貝型のマドレーヌの隣には本物の貝殻を置いて。
ガラスのスタンドに飾って、涼しさを演出。
「海辺のマリアージュ」
と題された、liaison(リエゾン:永山悦美・比嘉愛子・越前多恵)による作品。
「アンティークのかごや、
海で調達した砂や貝を使って、
カジュアルな海辺の結婚式をイメージして作りました。」
「テーブルクロスとして使用したのは
実はベッドカバー。
沖縄はビーチパーティーが盛んだけれど、
ブルーシートを広げる事が多いですよね。
でも、クロス一枚でぐっと素敵な雰囲気になるので、
是非やってみて。
いつでも使えるように、
車の中に可愛いクロスを一枚準備していると良いですよ。
テーブルがなくても、浜辺に広げればOK。
クロスはかさばるものではないし、
海だけでなく、ピクニックにも使えます。
汚れても洗えますしね。」
左から、永山さん、越前さん。
食卓を通したチャリティイベント、
「響きあう食卓展」。
今回のテーマは
「Thanking Nature 〜自然に感謝〜」
「自然の中で中国茶を」をテーマにしたコーディネートは、
永山美和子先生によるもの。
(関連記事:格式張らずにエッセンスから身につける
テーブルコーディネート教室 studioMIWA)
「千利休の『和敬清寂』という言葉を元にコーディネートしました。
この言葉には、
『和して敬い合い、清らかな心を持って穏やかに』
という意味が込められています。
今、自然については色々と考えさせられる事も多いですよね。
時の流れに冷静に向き合った時、
私たちはどのような答えを見つけ出せるだろうか。
自然と一体になりながら平常心を取り戻した時、
私たちは何に気づくのだろうか。
そういう想いを、テーブルの上で表現してみました。」
「人生の愛しい日々に感謝しながら中国茶を頂くシーンをイメージして作りました。
蓮の葉の形をしたお皿が素敵でしょう?
水面を想起させるようなガラスのテーブルに置いて、
水の上でお茶をいただくようなイメージですね。
色は、花茶の色合いを際立たせるために、
白を基調としてシンプルに。
また、ケーキスタンドを使うことで、高さを出しています。
テーブルコーディネーションでは、
高低差をつけるとリズム感が生まれ、
テーブルに奥行きが出るんです。」
「こちらは、中国茶の本格的な茶器をセッティングしました。
木々の緑のゆらぎを感じ。
また、器の中ではお茶も揺らいで。
そんな自然の『ゆらぎ』を楽しんで欲しいな、と。」
「ケーキスタンドに、ちょうどぴったりのお皿をセットして。
家庭のテーブルでは、
家にあるものを使って、一年を通じて様々なアレンジを楽しみたいですね。
夏はガラス、春は磁気、冬は沖縄の陶器、というように
器のバリエーションも変えて。
それぞれのイマジネーションを働かせて楽しむのが
テーブルコーディネートの醍醐味です。
今回は、今の季節のお花、あじさいの皿が素敵だったので、
この皿から黄色を拾い出して、全体に統一感を持たせました。」
永山美和子先生
ライフスタイルのレッスンを行っている
伊佐まゆみ先生(ラ・メゾン・デュ・メール主宰)は、
パリの日常を表現したテーブルと、
女性のベッドタイムをイメージしたテーブルをコーディネート。
窓際にまでパリのエッセンスが。
カフェレッスンでアシスタントを務めている女性がふるまう淹れたてのコーヒー。香りが会場全体に漂って。
伊佐まゆみ先生
野菜ソムリエとして活躍している大城しま子先生
(関連記事:shimashima’s smile kitchen(スマイルキッチン)
人気ブログ発 野菜ソムリエの自宅料理教室)
のテーブルは、
「ガーデン・ベジフルパーティー」
がテーマ。
「みんなバーベキューは好きだけど、
おしゃれを意識してはやらないじゃない?
もっと素敵に楽しめるよっていうご提案をしたくて。
そして、やっぱり野菜もいっぱい食べて欲しいので、
沢山コーディネートしました。」
「こうやって、ちゃんとグラスを持って行って
ワインを飲むのも素敵でしょ?
実はこれ、割れないグラスなんです、プラスチック製。
これなら割れる心配もしなくて済むし、見た目にも素敵じゃない?
今回は山の中でキャンプをするイメージでコーディネートしたけれど、
ビーチパーティーでも良いですよね。
テーブルをコーディネートする時は、
テーマカラーを決めると良いですよ。
今回はアップルミントグリーン。
テーブルの色は、三色以上使うとごちゃごちゃしてしまうので
ある程度使う色味をしぼって。」
「そして、沖縄の野菜を沢山食べて、
夏のバーベキューを楽しんで!」
新崎さやか、宮城智華子によるユニット
「おちゃ畑」によるテーブル。
『こどもと囲むおやつの時間』がテーマのテーブルは、
グラスでゆらめく涼しげなお茶に、
たくさんのおにぎりと手ぬぐい。
田舎の、暑くて充実した夏の一日を思わせ、
また、温かな家族の雰囲気まで伝わってくる。
玉井多喜子先生(モネ・フラワースクール主宰)のテーブルでは、
パリのアトリエで受けたレッスンのフラワーコーデを再現。
パリスタイルの「淑女のテーブル」だ。
落ち着いた色合いが、いかにも大人の雰囲気。
テーブルをコーディネートする、
という考えは、
何も、誰かに格好つけるためのアイディアではない。
一番は、自分自身が楽しむため。
家族でテーブルを囲む時間を、
より幸せなひとときにするため。
そう考えれば、器や小物を一から買い揃えなくたって
きっと明日からでも始められる。
お金を出して買わずとも、
野に咲く花を摘んで飾ったって良い。
何か作ろうと買ったまま、使ってないクロスを引っ張り出して、
テーブルにかければ雰囲気も一新!
家族が毎日顔を合わせる食卓を、誰より自分がもっと楽しむために。
写真・文 中井 雅代