびれてしまったのだけれど、相当古いもので紀元前のものなのだそう。

 

 

そんな昔の時代の暮らしがどんなだったのか私には想像もつかない。
この駱駝が当時どんな人の手でつくられたのか。
なぜこのポーズだったのか、分かりかねるけれど、とても心惹かれる姿だ。

 

小野さんもきっと一目で好きになったのだろうか。

 

shoka

 

生き生きとした駱駝の表情と、柔軟なポーズから私は旅の始まりを感じます。
みなさんはどんな風に見えますか?

 

 

shoka

 

 

 

小野さんは30代半ばににそれまで勤めていた天満屋というデパートの美術品の外商の仕事を辞めて、心惹かれていた古美術品を扱うお店を開くことを決心されたのだそう。

 

奥さんのかな子さんは、天満屋に勤める人と結婚したと思っていたのに、事業を始めると言って安定を捨てた夫に驚いて、当時は不安で一杯になったのだそう。
それでも、生き生きと働く姿を見るうちに覚悟を決めて一緒に楽しむことを選んだのだそうだ。
そんな話を表情豊かに話してくれる小野さんを見ていると、人はいくつになっても好きなことをするということが一番のしあわせで、生きる原動力になるとういうことをつくづく実感した。

 

今はこの通り、二人とも柔和な笑顔。

 

 

「最初にありったけのお金を持って買い付けにいった時に、ヘレケのシルクの絨毯に出会って、よしっ!と、スーツケースに7枚詰め込んで持って帰りました。
それが売れた元手で、次に、そして次にとやっているうちにバブルがはじけて、何か違うものを探さんといかんなぁ、と、そう思って思ヨーロッパを歩いていたある日、ガベに出会ったのです。

 

その時に全身がじーんと痺れるほど、これだ!という感覚に打たれました。

 

そして、またガベを7枚買って日本へ帰ってきたのです」

 

shoka

 

 

ガベは直訳すると「ざっくりと織られた」という意味なのだそう。
遊牧民の暮らしの中のおおらかさと、手仕事ゆえの味わい深さが、日本の民芸にも通じるとすっかり虜になったのだという小野さん。

 

 

 

 

ガベの柄には様々な意味があるという。
枠のついている四角は、窓を表していて「窓からしあわせがたくさん入ってくるように」という願いが込められているという。

 

四角い模様は井戸の水を表している。
遊牧民の生活の中で大変なのは、命の水を確保すること。
大切な水を表す、四角い模様はガベの代表的な柄の一つだそうだ。

 

shoka

 

 

 

それこそ直感的に、おおらかに織り込まれた様々な模様と、遊牧民の暮らしを写した色が魅力的なガベたち。
この鮮やかな色は、草木染めで染め上げた色なのだそう。
私の知っている草木染めよりも、色が深く、鮮やかで、最初は信じられなかった。

 

カシュカイ族にとって、赤色や黄色は太陽の色、青はオアシス・水の色、黄色は豊穣の景色、青色と黄色を足してできる緑色は春や夏に生い茂る草原の恵みなど生命の循環を色に現すことがあるそうだ。
織り子は、草木染めで染めるとどうしてもできる色むら(アブラッシュ)をもたくみに利用してギャッベのデザインに反映させていくという。(Wikipediaより参照)

 

shoka

 

ガベには作られてから100年以上経ったアンティークと、100~50年前のオールドガベ、50~30年前のセミオールドガべがあります。古いガベには使い込まれた良さがあり、昔の暮らしの景色から来る素朴さがとてもいい。

 

新しいガベは洗練されていて、使い込んでゆくうちに経年変化の味わいが滲んでくる過程が楽しめるのがうれしい。

 

 

小野さんとかな子さんは私に、「40代はまだまだこれから。どんどんいいものに出会う為に色んなところへ行ってください」と、さわやかに力強く言ってくれた。

 

 

40代半ばで自分の心の声に従い、一歩踏み出した小野さんだからこそその言葉には説得力があった。
まだまだ冒険出来るぞ、とわくわく嬉しくなる。
歳を重ねることも悪くはないぞ、と。

 

