服からのプレゼンテーション

文/写真 関根麻子

 
 

 
 
8月24日、Shoka:に常設スペースができます。
 
着ることが喜びにつながり、暮らしの道具として上質なもの。
そして長く愛用し、経年変化を楽しめるもの。
そんな視点からセレクトしたブランドが並びます。
 
ヨーガン レール、ミナ ペルホネン、ARTS&SCIENCE、TOUJOURS。
これに、少しずつ県内の作家さんたちの器やアクセサリーが加わります。
 
今までのように、10日間ほどの展示会も定期的に開催していきますので、こちらもお楽しみに。
 
 
 
 
さて、ここ2日間は常設に向け、お洋服たちがたくさんたくさん届きました。
 
 
 
1枚1枚、丁寧に。
届いた服たちを並べてゆく。
 
改装工事が終わったばかりの何もない空間に服たちを並べ
いらしてくれる方々を想像しながらの準備作業。
 
この服は誰にあうだろう、この服はこんな時に着たら楽しいはず。。
妄想は膨らむ。
ストールは?バッグは?と、組み合わせも想像しながら。
 
 
 
どきどきしてきた。
わくわくしてきた。
 
 
 
さぁ、始まります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
上の写真は、新しいShoka:の壁。琉球漆喰。
 
今回の常設スペースは、改装工事も行った。
工事には連日様々な専門の職人さんたちが、代わる代わるにたずさわっていた。
その中で、ペンキと漆喰塗りだけは、友人とともに自分たちで行った。
 
写真は塗りたてで、黄土色がかった黄色の漆喰。
いつもの展示会の空間もこの琉球漆喰が使われている。
今では色はクリームがかった白になっている。
一年前に塗ったそうなのだが、時間とともに少しずつ白くなってゆく変化を楽しめるのが琉球漆喰の特性なのだ。
 
時間とともに育つ壁。
Shoka:にぴったりだなと思った。
 
 
この漆喰は別名「ムーチー」と呼ばれているそうで、焼いた珊瑚を粉にしてわらと一緒に練り上げ、発酵させたもの。
優れた吸湿性と、放出性を併せ持っている。
環境にもやさしく、自然な香りが大好きだ。
 
雨上がりの草むらにいるみたいで、この漆喰に囲まれて仕事をするのは気持ちがいい。
 
 
 

 
 
運動不足の身体は若干筋肉痛になったけれど、
みんなで汗を流し、一緒に集中したこの作業は、とても楽しいものだった。
 
 
 
 
 
 
 
工事が終わったと同時くらいに、お洋服たちも無事到着。
 

 
 
ARTS&SCIENCEのロングコットンワンピースに身をつつんだロギのみかちゃん。
長身にとても似合っている。
品があり、少しエキゾチックな雰囲気のあるワンピース。
ネパールで作られた鮮やかな緑のフリンジ付きストールが、紺色と光に混ざり合う。
 
 
 
昔から憧れていたARTS&SCIENCE。
私が持っているものは、シャツ1枚とアクセサリー1つだけだが、
着れば着るほど身体に馴染んで来て、自分だけの一枚という感じになってくる。
どんどん好きになる、長く愛用出来る理由。
 

 
ボタンひとつとっても、美しく、丁寧に作られている。
 
 
 

 
これはウエストのひもの先っちょ。お花のつぼみのよう。
 
 
届いたARTS&SCIENCEの服たちを手にとって思う。
シンプルで美しいラインに、細かいところまで心配りされたディティール。
とても魅力的だ。
 
思わず、胸躍ってしまう。
 
 
 
 
 

 
TOUJOURSの羽織。
 

 
製品が出来上がってから施された染色。
麻が本来持っているしわ感と染めが織りなす表情豊かな美しい墨染めだ。
着始めは、少しぱりっとした感じだが、着ていくうちにやわらかくなってゆくそう。
 
 
 
想像してみる。
一年後はどんな色になっているのだろう、どんな着心地になっているのだろう。
 
 
時間とともに日常に馴染んでゆく、経年変化の美しい服たち。
 
 
 
 
 

 
 
 
さてさて、空間作りが一段落。
しまった!日が暮れてしまった、と言いながら
ラインを見たかった服を着てもらう。
朝の光の中で撮りたかったけれど、夜の撮影となりました。
 
