元々は外人向けのアパートで、造りは大振り。
古くなってからは沖縄の人向けに改装したのか、ところどころ和テイスト。
「そのアンバランスさがおかしくて。そこが気に入っているんですけどね」とAさん。
「このむき出しの配管とか、日本の家ならちゃんと隠しますよね(笑)」
入り口を開けていると風がピュウ〜〜〜っと軽快に通り抜けて行く。
こんなに心地良い風が吹くなら、一日中家にいても窮屈じゃない。
築年数はかなり経っていて、この間の台風では天井に大きなシミができてしまったた。
ついこの間、直してもらったばかり。
この日もお隣の部屋にはペンキ屋さんが修繕に。
そんな古い部屋をAさんは、手作りとアイディアで自分の城に育てていく。
アクセサリー棚と、テレビ台、飾り棚は簡単にトンカチと。
キッチンは専用の照明がなくて手元が暗かったので、
部屋全体用の照明を引き寄せて解決。
そして、読書灯を「たまたまかわいいなと思って持っていたソケット」で追加。
収納の足りない分は思いつき次第、フックで吊るす、磁石でくっ付ける、隙間にはさむ!
仕上がりからは苦労どころか、楽しんでいる様子が見えてくる。
海がばーっと開けていて、開放感溢れることこの上ないベランダには水着が干してある。
「休みの日は夕方くらいになったら海に行ったりします。泳ぎにというより、浸かりにかな。
屋上ではビールを飲んだり、サンセットとか花火の時とかいいですよ」
お邪魔している間、ずっと感じていた。
「なんか、リゾートホテルにいるみたい」と。
古いし、大きくないし、ゴージャスでもない部屋なのに。
理由は明快。
Aさんのリッチな暮らし方がそう感じさせるのだ。