もう一枚、もう一枚と、丸められたガベをほどくのを止められない。
小さな部屋の中は大小様々なガベで一杯になった。

 

 

 

この一枚を広げた時に、空気が変わったのを良く覚えている。

 

shoka

 

水を表す青。
そこに織り込まれているのは「ライフ・オブ・ツリー」と呼ばれる木の模様。
先祖や家族を表すこの模様には、生命の繋がりの神秘性と、家族の健康を願う祈りが込められているのだそうだ。

 

 

この絵柄を見ていると、気持ちが静まってただただ惹き込まれてゆく。

 

 

人から人へ、手から手へ、手仕事の技術もその技術の礎となる心根も一緒に受け継がれてゆく。
世代を超えて、時代を超えて受け継がれてきたものがガベという形になって目の前にあることに感動して、しばらく言葉をなくしてしまった。

 

shoka

 

 

最後に広げてくれた静かな抽象的な絵柄のガベ。
シンプルだからこそ創造力が刺激されて、様々な景色が見えてくる。

 

 

小野さんは現在、こんな柄が好きなのだそう。
最後はだまって、ただただガベを見つめるばかり。

 

 

shoka

 

 

 

小野さんが「僕の好きなフルーツケーキとバームクーヘンです」
と、出してくれた珈琲セット。

 

ほっと一息つきながら、不思議な気分になる。

 

 

どこかとても遠くへ旅をしてきた気分。

 

人から人へ、手から手へ、手仕事の技術もその技術の礎となる心根も一緒に受け継がれてゆく。
世代を超えて、時代を超えて受け継がれてきたものがガベという形になって目の前にある。

 

人の手っていいな、と、私はつくづく感じてしまう。
手で出来る仕事はうつくしいな、とやっぱり思うのだ。

 

きっと人の手からは、何かが出ているに違いない。
沖縄のおかあさんや、おばあちゃんの手からは『てぃーあんだ』と呼ばれている愛情エキスが出ていることは県民の感覚に置いて実証済みだ。

 

ぬくもりを持つ手の仕事は、人を惹き込む。
何かしら手が伸びてしまうものには、作り手の無心の祈りのようなぬくもりが宿っているのだ。
きっと。

 

 

shoka

 

 

 

それはそうと、このガベや、ベルベル族の織ったラグたち。

 

Shoka:での「Gabbeh 展」は10月の頭からの予定ですが、民芸の聖地とあおいだ沖縄の地で企画展を開催するのが念願だったという小野さん。
かなり嬉しくなったようで、私が帰った後すぐに沖縄へこのガベたち8枚を送ってしまったのです。

 

開催まであと2ヶ月もあるのに。
9月には別の企画展もあるのですよ。

 

「いや~、ごめんなさい。念願だった沖縄でいよいよ開催出来ると思うと、嬉しくなってつい」

 

声だけ聞いても、その笑顔が見えてくる、わくわくしているその声音。

 

まるで少年のように無邪気な小野さんには白旗を揚げるしかありません。

 

たとえ9月の企画展で、ガベを置くところに困ったとしても、私は笑顔で泣けると思います。

 

 

 

そんなことですのでみなさん、Shoka:に届いたGabbehの第一陣を是非見にいらしてくださいね。
もうよそでは手に入らないという貴重なものも送ってくださいました。

 

 

 

shoka

 

 

 

嬉しそうに笑う小野善平さんと、奥さんのかな子さん。

 

 

 

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2013年9・10月 Shoka:の企画展スケジュール

 

 

shoka

 

9月7日(土)~22日(日) 

 

イエローレーベル展
豊かな手仕事の文化が今もなお息づくインドの地で生まれた
イエローレーベルは、織りや刺繍の精緻な技、独特の鮮やかな色彩を
ヨーガンレールならではの心地よいラインにのせた
夏季限定のラインナップです。
今期はビーズワークやミシンワークなど、
ひときわ精巧な手仕事を用いたアイテムや
さらっと羽織れるジャケットやドレス、
年間を通して活躍する麻素材のアウターなどが揃います。

 

 

shoka

 

 

10月4日(金)~13日(日)

 

「Gabbeh 展」

 

