マイナスとプラスを楽しむ

写真・文 佐野綾子

 

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夏は何を着ていても暑い。

 

外は暑いけれど、室内はクーラで冷えていて首の後ろや肩は冷やしたくないな、と思うのはわがままかしら?
何を着ようか、いろいろ迷った後に今日の自分にフィットするアイテムを選んでいく。
それはクローゼットの中から思いっきり引いていく引き算。
シンプルに服を整えたら、今度は何をプラスしたら引き締まるのだろう?
そんな目でぐるっと見回すと、しっくりくるのがストールやジュエリーだ。
この2つか、そのうちのどれかをプラスすると、ぐんと服が引きたってくる。今日の気分にぴったりとくる。
外に出るのが楽しくなる。

 

 

そんな小物を集めた企画展が8月7日(金曜)から始まります。

 

 

 

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Shoka:の麻紀ちゃんと由桂ちゃんが楽しそうに巻き合いをしている布は、比嘉英子さんが琉球藍でじっくりと染めたリネンのストールです。
Shoka:のオーナーのあゆみさんが夏に首元にちょっと巻く布が欲しいというオーダーを比嘉さんが受けて、2人で相違工夫して作った形。
長過ぎず、短すぎず、くるっと巻いたら様になる。汗をかいても吸収してくれて、涼しく気持ちの良い素材。
背の小さな人も大きな人もバランスのとりやすい夏のストール。

 

染織家の比嘉英子さんは、そのオーダーに応えるため琉球藍を建てて、涼しげなリネンを藍で染めました。
藍色は不思議な色で、デニムを思い浮かべるとわかるようにどんな色にも合わせやすく、そして、シックに大人っぽくも、楽しいカジュアルな雰囲気にも収まる魔法の色なのです!

 

 

英子さんが布を染めている琉球藍はキツネノマゴ科の多年草植物で、主に沖縄県北部の泉や湿地帯で栽培されています。
この藍葉を年に二度ほど刈って、水に浸し発酵させ、そこに石灰を混ぜ攪拌させて泥状に沈殿させたものを泥藍といいます。

 

この泥藍が出来るまでも、技術者の手によって長い時間をかけ何工程もを経て作り上げられているのです。

 

その技術者の想いが込められた泥藍を使い、英子さんがじっくり丁寧に藍建てをしていきます。
藍建てとは、水に溶けない泥状の藍を発酵させ、最適な温度に保ちながら、染色出来るまでの状態にする事です。

 

英子さんはケミカルなものは一切使わずに、泡盛と水飴だけで藍を建てています。
毎朝藍のご機嫌を伺いながら、空気を入れる様にゆっくりと建てた藍。

 

愛情をたくさん注いで丁寧に一つ一つ染めてくれました。

 

染液の中では、藍色の成分はアルカリ状態でまだ青くはありません。その染液に浸けられた布を引き上げると、初めは綺麗な緑色ですが、空気に触れる事で酸化反応が起き、藍の成分が繊維と固着して、だんだん青色になるのです。

 

英子さんは「毎回変化していくその様子がとても美しく、何度染めても見飽きる事がありません」と愛おしそうに話してくれました。
2人が巻いている琉球藍リネンストールは、濃い色は6回くらい、薄い色でも3回ほど染め重ねているそうです。
だから独特の深い色合いをしているのだなぁとつい見とれてしまいます。

 

専用の器具を用いずに人の手で染めているので、一枚一枚に個性があり、おおらかさが魅力で、身につける人をふっと柔らかい気持ちにさせてくれます。

 

この琉球藍リネンストールは、薬品による色止めをしていないのも特徴です。
使い込むことによって少しづつ退色していく、藍の経年変化をじっくり楽しむことが出来ます。

 

この日は、鮮やかな青空からも感じられますが、カンカン照りの真夏日でした。
それでも不思議と、藍のリネンストールをふんわり首に巻くと、ひんやりと涼しくとても気持ちいいのです。
昔から藍は、夏は涼しく冬は暖かく、冷えを防ぐと言われています。天然染料なので身体に優しく、夏の日差しだけでなくクーラーの肌寒さからも身体を守ってくれそうです。

 

 

 

そして、彫金作家の喜舎場智子さん、平澤尚子さんの作った新作アクセサリーも届きました。

 

