こちらやんばる三角山の頂上です。
目指すは峰続きの安和岳(標高432m)。
眼下には名護湾、遠くは勝連半島まで見渡すことができます。
本部町の山里地区は国内唯一の円錐(えんすい)カルスト地形の地域として知られていて、2億年以上前に海底の珊瑚礁が陸地となり、その後長い年月をかけて
雨水などが石灰岩を溶かして形成されたもので、安和岳、嘉津宇岳、古巣岳(アワダケ、カツウダケ、フルシダケ)などの独特の景観をつくりあげています。
そんな向こうに見える、
きれいな円錐形の山(三角山)と
その奥の雲にすこし隠れている安和岳が
今から登ろうとしているお山です。
勝山公民館を後にして、
さあ、ここからてくてく歩いて行きまーす。
メンバーは僕たち夫婦、
仲良しの京香さん。
そして一緒に登ってくれる
勝山生まれ勝山育ち「勝山つたえ隊」の具志堅さんです。
のどかな畑を横目に登山口をめざします。
途中カニステルの実がたわわに。
ふかした芋のような食感
かすかにあまくて、おいしいです。
さあさあ、いよいよスタートです。
安和岳、古巣岳、勝津宇岳へに向かう登山口から
シークヮーサーの畑を歩いていきます。
パパイヤ!
まだまだ余裕の京香さんと僕。
左に見えるのは涸れ沢
ん!?枯れ葉が木にとまってます。
よーくみると
この枯れ葉のそっくりさんはコノハチョウ!
翅を開げるとブルーとオレンジのきれいな色。
沖縄の指定天然記念物なのだそうです。
そういえば、伊丹市(兵庫県)の昆虫博物館で見たことがありました。
お~ほんものだ~生きている~!
具志堅さんに教えてもらわなければ、ぜーったいに気付きませんでした。
足下は土の地面からごろごろした石に変わっていきます。
さらに、石は岩となってきました。
標高432mの低山といってもを侮ることなかれ、
沖縄の山で毎年のように遭難者が出ていることに納得。
なだらかな道なんかありません。
岩を掴みながら登っていきます。
気分はすっかりジャングル探検隊!
テンションもマックスです。
具志堅隊長のもと薮をかき分け、
道の目印は木に貼られたテープのみ。
すべらないよう、慎重に進んでいきます。
つるつるした岩肌
気を抜くと滑り落ちます。
ふと見るとこんな渦巻き模様。
頂上まであともうちょっと!
ジャングルの隙間から麓が見えました。
だいぶん登ってきましたよ。
おおお、ついに視界が開けました!
最後の岩を登り上がると
僕らを大パノラマが待っていました!
左右切り立った山の峰を歩くのは
ちょっとしたミニアルプス。
なかなかの迫力です。
気分はマッターホルン制覇だね!という京香さんは
『ファイト~、いっぱ~つ!』とケインコスギならぬ、キョウカコスギ。
僕らもへんてこポーズで喜びをひとしきり分かち合います。
岩に張りつくようにゆっくりゆっくり一歩ずつ登ってきましたが、
見下ろせばふもとが遥か遠くに感じます。
標高272m(三角山)とは思えない達成感。
しばし休憩。
そしてまた道無き道 のジャングルへ。
草木に覆われて薄暗い森が続きます。
でもこれでも去年の台風の影響で明るくなった方だそうです。
台風がもたらす被害もありますが、台風がもたらす恵みもあります。
風によって大きな木がなぎ倒され、光が地面近くまで入るようになり、そのおかげで木の下の植物がいっきに成長します。
また腐朽した倒木からは種が発芽しやすくなります。
ここもまた生育しやすい環境となり、森が若返っていくそうです。台風は山の大掃除でもあるのですね。
葉っぱにかかれた模様は、絵描き虫といわれている虫が。
この薄い葉っぱの中の栄養を摂りながら進んでいった跡。
よく見ると細い線がどんどん太くなっています。
これは虫が葉っぱを食べながら成長しているからだそうです。
昔はめずらしい花がもっとたくさん見られたそうです。
山に入って勝山の自然を堪能してもらえるのはうれしいけど、
ゴミが増えたり、貴重な動植物がどんどん減っていくのがとても残念と複雑な心境を語ってくれた具志堅さん。
この日も具志堅さんの背中のリュックには、
心ない登山者が置いていった大きなゴミや、
滑ってこけた人が落としたであろうサングラスの残骸が。。。
生まれ育ったこの地の植物の変化など、
地元の人ならではの話もいろいろとうかがいました。
そしてこのあとついに安和岳の頂上へ。
三角山の頂上ではしゃぎすぎて、写真摂り忘れ。
どちらかというと三角山がクライマックスでした(笑)。
下山途中強い日射しが差し込むと思いきや、
みるみる雲行きが怪しくなり、
ポツポツだった雨の勢いが強くなり遠くには雷の音。
ジャングル探検は、ますます本格さを増してきたのでした(笑)。
さらにつるつるになってしまった岩。
とにかく足下だけを見つめ滑り落ちないように慎重に慎重に。
トドメに京香さん、由真さん、僕の3連発で滑りコケ。
登りはじめて4時間半やっとまっすぐ立てるところまで降りてきました。
一安心でこの笑顔。
そんなわけで、下山途中はまったく写真を撮る余裕なく
登っている写真ばかりとなりました。
無事生還。
ここちよい疲労感と達成感につつまれ、
〆に食べた沖縄そばのうまかったことはいうまでもなく。
具志堅隊長ありがとうございました!
『ファイト~、いっぱ~つ!』
文・写真 葉棚達也・由真
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