日本に初めてガベを持ってきた小野善平さんが選んだ、
手のぬくもりを感じるガベたちがShoka:へやって来ます。
日常に居ながらにして旅の気分を味わえるガベの豊かさに
是非触れてみてください。

 

 

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shoka


暮らしを楽しむものとこと
Shoka:


http://shoka-wind.com


沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791

yuna

 

沖縄在住二人のDecoクレイクラフト講師、Mb*Clay 馬場美樹と、Mele O Pua狩俣順子による、県内初のDecoクレイクラフト作品展です。沖縄ではまだほとんど知られていないDecoクレイクラフトは、国内ではもちろん、世界24カ国で親しまれています。ぜひこのDecoクレイクラフトの作品と作品作りのすばらしさをこの機会に!展示のほかに一部販売もします。プレゼントやインテリアなどにぜひどうぞ。

 

開催日:8月23日(金)、24日(土)
時間:両日ともに10時から16時
場所:小さなアトリエHATA(宜野湾市宇地泊175)

 

http://homepage3.nifty.com/mb-clay → Mb*Clay
http://meleopua.ti-da.net → Mele O Pua

 

yuna

 

雑貨屋素

 

 

 

沖縄の気候のおかげで一年の8割は草履やサンダルで過ごしております。
会社勤めでなくなって靴を履く必要があまりなくなった、
というのも大きな理由ですが裸足のままサッとつっかけて
出かけられる気軽さが楽チン。

 

ビーサンや革をつかったサンダルも好きですが
稲わらや竹皮など自然素材をつかった草履は
足裏にサラリとなじんで心地よく歩けます。

 

 

雑貨屋素
すごい気合い入ってる、10年もの。

 

 

こちらは10年以上履いた竹皮の草履。
ヘビーローテーションで履いていたお気に入りですが
春先についに鼻緒が切れてしまいました。
(そこ、「不吉」とか言わない。)

 

 

雑貨屋素

 

 

[そ]で取り扱っている草履は
京都のSOU・SOUのオリジナルテキスタイルを
鼻緒にした稲わら素材の草履「あさぶら」。
奈良の高齢の職人さんがひとつひとつ丁寧に編んで作られています。

 

 

雑貨屋素
草履裏には自転車のタイヤを施しすべりずらい工夫が。

 

もともとはその昔に坂道の多いところでも作業しやすく
草履裏に麻を縫い付けたことから
「麻裏(あさうら)」と呼ばれていましたが、
昭和になってから自転車の普及もあって
草履裏の麻は自転車のタイヤと変化し
呼び名も「あさうら」から「あさぶら」へと
変わっていったのだそうです。

 

 

雑貨屋素
春から履きはじめた僕の草履あさぶらはコレ。春から履きはじめた僕の草履あさぶらはコレ。

 

 

その他SOU・SOUからは手ぬぐいやバッグなど
草履と一緒に合わせたいアイテムも届いています。

 

 

雑貨屋素
手ぬぐい。

 

雑貨屋素
小巾かばん。

 

雑貨屋素
小巾折肩かけ。

 

雑貨屋素
肩かけ鞄。

 

 

 

気温の高い沖縄で年間を通して活躍できる草履は
和を気軽に取り入れることができるアイテムでもあります。
鼻緒の柄を楽しみながら素足に快適な草履生活を
どうぞ楽しんでみてください。

 

 

 

 

写真・文 タナベユウヘイ(雑貨屋[そ]店主)

 

雑貨屋[そ]sso
住所: 沖縄県宜野湾市大謝名1-24-18
TEL:098-898-4689
OPEN: 12:30-19:30 (CLOSE/Wed & Thu)[臨休あり]
HP:http://sso-design.jp/zakka.html
ブログ:http://sso.ti-da.net

 

yuna

 

ボノホさんは南城市佐敷にて 自宅の一部を自分たちで改装してギャラリー兼カフェとして『うつわ&喫茶 ボノホ』を毎週土日限定でカフェを開いています。
ダンナさんの焼く器はどれも個性的でニヤリとさせられるものばかり。
またコドモが安心して食べられるものをという奥さんの優しさがこもった食事とお菓子、そしてカワイイ刺繍たちにぎゅっと心をつかまれてしまいます。

 

