» IVANO SELECT”肉の”イバノが贈る、世界35ヶ国から集めた食の愉しみ。肉はもちろん、ワインやチーズとの貴重な出会いも。

 

イバノセレクト

 

イバノと聞けば、反射的に「肉の」と枕詞が浮かぶ。そんな肉屋の老舗イバノが、得意の肉をはじめとした食材との出会いを提案したいと2014年9月に開いたのがイバノ セレクト。肉を中心にワインやチーズなど、たくさんの食材を集めたセレクトショップだ。主軸の肉では、基本の牛豚鶏肉はもちろん、あまり見かけない肉も並ぶ。

 

「珍しいといえば、ラム肉もあります。牛や豚肉より賞味期限が短いんですけど、不飽和脂肪酸が多くてヘルシーですよ。当店にはジンギスカンのタレもありますから、これでもうおうちでジンギスカンができちゃいますね。このタレ、北海道以外では見かけないから、たまたま観光で来た北海道の方が『えっ これがここに?!』ってびっくりしてましたよ」

 

イバノセレクトで売り場づくりを担う、吉嶺全也(ぜんや)さんの言葉につられパック詰めされた肉を手にとれば、ラベルの「ワニ」や「ホロホロ鳥」の文字に目を丸くする。

 

「エゾシカもありますよ。でもこれも普通にスライスして焼けば食べられるんです。味は…食べてみてのお楽しみで。添える調味料にもよりますが、『あっさりしてる!』と気に入る人もいれば、『うーん…ケモノっぽい…』という人もいて分かれます。ウサギの肉もありますが、こちらの方が鶏肉の味に近くてクセがないかな。その時々で仕入れは若干変わりますが、鴨やフォアグラもあり、スモーク系もあり、ハムの原木なんかもあって、スーパーのお肉売り場ではまず見られないものが揃ってるので、ショーケースのぞくだけでも面白いと思いますよ」

 

 

 

その個性的な品揃えからは、肉屋としての長い経験が醸す余裕を感じられる。

 

「一昔前だったら、ふだん食卓に上がる肉って豚と牛、鶏がほとんどでしたよね。だけど今はSNSで周りが何食べてるかも知れるし、レシピもネットで簡単に見つけられるから、『どこどこの店でエゾシカ食べたんだけど、ここにもない?おうちでも食べたくて…』みたいなお問い合わせが本当に増えたんです。エゾシカなんて、前なら業者の方しか買われなかったですよ。今は業務用と家庭用の線引きが曖昧ですね。でも、そんな食の多様化にも対応できるのが、肉屋でずっとやってきた当店の強みです」

 

 

そして、これこそイバノの本領発揮と言えるのが、牛肉の充実した品揃えだ。

 

「やはり牛肉が一番人気ですね。代表的なものだけでもアメリカンビーフ、和牛、オーストラリアなど各国から選りすぐって集めています。他店であまりない肉ということでは、穀物牛のランプも面白いと思いますよ。これは牧草牛と違って、トウモロコシとか穀物を食べて育つ牛で、肉が霜降りになって、とにかく柔らかいんです。穀物牛自体はもしかしたらスーパーにもあるかもしれませんが、ランプって部位はめったにないはず。おしりのことです。赤身だけどあっさりしてて、バターで焦げ付かないように焼くと、さらに柔らかくなって美味しいんですよ」

 

世界各国から集められた牛たち。それぞれに特色がある。

 

「ステーキ用の肉だけでざっくり言うと、脂身が得意かどうかで好みが分かれる気がします。脂身が苦手な人にもオススメなのが、アメリカンビーフの『サーティファイド・アンガス・ビーフ(CAB)』の肉ですね。厳しい基準をクリアしてて、アメリカンビーフの格付けピラミッドの最高峰に位置する肉なんですよ。輸入牛って硬いイメージないですか? 脂身も硬くて、いつまで噛んでても飲みこめないみたいな。これは一切そんなことないです。脂身が全然くどくないんですよ。逆に脂身というかサシも含めて、がっつり楽しみたい人には和牛の方が合ってる印象です。肉って奥深いですよね。いろんな牛がいて、部位ごとでも味わいがまた全然違う。終わらない楽しみがあると僕は思うんです。ぜひ食べ比べて好みの味を見つけてください」

 

柔らかさや甘み、ボリューム感などから好みの肉を探究する愉しみ。しかも、どの肉もリーズナブルなのだ。パックの表示価格を眺めると、意外な数字が目に飛びこんでくる。

 

「流動的ではあるのですが、アメリカンビーフのチャックアイロールという部位も、100グラム238円~ってまずないですよ。よくブランド肉だからとか、お店の外観から『高そう…』って言われるんですが、そんなことは全くない、スーパーよりお得なぐらいです。当店はずっと肉屋をやってきたわけで、こちらで扱う肉だけでなく飲食店やホテルに卸す分も含めたら、膨大な量になります。その結果として価格は抑えられる。だから、親戚や友人を集めたスキヤキなどももちろん、夕飯とか日常に使ってほしいんです」

 

沖縄は豚肉文化に加え、アメリカの影響から牛肉のステーキにも馴染みが深い、いわば肉の激戦区だ。イバノは、そんな土地で50年間、肉の卸業をやってきた。

 

