» しあわせのガベ

文・写真  金城 由桂

 

shoka

 

 

かわいい動物がてくてく歩いています。
これは、ガベ(GABBEH、ギャッベ)と呼ばれる絨毯です。

 

見ているだけでもぬくもりを感じてしまう。元気な色彩が心をトントンとたたきます。

 

絨毯なので、私はすぐに素足でふみふみ。
なんとも気持ちがいいのです。
そして、ガベはそこに腰をついおろしてしまう、手でなでたくなる、そんな魅力があるのです。
動物に触れているような、すこししっとりとした感触。

 

 

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天然のウールを紡ぐ事から始まり、草木染めをして、ひとつひとつ手織られた絨毯です。
幅の大きなものは2人や3人掛かりで織ることもあるのだそう。

 

イランの遊牧民がもともとは、家族のため、暮らしのために財産として織って使っているもので
イランの花、木々、人や動物、風景がデザインされています。

 

 

思わずにやけてしまう、何とも言えないかわいさがあります。
描かれているモチーフは羊でしょうか。

 

 

遊牧民の暮らしには家畜は財産で、大切な収入源なのです。
不自由のない暮らしへの願いと、暮らしを支えてくれる羊や山羊への感謝の意味があるのです。

 

 

 

shoka

 

 

天に向かって枝を伸ばす木は「生命の樹」とも言われ、健康長寿への願いが込められています。
鳥は、神様からの使者と思われているのだそう。
手織りされていくモチーフには意味が込められていたり、願いを一緒に織り込んで文様をつくっていきます。

 

 

どんな女性が織っているのだろう。
イランの女性たちが気の合う友達同士で、家族の笑い話でもしながら織っているのかな、と遠い土地に想いを馳せます。

 

こういった文様は、手本や図案が無いと聞く。親から子へ、またその子へと代々、口伝で受け継がれたデザインや技術。
大自然の中で育まれた織り子さんひとりひとりの感性が加わって、こんなに温もりあふれた美しいガベが完成する。

 

手の仕事なので、出来映えに織り子の個性が出たり、不揃いなサイズがあったりと、とてもおおらかで温かみを感じる。
それこそが、本当に家族のために織っていたのだと思わせて、豊かだな、と感じてしまいます。

 

 

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静けさを感じるものもあります。
静寂の海のような
秋の明け方の空のような。

 

 

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このガベは、1950年代に織られたもの。
きっと遊牧していたどこかの誰かと山を登り歩いたのであろうガベ。

 

60年以上前のものでも古いという感じはせず、すごく大切にメンテナンスをされていた事が感じられる。
独特の味わいが増している。

 

 

遊牧民の暮らす土地は、一日のうちでも30℃以上の寒暖差があるので
その激しい環境で育った羊からとれる羊毛(ウール)は、温度を調整する機能に優れていて、冬はその高度な保温性から勿論あたたかく、夏はちゃんと放熱してくれるのです。

 

夏に寝転がっても表面はさらっとしていて体温を放熱してくれて、さらにエアコンをかけると冷気が表面の隙間に入り込み快適に過ごせるので、一年中使えるものなのです。

 

ガベは100年以上は楽々と使えるほどの耐久性があると言われていて、長く使い込むほどに表情をかえて味わい深く成長していきます。

 

 

 

shoka

 

 

私たちが歩く度にふわふわ動くフローリングのホコリは絨毯を敷く事でそこに集まり、部屋のホコリを絨毯が集めてくれる役割もあるそうです。
フローリングにもいいですが、玄関に置くと、外から入ってくる砂やホコリをそこで落とし、室内に入りにくくする効果があるので、玄関先ににもいいですね。

 

 

毛足が長く、お手入れが大変そうなイメージがあるのですが、あまりデリケートにならなくても大丈夫です。
上質な羊の毛には質のいい脂分が残っているので、ゴミよごれは弾いてくれます。むしろガベはお手入れがらくちんなのです。

 

 

普段どおり箒や掃除機の掃除で大丈夫です。
飲み物や醤油などをこぼしてもすぐにタオルなどで拭き取ればだいたいとれます。もしくは、かたく絞ったタオルで拭き取るといいようです。簡単な水汚れははじいてくれるというわけです。

 

 

Shoka:に届いているガベには、3畳以上の大きな物から、半畳ほどの玄関先に置く大きさ、おざぶと呼ばれる腰掛けサイズ等様々です。

 

制作する時間は、玄関サイズでも約一ヶ月、大きな物になると一年近くかかる物もあるそうです。
天然の良質なウールと自然の草木染めをしたガベは、全行程を手づくりで行っているので、決して安いものではありません。

 

しかし、化学繊維で作られたものや、機械で作られたもの、別の国での製造している類似品とは違う、確かな美しさがそこにはあります。
何代にも渡って使うことのできるガベは財産。
何代にも渡って伝わってゆくのは、ガベの上で過ごした豊かな時間なのかもしれません。

 

ぜひ、Shoka:でゆっくりとくつろぎながら、ガベの心地よさと美しさを感じにいらしてください。

 

私は実際にいいものだと思っているので、そう伝えたいと思います。
けれど、実際見た人や触れた人の心が動くものが、その人にとってのいいものだと私は思っています。

 

なぜなら、そばに置いておきたいものは、どんなに機能性に優れたものであっても、どんなに手が込んだものであっても
自分の心が震えるようなものであって欲しい、と思うものではないでしょうか?