ヨーガン レールから届いたたくさんのお洋服から、より自由に着れる日常着、ブルーレーベルの服をチョイス。
沖縄にぴったりな、軽くて肌触りが何とも心地よいもの。
 
明るい色もあったけれど、やわらかな雰囲気の彼女がいつもとは違ったぱきっとする感じが見たくて、
黒と青のダブルガーゼの上下を着てもらった。
 
アクセントに同じシリーズの黄色のストールを巻いて、明るく上品な感じ。
 
 
かわいいぞーと、ぶつぶつ連呼。
おじさんカメラマンになってしまった私でした。
 
 
 
そうそう、全身写真ではわかりにくいのですが、
この服も細かなディテールが、こころにくいのです。
 

 
 
トップス裾の小さな小さなポンポンとスカートのステッチ。
そしてウエストのひもには、共布の玉コロ。
 
可愛いな、ふっと笑みがこぼれ楽しくなる。
 
 
 
 
たくさんの洋服たちを前にふと思う。
一体どんなときに、「この服大好き!」ってなるのだろう?
 
控えめなのに、ため息の出るような美しいボタン、
はずんでしまうような楽しいステッチや刺繍。
 
良質な着心地や美しいデザインなどはもちろん重要な要素。
けれど、心配りともいえる細かなしつらえや、遊び心が表れているものを
目の前にした時、たちまちきゅんときてしまう自分がいる。
これだ。
 
今まで「好き」という感覚は理屈抜きのパッションのようなものだと認識していた。
でもその理由ってちゃんとあるんだな、と当たり前のようなことを今更ながら発見した。
 
おお、恋と同じか。
 
 
お洋服からのプレゼンテーション。
喜びという、プレゼンテーション。
 
 
 
 

 

 
 
 
愛らしいミナ ペルホネンのブローチやベルト。
愛嬌のあるおどけた眼で見つめるうさぎ。
どんな人と目が合い、どんな人の胸元に飾られるのだろう。
 
 

 
 
 
ミナペルホネンからは、デニムも種類豊富にやってきました。
自分にぴったりの、形と色を発見する喜び。
毎日毎日着て、からだの一部になるような
そんな心地よくて頼もしい、みなさんの1枚となりますように。
 
 
 

 
可愛くて、大人も楽しくなる、そんな子供服も到着。
 
 
 
 
ミナ ペルホネンの服は、自分の中に眠っていた乙女心をぐっと前に出してくれる。
くるくると回りたくなる、スキップしたくなる。
楽しい気持ちになる服。
 
もちろん、ドレスもブラウスも届いてます。
ぜひ見に来て、触れて、楽しんでくださいね。
 
 
 
 
さぁ、いよいよShoka:の常設スペースがオープンします。
 
 
空間を作りながら、ここへ訪れてくる人達のことを想像しています。
 
日常の一コマの中に、笑顔でつながってゆくような時間が収まりますように。
 
Shoka:がそんなきっかけが生まれる場所になっていけることを願いながら
みなさまをお迎えしたいと思います。
 
 
日常の一コマの中で、一緒に楽しい時間を過ごせることを楽しみにしています。
 
 
 
 
 
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イラスト ヨーガンレールデザイナー 松浦秀昭
 
 
Shoka:の常設コーナーが8月24日(金)にオープンします。
 
 
Shoka:では、毎日の暮らし=「衣食住」の日常の中に本当に大切なことがあるということを伝えられたらと思っています。
 
「着る・食べる・暮らす」その中でも着ることで、自己表現をしたり、気分転換をしたりと、衣服というのは私たちの暮らしの中で一番身近で大切なものだと感じています。
 
「暮らしの道具としての上質な日常着」
 
「長く愛用出来る作り」
 
「着ることが喜びにつながるものであること」
 
「経年変化を楽しめるものであること」
 
これらのことを意識してセレクトしたブランドがShoka:に常設として並びます。
今までは不定期で展示会を開催していましたが、8月24日(金)から常設店舗の空間もオープンいたします。みなさまがくつろげる空間を準備していますので、気分転換やリフレッシュしたい時にどうぞ遊びにいらしてくださいね。
 
 
 
取り扱いブランド
 
ヨーガンレール ・ ミナ ペルホネン ・ ARTS & SCIENCE ・ TOUJOURS
r ü g u ・ 木漆工とけしの漆器 ・ 喜舎場智子の彫金
 
 
Shoka:
沖縄市比屋根6-13-6 098-932-0791 12:30~19:00
定休日 月・火
9月1日~5日(水)までは旧盆の「ウークイ(ご先祖をお送りする)」と、夏休みのためお休みとさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。