「うるまでパスタが食べたくなったらここ!
本格イタリアンなのにお値段は手頃でびっくりしちゃいますよ」
具志川育ちのミスうるま・崎枝志穂さんのおすすめは、「cadecaru cafe 」で食べるランチ。
「せっかくだから新作パスタにしよ! 県産の厚切りベーコンがポイントなんだって」
「ベーコン、分厚くてめちゃくちゃジューシー!
トマトベースのソースはコクがあって、ほんの〜りスパイシーで私好み。
やっぱり、ここのパスタはハズレ無しだなぁ。
どのメニューにも島やさいがいっぱい使われていて、美味しいだけじゃなくヘルシーなんだよね」
前菜は、うるま市にある「 Boulangerie i+plus (ブーランジェリー アイプラス)」のバゲットに乗せたパテ、ビーツ入りマッシュポテト、しぶいのオレンジソース煮込みの三種盛りだ。
「県産品というか…うるま市産品のオンパレードだ!
それにしても、しぶいをオレンジソースで煮込むなんて斬新だよね。
優しい味わいでクセになりそう」
「デザート見ると、お腹いっぱいでもテンション上がっちゃうね(笑)
厨房上の黒板には、食事だけじゃなくドリンクメニューもびっしり書かれていて、どれにしようか迷っちゃう。
紅茶やハーブティーも種類豊富なんだよ」
「茶葉が並んだ棚には、それぞれの特徴や効能も紹介されていておもしろい!
『幸せに眠れる』『前向きな気持になれる』『肌とココロに潤い』なんて、その日の気分で茶葉を選ぶのも楽しいよね」
「併設されているスタジオでは、シェフの奥様がヨガ教室をやってるんだよ。
実は、最初にこちらを訪れたきっかけはヨガだったの。
私、骨盤もゆがんでるし肩の高さも違うみたいで、『骨格直すにはヨガがいいよ、うるまに良い教室もあるし』と知り合いに教えてもらって。
店の前をちょくちょく車で通ってて、気になってたんだよね。
でも、中に入ったらご飯が美味しそうでついついランチしちゃった(笑)」
「スタジオにはおしゃれなヨガウェアもいっぱい!
伸縮性があるし肌触りもいいから、ヨガをしない人にも人気みたい。
しかも、値段がこれまたリーズナブル〜。
カラーバリエーションも豊富だから、色違いで欲しくなっちゃうんだよね。
ヨガスペースは、クラスが無い時間帯はカフェのお座敷席になってるの。
赤ちゃんも寝かせられるから、子連れママさんたちもゆっくりお茶できるよね。
そうそう、エスプレッソ用コーヒーもうるま市のコーヒー専門店から取り寄せてるんだって。まさにメイドインうるまのカフェだね。
いつも、ついついパスタ頼んじゃうから、次はお肉かお魚をオーダーしたいな〜」
cadecaru cafe & studio nadi
うるま市石川嘉手刈149-1
098-964-4808
open 11:30~18:00(土曜のみ17:00まで)
close 木・日・祝
※ヨガのお問い合わせ
080-3462-6464
「三線ひけない、民謡も歌えない…。でもどっちも大好きなの!」という志穂さん行きつけなのが、「照屋勝武三線店」。
「沖縄県の伝統工芸士にも認定された勝武さん。
一見するとコワモテだけど、優しくてお話も上手。三線についてのゆんたくが面白くて、よく遊びに来てるんだ」
三線作りの手を止めて、「あい、志穂ね。あがりなさい」と勝武さん。
志穂さんに限らず店を訪れた人はまず、こちらの居間に通される。
「組み立てる前の三線ばかり並んでいるから、ここに来た人は『三線がないさ』と言うよ。
でもね、結婚相談所に行ったら、みんなウエディングドレス着けて並んでるね? 違うでしょ。まずは履歴書見て、この人良いひとそうだねと思ったらお付き合いしてみる。そうして気が合ってからさ、ドレス着けさすのは」
「勝武さんが作る三線、どれもすごく綺麗でしょ?
腕の良さが評判になって、県外からも修理の依頼が来るんだって」
と、志穂さん。
そして、勝武さんの三線談義のはじまりはじまり。
「三線というのは琉球王朝時代の士族が学問として学んでいた楽器なんだよ。
だから、形も音色も材質も最高を追求ないといけない。そうでしょう?
