光輝く(Sri)島(Lanka)という意味のスリランカ。インド洋に浮かぶ小さな島国。
スリランカふたたび!
自然と一体化した建物を数多く設計したスリランカ人建築家のジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa)を知ってから、いつかは行ってみたいと思っていたスリランカ。
2年前の8月、スリランカへ行く機会があり、たったの2日間でしたが、この島の植物の生命力や存在感、建物と植物の関係、自由にのびのびと生かされている様にガツーンとやられて帰ってきました。必ずもう一度行こうと決め、念願叶いスリランカふたたび!
友人の住むカンボジアを経由し、クアラルンプールで乗り換え、夜中にスリランカに到着し空港にほど近い二ゴンボで宿泊。まずは、宿の付近を探検。漁師町二ゴンボの朝の散歩。
現地の暮らしに、ちょっとお邪魔してみると、大人も子どもも「散歩している旅人」に興味津々。ちょっとシャイで気さくな人たち。町には笑顔が溢れていました。
お願いして、ちらっと部屋の中を見せてもらった家。
写真にはうまく撮れていませんが、質素だけど、愛情がかけられていて、光や質感がとても美しく感動しました。スタイルは違えど、家に求めるものがここにある気がします。
バワ詣。
バワ詣その一「Number .11」
44年間住み続けたGeoffrey Bawaの自邸「Number .11」(ナンバーイレブン)。バワの美意識が凝縮された空間。家に招かれたような、ホテルでは体感出来ない濃密な体験に。
バワが生きているころから、ここで働いているというスリランカ人のアジットにお世話になりました。誠実で優しくてとてもチャーミングなアジ。アジから聞く言葉一つづつが時代を超えて、ここでの時間をさらに特別なものにしてくれました。
この樹々の感じたまらないでしょ。
バワ詣その二「The Gallery Cafe」(旧バーソロミューズ邸)
ここはバワ所属の事務所だった建物。光と陰のコントラストがとても美しく、建築と植物の関係が神々しいほど。
全く違う表情を見せてくれた夜の「The Gallery Cafe」へ再び。どっぷりと浸ってきました。
バワ詣その三「Heritance Kandalama」へ。
ローカルバスとトゥクトゥクで約6時間。赤い道に土煙をあげながら到着したのはバワ唯一の内陸部リゾート「Heritance Kandalama」。第一声、3人揃って「ウォーーーーーー!!!
北海道より小さな島国だけど、その魅力はセイロンティーやBAWA建築だけではありませんでした!
スリランカの中部州、標高1,800 mのセイロンティーの生産地ヌワラ・エリヤ( Nuwara Eliya)へ。
紅茶工場のカフェにて。
バワ詣 その四
バワが50余年をかけてつくった世界一美しい庭といわれる「Lunugangaールヌガンガ」へ。ルヌガンガに着いたのはすっかり夜。真っ暗で辺りは植物で鬱蒼としていて、手に持った灯りで足元が見えるくらい。リビングに通されたときにぼんやりと間接照明で灯された部屋とそこから続く庭の美しく幻想的な雰囲気は言葉になりませんでした。商業的なホテルの滞在とはまったく違う、家に招かれたような、迷い込んだような、現実なのか、夢なのか。ここでの体験は百聞は一見に如かずという言葉もある通り、今まで本の中で何度も見て想像していたけれど、そんなものが全部吹き飛んでしまいました。
バワが50余年をかけてつくった理想郷はすごみさえ感じさせられる圧倒的な存在感を放っていました。
インテリアはバワが旅先で収集してきたアンティークやアート作品。もう一度この場所に立った感覚を味わいに行きたい。
屋外リビングの隅にぶらさがっている照明は緑に苔むしていて、中をのぞくと植物の蔦が絡まっていたり、完全にこの空間に同化していたルイスポールセンの照明「アーティチョーク」。
3人それぞれにとって特別な体験となった「Lunuganga」を後に。
旅の最後の目的地はLunugangaからほど近い場所にあるバワの兄のベヴィス・バワ(Bevis Bawa)がつくったブリーフ・ガーデン(Brief Garden)へ
スリランカでの移動はツーリストカーやタクシーの方が効率も良いし、ずっと楽ですが、空気、風、温度、音、ニオイ、五感をフル活動させて感じるスリランカを一度味わうと、窓の閉まった乗り物に乗る気がせず、トゥクトゥクやローカルバスや列車にばかりに乗ることに。
人懐っこく素朴な人柄のトゥクトゥクの運転手やギューギューのバスの中で席を譲ってくれようとした人、列車で一緒に座った家族、通り過ぎていく旅人に優しい笑顔を向けてくれた人たち、人との出会いがこの旅の想い出を濃いものにしてくれました。目まぐるしくいろんな体験をさせてくれたスリランカ。モーレツに吸収してきました!
本当はもうちょっとゆったりとした旅もしたかったけど、それはまたいつの日か。さあ、また次の旅まで頑張りますか。ありがとうスリランカ!
旅で撮ったたくさんの写真はHADANAのface bookにupしています。よかったらのぞいてみてくださいね。
文・写真 葉棚達也・由真
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