今回は南城産ハーブを活用してグリーンカレーを作ります。ジモトのおいしい島ゴボウをオリジナルグリーンハーブペーストで炒め、エスニックなチキンとあわせていきます。なんとこのペースト、今回お土産につけちゃいます♪

 

ジモト食材を使って、おいしくて、体にも自然にも優しくて、みんなが笑顔になれる、そんな時間を一緒にすごしましょ。

 

開催日:2013.8.24(sat)
時間:10:00〜13:00
参加費:2500円 (お土産グリーンペースト付)
定員:10名
場所:南城市佐敷手登根65 TEL 947-6441
http://makoto780801.ti-da.net/
持ち物:エプロン

 

お申込:なんじょう地域デザインセンター
TEL: 098-949-7530 mail: info@nancen.jp
(当日のご連絡は080-6499-9992へ)

 

http://www.nancen.jp
http://www.facebook.com/nancenkun

 

yuna

 

鈴木淳HP
全ての詳細はcompassHPをご覧下さい。

 

期間:2013 . 8 / 4(sun) – 18(sun)
時間:11:00 – 19:00  8日、15日 お休み 

 

☆関連イベント
クロストーク&食を囲んでの交流会
開催日:8月4日(土) 
時間:19:00~21:30 (19:30会場) 
参加費:500円
場所:KIYOKO SAKATA studio 
〒902-0065 沖縄県那覇市壺屋1-4-4 1F

 

yuna

 

昨年10月に開催したウララとユニゾンの古書フェア。
ご好評の声にお応えして、
この夏、那覇の「市場の古本屋ウララ」が、
再びカフェユニゾンに出店!

 

今回のテーマは、ずばり「夏休み」。
古本なので、在庫はもちろん1冊限り。
本との出会いをお楽しみください。

 

読書の季節は秋だけ? いえいえ、夏だっていつだって、本はあなたとの出会いを待っています。
テーマは「本で夏休み」。旅に持って行くもよし、旅に行った気分になるもよし。
熱くなる本、涼しくなる本。昔に戻って読書感想文なんかもアリ!? 味わい方は無限大!
夏の文庫フェアだけでは出会えないかもしれない、夏向きの本を集めました。

 

◯<市場の古本屋ウララ>は、7月末に店主・宇田智子さん初めての著書、
『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた<ウララ>の日々』(ボーダーインク)も出版され、
県内外から注目を集めています。
◯そんな話題の古書店・ウララとユニゾンで、
《ビーチで読みたい本》《本で夏旅》《夏の空》《冒険》《郷愁》《恋》
《夏フェス》《飲む本、食べる本》《自由研究に役立つ本》など、
夏に読みたい本を様々な視点からセレクション。
もちろん宇田さん初の著書(新刊)も販売いたします。
◯カフェの壁面に特設する専用木製棚に本の表紙面をずらっと並べるなど、
見た目も新鮮な「古本屋」に!
◯夏休みらしく期間限定で特製かき氷メニューも登場!
本を5冊お買い上げ毎に、かき氷プレゼントのサービスも!
本とかき氷で、夏休みのひとときをお楽しみください。

 

【プロフィール】
市場の古本屋ウララ(店主 宇田智子)
沖縄県那覇市牧志3-3-1 市場中央通り http://urarabooks.ti-da.net/
2011年11月11日、牧志公設市場の向かいに開店した「日本一狭い古本屋」。
沖縄本を中心に文庫や文芸や思想書などを少しずつ並べている。
2013年7月末には店主の初めての著書『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々』
がボーダーインクより出版された。
なぜ神奈川から沖縄に来てひとりで古本屋を始めることになったのか、
商店街で古本屋をやるとはどんな感じなのか。興味津々の沖縄県産本!
紹介ページ:http://www.borderink.com/?p=9190

 

期間:2013年8月7日(水)~9月2日(月)
時間:11:30〜22:00
場所:カフェ ユニゾン
〒901-2201 沖縄県宜野湾市新城2-39-8 MIX life-style 2F
TEL&FAX:098-896-1060 /E-mail:info@cafe-unizon.jp

 

ブログ:http://cafeunizon.ti-da.net/e5105611.html