» ten日々のくらしを彩る、美しく楽しいシンプルなモノを


 
美しい緑に囲まれた外人住宅に広がる、洗練された雰囲気の店内。
一歩入ると、その調和のとれたハイセンスな空間に思わず息をのむ。
 
「ジャンルにこだわらず色んな作家さんの物を集めてお店にしたいと思っていて、器が好きな人には洋服や布も好きになって欲しいし、服が好きで来てくれた方にも、器にも興味を持ってもらえたら嬉しい。
色んなジャンルの作品を楽しめるお店にしていきたいです」
 
頭で考えたのではなく、夫妻の心が導くままに集めたものを置いている。
 
「自分たちが好きなものであるということは間違いありません。
これまで使ってきて『美しいなぁ』『楽しいなぁ』と思った器や服をご紹介しています」
 
それがtenに並んでいるものたちの共通点。
 
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増田良平さん 
 
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2012年の2月にオープンしたばかりの ten は、大城夫妻の自宅の一室が店舗となっている。
 
ご主人の功さんは10年前、那覇市のアパレルショップで販売員として働いていた。
 
「すごく自由な気風の店で、店内でお客様に髪を切ってもらったり一緒になって絵を描いたり(笑)。販売と言う仕事もとにかく楽しかった。でも、店が閉まることになって泣く泣くやめることになって」
 
その後はカメラマンとして活動していたが、さゆりさんと結婚後、あることがきっかけで物販の楽しさを思い出した。
 
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「日月」おおやぶみよさん
 
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関昌生さん
 
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「妻の姉・田原あゆみと企画したmon sakata展を僕らの家で開催することになって。のんびりとした田舎にある我が家にお客様がいらしてくれるだろうか?と少し不安だったのですが、おどろくほど沢山来てくださったんです」
 
「主人はそれがすごく楽しかったみたい。物販時代の思い出がよみがえったんでしょうね」
 
自宅で店をやろう。
そう決めたとき、最初に浮かんだイメージは器の店だった。
 
「器はずっと好き。読谷の年末の窯出しには20代の頃から毎年通っています」とさゆりさん。
「好みが似ている姉や妹も一緒に。3人で競うようにして駐車場からダッシュするんです(笑)」
 
功さんも器への想いは強い。
 
「器って家具と似ているところがあると思うんです。毎日使うものだし目につく。洋服だったらおしゃれ着と部屋着というふうにわけるのもアリだと思うのですが、器と家具は常にそこにあるもの。だから、良いものを選びたいなーって」
 
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大嶺 實清(じっせい)氏の工房「大嶺工房」
 
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そういう二人は好きな器を普段づかいにしている。
 
香ばしいコーヒーを淹れながらさゆりさんは語る。
「プラスチック製の皿や好みではない陶器などは使わないですし、置きません。努力してそうしているというよりも、自然ななりゆき。私の実家がそういう家だったんです、母がうつわが好きで。私たちが子どもの頃から作家ものの器もごく普通に使わせてくれていました」
 
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薄い薄い、繊細な器は吉田次朗さんの作品。
手にとると、陶器とは思えない軽さにも心を奪われる。 
 
「四角形の平皿なんて、まるでハガキみたいでしょう?」 
 
使っていて「美しいなぁ」と思えるものを。
 
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増田良平さんの作品。
 
不思議な図柄のソーサーにカップを置くと…
 
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「ユニークでしょう? ソーサーにカップの影がうつっているようなデザインなんです。そして、手の絵はカップの持ち手に指を通すように指示しているように見えませんか?」
 
使っていて「楽しいなぁ」と思えるものを。
 
 
その2つのこだわりは、布・衣類にも。
 
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ラオスで少数民族の方々と布作りに従事している谷由起子さんと、ラオスのひとびとによる作品。
 
「レンテン族の方々が綿花から育て、藍色になるまで何度も染め、刺し子の刺繍をほどこしたもので、ふたつと同じ作品はありません。中には昆虫と思しき柄など『なぜこれを?』と思うような図柄もあって楽しいんです」
 
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播州織りの作家、玉木新雌(にいめ)さんによるストール。
evam eva(エヴァムエヴァ)の服と合わせて。
 
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「evam eva は、セールを行わない数少ないアパレルブランドの一つ。
シンプルだけど個性や味があって、気取らず着られるところが好き。
上質な天然素材を使用しているにもかかわらず、相場を考えると破格とも言える値段も魅力です」
 
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「玉木新雌さんのストールは、クーラーが効きすぎている場所の多い沖縄では夏も重宝します。100%天然素材で織られ、丸洗いできるのも嬉しいですね」
 
ふんわり軽い手触りは、一度触れるととりこになる。
 
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福岡発のブランド「iroiro(いろいろ)」。
 
「色合いの美しさと着やすさが魅力。沖縄では季節問わず年中着られます」
 
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普段から着ているからか、それともご本人の魅力によるものか、さゆりさんは ten にある服をどれも見事にまとう。
それは服に限ったことではない。
 
香り高いコーヒーやお茶、飲み物を入れるカップ、お菓子を盛る皿、店内に配された飾り棚(功さんの手づくり!)、どっしりとした安定感とデザイン性を兼ね備えた椅子、実家から譲り受けたテーブル・・・
ten で出逢うものはどれも、功さんとさゆりさんの生活そのものなのだ。
シンプルで上質、美しく楽しいアイテムに彩られたふたりの日々のくらし。 
 
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今後のことをうかがうと、途端にふたりの顔に笑み広がる。
 
「服も増やしたいしアクセサリー類も置きたい。
オリジナルの服もつくりたいなーって思ったり。
県内外、ジャンルを問わずもっと色んな作家さんの作品をご紹介したいですね。
店のカラーもどんどん打ち出していきたいですし・・・
やりたいことはもう、数えきれないくらい!(笑)」
 
「お客様の興味が広がるきっかけになれたら嬉しいです。そうやって皆様の好きなものが増えていったらいいなーって」
 
取材中に訪れた女性客は、玉木新雌さんのストールに魅了されていた。
 
ten には新たな出逢いが満ちている。
あなたの胸もきっと踊る。ふたりのくらしに触れて。
 

写真・文 中井 雅代

 
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