文/写真 田原あゆみ
Shoka:は8月19日から27日まで夏休み。
私は娘と二人でオーストラリアのNoosaという町へ来ています。
ここには以前オーストラリアの東南部(クイーンズランド州 QLD)を旅した時に、3日間だけ滞在したことがあったのです。
その時に感じた開放感と、自然に囲まれた地形のうつくしさやもろもろに惹かれて2度目の滞在です。
こちらは冬。
昼間は23℃くらいまで上がりますが、夜は10℃以下になることもしばしば。
空気は乾いていてとてもさわやか。
ユーカリの香りとティーツリーの花の香りに満ちています。
このさわやかな風をうんっと吸い込んで、身体の中に溜まった空気と入れ替えて帰ろうと思っています。
写真は滞在先の目の前の運河沿いにたたずむペリカン。
本当にうつくしい鳥です。
そして大きい。
5歳児くらいはあるのです。
釣り人家族の横でそのペリカンさんはくつろいで、お互いを眺め合っていたのでした。
7才くらいの男の子が、
「ねえ、今日一日君は何をしていたの? 僕は中々楽しんだよ。
おやつもおいしかったし、◯○で遊んだし、君の一日も教えてくれたら嬉しいのにな」
と、語りかけていたのが微笑ましかったのでした。
ヌーサにながれる運河は水も砂もとてもきれいで、生活排水がそのまま垂れ流されていないのは一目瞭然。
この場所に住む人達や、滞在する人達が自然を大切にしていることが伝わってきます。
そして私が今回、ここに来たくてたまらなくなった理由の一つに鳥達のユニークさがあります。
ホテルやアパートメントやショップが建ち並ぶ、タウンの裏へ一本入ると、時折とても大きな塚があったりします。
土俵のように円をかいて、葉っぱや小枝が積まれているのです。
一体これはなんなのだろう?と不思議に思って聞いてみたら、野生のターキー(七面鳥)の巣だというのです。
それが結構大きいし、寝床のようなものがある訳でもなく、ただのサークルなのでまたまた不思議な気持ちに。
何でも彼らはその巣の上の木に登って寝るのだそう。
日本から来た私には珍しくてしょうがないのですが、彼らはタウンの片隅や、駐車場、人の家の庭を普通に歩いています。
しかも結構な数のターキーたちがあちこちにいるのです。
この子はスーパーへの道すがら出会ったターキーの雄。
ウイスキーのWILD TURKEY のあの絵とそっくりではありませんか。
多分誰かの家の庭に住んでいるのでしょう。
あの大きな巣も庭に作っているのだと思います。
それを許して、笑って一緒に住んでいるなんて何ともおおらかな暮らしです。
他にも、どうしても会いたかった鳥がいます。
“ロリキート”という種類で、姿も鳴き声もとてもにぎやかなインコの仲間。
早朝と夕暮れ時、彼らの存在感は劇的にアップします。
ロリキートたちは大勢で群れになって木に集まり、ワーワーピチュピチュ大騒ぎ。
飛び回ったり、小枝にぶら下がったり、互いに毛繕いをしたりとせわしなく楽しそうに動いています。
写真は、夕暮れ時のティーツリーの木にロリキートが集まっているところ。
赤い色が見えるのがロリキートたちです。
その時間にはばっさばっさとはねを広げて、大コウモリたちも群れを作って飛び回り、大きなティーツリーの木にぶら下がって騒ぎます。
ぎゃーぎゃークチュクチュ
ワーワーピチュピチュ ギャーギャーギャー
バサバサバサ
特に夕暮れ時は赤い太陽が青い闇に落ちてゆく雄大さを、彼らの大騒ぎが演出して一種独特なマジックアワーが現れるのです。
何度かオーストラリアを旅するうちに、このにぎやかな鳥達の声と雄大な自然の景色が一つになって私を内側から誘うようになって来ました。
自然が豊かなオーストラリアですが、その中でも朝焼けと夕焼けの時間に響き渡る、様々な鳥達の歌声に私はつかまってしまいました。
夕暮れ時のヌーサの川辺。
写真には写りませんが、鳥の鳴き声が響いています。
オーストラリアには、他にもブッチャーバードや、マグパイや、コカトゥー、ブロルガ、笑いカワセミで知られるクカバラと、ここで話しだしたらきりがないほどの種類の鳥達がいます。
他にも私が愛してやまないウオンバットという有袋類の仲間も、コアラも、カンガルーたちも住んでいます。
彼らに会うのもほんとに嬉しいのですが、オーストラリアに郷愁のようなものを感じる時、私の中からあの鳥達の声が響き渡るのです。
その回数が溜まってゆくと、ある時堪らなくなって旅の準備が始まります。
私たちには色んな感覚が備わっています。
何かを思い出す時、色や匂いや、対感覚が記憶の底から立ち上がってきます。
その中でも、「音」というのはどうしてこんなにも身体の中に強く残るのでしょうか?
景色やその時の空気の質感や匂い、色と一緒に鳥達の鳴き声が身体の中に録音されていて、ふとした時に私を包み込むのです。
そんな記憶に引っ張られるようにやってきたオーストラリアのクイーンズランドのあちらこちら。
滞在は約一週間ですが、色んなことが起こっています。
旅はまるで小さな人生のようだと思う時があります。
楽しいことも、選択ミスもあったり、やり残し感があったり、予想不可能なアクシデントもつきもの。
今回もブリスベンで借りたレンタカーが欠陥車で、炎天下で5時間待つという事件が起こりました。
毎回何かしら起こるのですが、旅を終えるとそのことも全部話しのネタになって、楽しい思い出に変わるのです。
それから旅先から普段のことを思い出すと、なんだか客観的に見ることが出来ます。
遠くはなれているからそうみえるのかもしれません。
今回の旅でリフレッシュして充電を終えたら、まそのエッセンスをShoka:の場で訪れたみなさまと分かち合いたいと思っています。
2013年、Shoka:の後半は28日からスタートです。
企画展も3つ予定しています。
いろいろとリフレッシュしたShoka:へ、どうぞ遊びにいらしてくださいね。
今回は旅先からのお便りでした。
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
梨や、りんごや、ぶどう。
果物が充実する季節。
みなさんもステキな晩夏を楽しんでください。
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2013年9・10月 Shoka:の企画展スケジュール
9月7日(土)~22日(日)
イエローレーベル展
豊かな手仕事の文化が今もなお息づくインドの地で生まれた
イエローレーベルは、織りや刺繍の精緻な技、独特の鮮やかな色彩を
ヨーガンレールならではの心地よいラインにのせた
夏季限定のラインナップです。
今期はビーズワークやミシンワークなど、
ひときわ精巧な手仕事を用いたアイテムや
さらっと羽織れるジャケットやドレス、
年間を通して活躍する麻素材のアウターなどが揃います。
10月4日(金)~13日(日)
「Gabbeh 展」
日本に初めてガベを持ってきた小野善平さんが選んだ、
手のぬくもりを感じるガベたちがShoka:へやって来ます。
日常に居ながらにして旅の気分を味わえるガベの豊かさに
是非触れてみてください。
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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com
沖縄市比屋根6-13-6
098-932-0791