大切なのは具の調和池城さん家のピパーチの葉香るうんけーじゅーしー

うんけーじゅーしー

 

「石垣島のじゅーしーはね、ピパーチの葉っぱを入れるんだよ。夫のお母さんが作ってるのを食べて、『あ、これはいいね』と思ったの。本島では葉よりも実の方が知られてるみたいね。でも、葉も爽やか香りがして美味しいのよ」

 

 

「石垣島では、ピパーチは結構どこの家にも生えているよ。でも本島でも浦添とか首里ではよく見かけるさ。昔の名残なんだろうね。石垣の料理は首里から来ているものが多いのよ。本島では廃れてしまったものが、石垣に残ったという感じなんだろうね」

 

じゅーしー

 

「さて作ろうか。あらかじめ乾燥シイタケは、早めに水で戻しておいてね」

 

うんけーじゅーしー

 

「豚肉も先に出汁を取っててね。じゅーしーの具になる肉と、出汁取り用の骨と両方入れてね。私は、シャトルシェフ(保温調理器)で取ってるよ。これは楽できていいね(笑)。じゅーしーは下ごしらえさえ終わっていれば、あとは簡単だからいいよね。皆好きだし」

 

 

「それで、具を切っていくんだけど、じゅーしーのおいしさはね、それぞれの具材が自己主張しないで、調和しているところなのかなーと私は思うわけ。だから、具材は小さめに切るの」

 

 

「お肉は、出汁の鍋から取った三枚肉を使うよ。今日は煮込み時間長すぎちゃったね。柔らかすぎて切りにくいし、切り口が綺麗じゃないねえ。本当は、もう少し固くて形がしっかりあるのがいいけどね…。でも、この柔らかくなった肉に塩コショウかけて食べたら、最高に美味しいよねえ。何するよりも塩コショウが一番美味しい(笑)」

 

じゅーしー

 

「しいたけも同じく、主張しないように小さく切ってね。そういえば、最近はひじきも入れる人が多いけど、昔風っていうのかね、琉球料理本に載っているレシピにはひじきは使わない方が多いねえ」

 

うんけーじゅーしー

 

「次はかつお出汁を適当な量、取ります。かつお出汁を使わないじゅーしーも多いみたいだけど、私はいつも豚とかつおを合わせるねー」

 

じゅーしー

 

「豚の出汁をキッチンペーパーで濾して」

 

うんけーじゅーしー

 

「かつお出汁と半々で釜に入れちゃいます。出汁の分量は、普通にご飯を炊くときと同じで、今日は7号だから7の線まで」

 

 

「そして、切った具材も全部入れて」

 

 

「塩と醤油で適当な量で味付け」

 

 

「それで、混ぜたら、炊飯スイッチ押してオッケー」

 

じゅーしー

 

「ピパーチの葉を切るのは、炊ける直前がいいね。なんでかといったら、早めに切ってしまうと、せっかくの香りが飛んじゃうから。もったいないさーね」

 

 

「見た目にはわからないかもだけど、結構柔らかい葉っぱだから、生でも食べられるよ。で、他の具材と同じように、主張のない小ささがいいね」

 

 

「炊きあがったご飯に混ぜ込んだら、出来上がり。ピパーチの葉は、好きでないという人もいるから、少なめにしておいて、好きな人は自分で足したらいいさーね。うちの姪っ子は、大好きと言って、大量に入れるさ(笑)」

 

 

「いつも、なんでうんけーの日は、じゅーしーなんだろうと思うよねえ。調べてみたら昔の逸話とかがあるみたいね。私が自分で考えてみたらね、具同士が主張しないで調和する料理だからかな〜って思ったさ。盆は、ご先祖さんも生きてる人も仲良く集まりましょうってね。その気持の表れの料理。どう?あってそう?(笑)」

 

うんけーじゅーしー