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今までShoka:で目にしているお二人のアクセサリーとは、ひと味もふた味も雰囲気が違うので、胸が高鳴りそわそわしてしまいます。
右側のドロップピアスは、ヨハネス•フェルメールの描いた「真珠の耳飾りの少女」の耳飾りをイメージして、シルバーで表現されたそうです。

 

スタッフみんなで一つ一つ手に取りながらあれこれ妄想が膨らみます。

 

「このピアス、以前思い切ってどきどきしながら手に入れた、あのARTS&SCIENCEのドレスに似合いそう、、」誰かがそう言ったかと思えば
「このボタンホールに飾るアクセサリーは、男性の方にも素敵じゃない?」と大切なひとを思い浮かべてみたりと、
手の中のアクセサリーを見つめては、すっかりイメージの世界は広がっていったのです。

 

小さな存在感で世界観を作り出すもの。

 

ぐいぐいと心を引き込まれてしまいます。

 

 

そのなかでも、ひときわ目を惹く存在だった、シルバーロングドロップネックレスを由桂ちゃんにつけてもらいました。

 

 

 

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長さの調整が可能なデザインになっているので、ネック周りを短めにするとこんな風に後ろにチェーンが垂れるのです。
それが大人の雰囲気で、シンプルだけれど心惹かれるデザインになっています。

 

 

鎖に留め具を引っ掛けるデザインになっているので長さの調節が出来、様々なデザインで楽しむことが出来ます。

 

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マットな銀の肌合いは使い込むと艶が出てきて、経年変化の色合いも楽しむことができるのが特徴。

 

重厚感があり、それでいて重すぎない、しずくと丸を組み合わせたかたち。
合わせるお洋服によって印象ががらりと変わるのもアクセサリーの楽しい所です。

 

 

 

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Jurgen Lehlから届いたグリーンの色合いが綺麗なカディカットワークワンピースにドロップピアスをつけてみると、軽さと上品さがミックスされて、夏のお出かけにぴったりです。

 

 

麻紀ちゃんには、ボタンホールにつけるアクセサリーをつけてもらいました。

 

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こんな風にボタンホールに棒状の部分を、えいっと差し込むのです。

 

 

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動く度にゆらゆらする、ユニークなデザインです。
そして、つける位置で表情が変わるのもおもしろいところ。

 

 

 

他にも、シンプルなピアスや、ブレスレッドやブローチやネックレス、モビールの新作なども入荷します。

 

少し小振りなタイプは、飾る場所を選ばず、気分によって様々なスペースで楽しめそうです。

 

 

 

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一点もののこのモビールは、様々な楕円をつなげたもの。
モビールは絵画のようなもの。
必需品ではないですが、心に豊かさを、生活の中に余白を作ってくれるような存在です。

 

Shoka:のあゆみさんは、壁に絵をかけるよりも、空間にモビールを下げるほうが好みだと言います。
お部屋にジュエリーをつけるような、そんな気分になるのがいいのだそうです。
空間をスッキリさせて、その空間にポツンと下がるモビールはとても詩的で綺麗です。
写真では立体感を出すために空間に吊るしていますが、これは壁に掛けるタイプの小さなタイプのモビール。

 

 

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大ぶりのモビールはやっぱりなんとも言えない存在感があります。
大掃除をして空間を作って、毎日眺めて暮らしたい。
私もそんな風に思っています。

 

 

早くも秋を感じるような、涼しい風が吹いてる日もありますが、まだまだ夏のお出かけはこれからです。

 

夏のお出かけにプラスすると、心がうきうき喜びそうな、そんなストールやアクセサリーを見つけにShoka:に遊びにいらしてくださいね。

 

 

 

 

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タツノオトシゴ通信 vol.2
「夏のお出かけ展」

 

8月7日(金)~8月30日(日)

 

 

彫金   喜舎場智子 平澤尚子
ジュエリー      turtle forest
琉球藍染ストール   比嘉英子
ガラス マトリョーショカグラス

 

 

光と影のはっきりしている夏だからこそ、身につけたくなるものが揃っています。
夏を楽しむいろいろを、ぜひShoka:に見つけにきてくださいね。

 

 

 

 

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くらしを楽しむものとこと

 

 

Shoka:
http://shoka-wind.com

 

12:30~19:00
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791