「昭和38年に創業して、昭和53年に直売店を設置してと長くやってきてます。その直売店であるイバノ牧港店には、リドってステーキレストランが入ってるんですけど、そこで提供してる肉も好評で、『美味しい肉だな、ここで出してる肉を売ってほしい』ってお客さんから言われてたと聞いてます。沖縄ってアメリカの影響で、プラザ合意の前からステーキに親しみありますよね。本土からの観光客も、沖縄 イコール ステーキを食べられる場所ってイメージがあったそうですから。そんな土壌で、肉を提供し続けてきて、ご年配のお客さんからは『イバノでしか肉は買わない』とか、業者さんからも『イバノなら、こういう肉も置いてあるかと思って…』と言われることが多くて、当店のイメージはそんな風に確立できているのかと。これも上質な肉をできる限り安く…と一心にやってきた諸先輩方の想いあってのことだと思います」

 

 

 

そんな肉のイバノが満を持してセレクトショップを開いた理由とはなんだろう。

 

「イバノ牧港店は、どちらかといえば業務用サイズを扱うんですね。飲食店向けとかバーベキュー用とか。もちろん一般のお客様もいらっしゃいますけど、いつも『もっと家族分の肉だけほしいよ』と言われていて。そんな声にお応えして、こちらは家庭用2~3名分のパックからあるんです。おもろまちという土地柄、単身の方も多いので重宝されているようですね。それに、今まで培ってきた、世界中から面白い肉を吸い寄せるノウハウみたいなものを活かそうということで、肉の楽しさからもっと広げて、肉に合うワイン、ワインに合うチーズとどんどん集めたのがこのイバノセレクトです。世界35ヶ国から集めました。オリーブオイルや調味料もあるし、パスタもショートパスタからある。ここだけで一式が揃いますよ」

 

イバノセレクト

 

イバノセレクト

 

また、肉を知り尽くしたイバノだからこそ作れるのが、イバノオリジナルホームメイドシリーズだ。

 

「地元沖縄で長くやってきた経験から、沖縄らしいものを作ろうと思い立ったのが自社製造シリーズですね。ウィンナーやラフテー、ハンバーグ、ソーキ、スーチカーなど、肉のものだけでもたくさんあります。こちらは沖縄らしさがコンセプトなので、県産の素材にこだわりました。島豚など県産の肉を使うのはもちろん、ウインナーであれば、島唐がらしや島バジル、アーサーなんかを中に入れたものもあるんですよ。そこから発展して、紅イモスープやタコスも作っています。夜ごはんにとハンバーグを買っていく主婦の方もいますし、おみやげにする観光客の方にも人気ですね」

 

イバノセレクト

 

イバノセレクト

 

イバノセレクト

 

夕食の買物やギフトにも。さまざまなシーンで使えるイバノには多くのリクエストが集まる。

 

「『トンカツ向きはどの肉?』とか『すきやきしたいんだけど…』など、なんでも仰ってほしいです。こちらでカットもできますよ。『今度バーベキューで4センチぐらいの分厚い肉を焼きたい!』という方もいて、4センチってかなりですよ(笑)。でも当店で扱う肉は火が全体に通るまで待っても硬くならないものばかりですから自信を持って提供しました。かと思えば、『もう前が透けるぐらい薄くに切ってくれる?』という方もいて、それぞれなんですけどね」

 

 

 

イバノセレクト

 

 

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そして、他の食材でも専門店に負けない品揃えを目指す。特に力を入れているのが、ワインとチーズだ。

 

「ワインは200種類、チーズは60種類を扱います。ワインも物珍しさで言うならば『LOOK OUT アンデラ』、これはコスパが凄くいいと思います。肉と相性良いなと思うのはタパス・テンプラニーリョのワインですね。チーズでは、キャステロのブリーもあります。キャステロってメーカー自体はさほど珍しくないのですが、ブリーがないんですよ。まろやかでクセがないので、チーズ苦手な人にもぜひ試してほしいですね」

 

ただ、他では見かけないような面白い食材を追求するあまり、空回りすることもあるという。

 

「ちょっと凝り過ぎたかなって時もあるんですよ。チーズも他店とはまずカブらないだろうけど、くさくて、くさすぎて取り扱いを止めたものもありますしね(笑)。あとは鎖江香酢って黒酢もちょっとマニアックだったようで…。うちは調味料も人気で、岩塩やココナッツオイル、ニンニクパウダーなどはどんどん売れていくんですけど、これは一見謎めいてて、なかなか使いこなそうという方がいなくて…。手にとった方は皆さん『面白いね~』とは言ってくださるんですが。肉以外は四半期ごとに品揃えを変えていくので、今後もちょっと他にない面白いものを探していこうとは思ってるんですけどね」

 

イバノセレクト

 

初めて名を聞く肉の部位、上質で手に入れやすい値段の肉、互いを引き立てあうワインとチーズなど、食の楽しみ方をイバノセレクトは知っている。日常使いももちろん、遊び心で訪れても期待を裏切らない層の厚い品揃えは、老舗の自信の表れだ。

 

文/石黒 万祐子(編集部)

写真/青木 舞子(編集部)

 

イバノセレクト

 

IVANO SELECT(イバノ セレクト)
沖縄県那覇市おもろまち4-19-1
TEL:098-917-4129
FAX:098-917-4130
OPEN 11:00 ~ 21:00
http://ivanoselect.ti-da.net