部屋に入ると、美しい景色を映し出す大きな二つの窓に驚く。
それはまるで、壁に飾られた二幅の絵画のよう。
入り口を振り返ると、ドアの上に裏手の森も望める。
「夏は両側の窓を開け放つと、とても心地良い風が通るんですよ」
森と海、二つの景色とそこから吹き込んでくる風、
せわしない心をきっと落ち着かせてくれる、癒しの部屋。
美しい景色を堪能していただけるようにと、オーナーがこまめに拭き掃除をする窓に汚れや曇りは見当たらない。
インドネシアで作った家具やドアが、素朴ながら洗練された雰囲気
部屋には冷蔵庫やテレビなど、音のするものを一切置いていない。
「鳥の声や風の音など、自然の音を楽しんでいただきたくて」
普段、滝のように浴びている雑音や騒音を切り離し、
静けさと穏やかさの中に身を置くという、贅沢。
玉城の空を埋める星を眺め、旅の連れ合いと語り合いながら眠り、
鳥の声と太陽の光で目を覚ます。
沖縄では珍しい木造建築。
「木のぬくもりが好きで。お客様にも感じていただいて、ゆったり寛いでいただきたいですね」
海を眺めながら開放感の中シャワーを浴びることのできるバスルーム。
ドイツのグローエ社製のシャワーを使ったこだわりの空間。
大きな窓からたっぷりと光が入る明るいダイニングルーム
第二の人生は沖縄で、という夫婦の夢を叶えるため、
沖縄全土を回って土地を探した。
中部や北部にも足を伸ばしたが、玉城に戻って来ると不思議と落ち着く。
自分たちの好きなところでと、場所を決めた。
その大きさに圧倒される窓からは、玉城の景色が一望できる
紅型作家、縄トモコさん(関連記事:縄トモコ・筒引きの世界
「はじまりのカタチ」)の作品が飾られて。
沖縄に来る前は喫茶店を営んでいたオーナーご夫婦による料理も好評。
「夏は外で炭火焼きバーベキュー、冬は美味しいお肉でしゃぶしゃぶも楽しめます」
ハンモックに揺られ本を読んでいるうちにうたた寝してしまうお客様が多いんだとか
外には露天風呂も。鮮やかな青いタイル張りは、まるでバリのスパのよう
建築中に地中から出て来た石灰岩を利用して作られた石段
裏手の森も海坐の敷地。オーナーが道を整え、上まで歩いてのぼれるように。
鳥のさえずりを聞きながら森林浴を楽しめ、朝の散歩にもってこい。
同じ沖縄といえど、普段私たちが生活している空間とは別世界の癒しの宿。
「豊見城や那覇など、同じ南部地域から泊まりに来てくださるうちなんちゅのお客様もいらっしゃって。
最初はびっくりしましたが、嬉しいですね。」
いえいえ、私は驚きません。
仕事や家事に追われる焦燥感や街の喧噪から逃れ、ひとときの憩いを満喫できる、
まさに、大人の隠れ家。
毎日がんばっている自分へのごほうびに、
週末に車で行ける癒しの旅へ、
普段ゆっくり話せない、あの人と出かけてみては?
写真・文 中井 雅代
海坐~kaiza~
沖縄県南城市玉城字玉城56-1
098-949-7755
HP:http://www.kaiza-okinawa.com/
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