 

 

先日東京の現代美術館で、ヨーガンレールさんのランプ展を観覧してきました。
その時に感じた感動や、美しさに私は心が震えました。
そうしてどんな思いがこのランプたちを創ったのだろう?と興味が湧き、氏の仕事の原動力や美しさについて想いを巡らせました。

 

そんな風に心動くからこそ、人の心は自分が感じる美しいものに触れようとするものではないでしょうか。

 

ガベは人の手がたくさん入っているので、安いものではありません。けれど
そのことは横に置いておいて、ぜひ触れて欲しい安らかな美しさに満ちたもの。

 

 

たくさん届いたガベの中に、見に来る方の心が動くものがあることを願っています。
今回お届けするガベは、ガベを日本に初めて紹介した小野善平さんのセレクトしたものです。
小野善平さんは35年間この仕事をしてきた方で、今回が沖縄での最後の展示です。
とても感慨深い展示会なのです。

 

 

まだまだ暑さ厳しい沖縄で、これから迎える秋をガベと一緒に過ごせたら...。
考えただけで嬉しくなってきませんか?

 

shoka

 

 

Gallery ONOから先日届いた包みを開封した時の事。
私たちは包みを開封しながら、一点ずつガベを広げる前から裏地を見ただけでもうおたけびをあげる始末。
広げてみるとやっぱり、どれもこれもかわいくて心地よくて、うっとり。
私はあれがいい、これがいい、でもこれもいい!...ああ、決めれない!と大盛り上がりでした。

 

 

セレクトしShoka:へ届けてくれたのは、岡山にあるGallery ONOを経営されている小野善平氏。
多忙な中、25日に沖縄に駆けつけてくださります。

 

急遽、ミニミニお話会を開催して頂ける事になりましたので
皆様も平日の忙しい時間だとは思いますが、ぜひ年に一度しか使わない仮病年休を使うなど工夫をされ聞きにいらして下さい。

 

(予約が必要となりますが、めげずにご連絡くださいませ)

 

 

 

 

 

 

 

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小野善平さんお話し会「 僕のガベ 」 ー Gabbenの上のしあわせ展 ー

 

 

 

小野さんは来年70歳を迎える、この道の大先輩。
自分で事業を起こしたくて、百貨店の外傷のお仕事をやめて一念発起パリへ飛び立ち絨毯や骨董の世界二飛び出したのが35年前の事。
その間年に2回は行ったパリに先日お別れをしにいったばかり。
情熱と、誠実さと、日本人らしい実直さで、私たちShoka:の皆の心を虜にした紳士なのです。
今までの事、この仕事の醍醐味、35年分、いや70年分の経験のスープを頂くようなお話会になると思います。

 

沖縄でのお仕事はこれで最後。皆様ぜひどうぞ!

 

 

<お話し会詳細>
日付   9月25日(金)
時間   17:30 ~ 19:00 (会場 17:00)
場所   Shoka:  沖縄市比屋根6-13-6
TEL   098-932-0791
H P   http://shoka-wind.com

 

 

○お申し込み方法
1.参加者名(全員のお名前を書いてください)
2.連絡先(ご住所・携帯電話番号・メールアドレス・車の台数とナンバー)
3.メールのタイトルに「ガベ展お話し会参加希望」と必ず書いてください。 申し込み先 Shoka:スタッフ 金城&佐野 event@shoka-wind.com までメールにてお申し込みくださいませ。

 

 

以下の点にご注意ください
◯定員に達し次第締め切らせていただきます。けれどあきらめずにお申し込み下さいね。どうにか尽力いたします。
◯必ずメールにてお申し込みください。
◯Shoka:の展示期間中はお子様連れも大歓迎ですが、お話に集中していただきたいことから大人のみの参加とさせていただきます。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
◯駐車スペースが限られていますため、車でいらっしゃる方はできるだけ乗り合せのご協力をお願いします。

 

 

 

 

 

 

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「Gabbehの上のしあわせ展」
2015年9月25日(金)~ 10月4日(日) 会期中無休

 

見ているだけでにっこりと顔がほころぶガベの、この明るい魅力はなんだろう?
イランの遊牧民が羊毛を草木で染めて、手で織られたガベはいろいろな意味で彼らの生活の基盤となっている。この上でお茶を飲み、憩い、夜はベッドにして寝るのだ。代々伝わってきた模様のほとんどが家族の健康やしあわせを願うシンボルとなっている。
生命の木は先祖から子孫へと、その繁栄としあわせが広がってゆくことを象徴している。花が咲き、実がなり、鳥たちがやってきて豊かな調べを歌う。そこには万国共通のしあわせの原風景がある。なので、ガベに触れると気持ちがほっこりとするのだろう。そしてその魅力は羊毛の素晴らしい特質にも支えられている。日が昇ると暑く、夜は気温がぐんと下がる砂漠地帯の羊毛は、暑い時には放熱し、寒い時には保温するという特性をもっているのだ。沖縄の暑さや湿気もなんのその。この上でゴロンと寝転がったり、撫でたり、お茶を飲んだり、座って映画を観たり。夜、私はこの上に布団を敷いて寝る。すやすやと羊を数える間もなく夢の中。 人のしあわせはほっこり心の温もりと、ゆるりくつろぐ場所にある。

 

今回もガベのセレクトは、日本にガベを最初に紹介した第一人者の小野善平氏にお任せしました。(25日在廊)
25日の17:30からお話し会を開催します。詳細はShoka:ホームページまでどうぞ。

 

場所:Shoka: 沖縄市比屋根6-13-6
日時:2015年9月25日(金)~ 10月4日(日)12:30 ~ 19:00 (会期中無休)
TEL:098-932-0791
H P:http://shoka-wind.com/

 

 

 

 

 

 

 

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暮らしを楽しむものとこと
Shoka:

 

http://shoka-wind.com/

 

沖縄市比屋根6-23-6
098-932-0791(火曜定休)
営業時間 12:30〜19:00