でもさ、中にはいい加減な仕事をしてるのもいるんだよな。
僕は、どんなしたら美人な三線が生まれるかいつも考えているけれど、とんでもないヤナカーギー(=不美人)の三線もあるからね。そんなのは触りたくもないさ。
ほら、そこにあるのなんかひどいものだよ」
「音が鳴らないから直してほしいと内地から送られてきたんだ。
インターネットで13万で買ったと言っていたけど、うちでは4万でも売れないよ。
胴の部分を手にとって叩いてごらん。パーランクーみたいな音がするでしょ?
中をのぞいてごらん、接着剤がぼこぼこと外にはみでている。
こんな作り方で音が鳴るわけないよ」
「三線というのは人間と同じなんだよ。
これが顔だとすると、ここが顎。
修理依頼で送られてきた三線を見てごらん。この立ち上がり、肩のライン、真ん中に中心線を引いてみると対称じゃないでしょ?
厚みの出し方も全然僕のとは違うよ。すべて人の手でやすりを使って削りだすんだから、曲がり具合やため具合も徹底的に追求して、自然の水や風が流したようなカーブを作らないといけない。
大らかさ、優しさが感じられない三線は、雑な作り方をしている証拠だよ。
神経細かく心を整えて作ったかそうでないかは、その三線を見れば一目瞭然。
道歩いててもヤナカーギーはすぐわかるのと一緒さ(笑)」
勝武さんも三線を弾くんですよね? と尋ねると、「…ちょっとね」とあっさりした返事。
でも実は、三線と胡弓の師範免状を持つほどの腕前だ。
「車運転できない人が作った車が速く走れるわけないでしょう。
三線も弾けない、仕組みやノウハウもわからない人が作った三線が良い音鳴るわけないさ」
と勝武さん。
「ラジオから流れてくるのを聴いただけでも、どんな三線かわかりますよ」と奥さん。
「三線の世界って奥深いなぁ。
ファースト三線は必ずここで注文します!」
と志穂さんが意気込むと、
「あい、三線は弾けないほうがいいよ。弾ける人は大抵貧乏だからさ(笑)」
照屋勝武三線店
うるま市石川1-28-10
098-964-2439
http://www.sanshin-teruya.com
「自宅のすぐ近くにあるので、ふらっと寄っておやつをゲットするのがここ、『おやつの実 Lafra(ラフラ)』。
イチオシは種類豊富なスコーン!
おいも、黒ごま、カフェモカ、枝豆チーズとお気に入りは沢山あるんだけど、季節限定品も続々登場するので見逃せないの」
「私ね、スコーンならなんでもいいわけじゃないんです。ぱさぱさし過ぎているのは苦手で…。
こちらのは、外はカリっとしていて中はしっとり。初めて食べたときに『これだよ、これ!』って興奮しちゃった。
自分で作ったこともあるけど、なかなかこんな風には焼けないんだよね〜。
誰にあげても喜ばれるので、家族に買って帰ったり手土産にしたり。
ほら、言ってるそばからどんどんお客さんが買いに…。夕方には売り切れていることもあるから、確実にゲットしたいときは予約しておくべし!です」
「自家製赤じそジュースは、さっぱりしてるからスイーツとの相性もばっちり。
シークヮーサーの風味が効いてて、美味しい〜。
イートインスペースもあるから、焼きたてお菓子をすぐに味わえるのも嬉しいよね」
「スコーン以外にも、サブレ、クッキー、マドレーヌ、ちんすこう…。
焼き菓子だけでもこんなにいっぱい!
お祝いやお中元・お歳暮など、ギフト注文も受け付けてくれるんだって。
アイシングのデコレーションもすごく可愛いの。もらった人は大人も子供もきっと笑顔になっちゃうよ」
「3人の女性スタッフさんたち、いつもにこにこ楽しそうだなーって思っていたの。
焼き菓子にもケーキにも、そんなお店のムードが表れてるよね。
これからも、私の帰宅前のオアシスでいてください(笑)」
Lafra(ラフラ)
うるま市宮里201-8
098-911-3590
open 10:30~18:00頃
close 日
「とんぼ玉との出会いは、ミスうるまの公務で物産展にうかがった時。
『ヤドカリ工房』さんのブレスレットをつけさせていただいたんだけど、綺麗で一目惚れしちゃって。
それ以来、いつか自分だけのトンボ玉が欲しいな〜って思ってたんだ」
浜比嘉島の工房を訪れると、作家の當山みどりさんがお出迎え。
「今日はぜひ、トンボ玉づくりを体験して行ってくださいね」との言葉に、志穂さんも大喜び!
「初めて作るなら、花やハート、ウェーブ(波)などの模様がおすすめですね」
と、みどりさん。
「可愛いマルが3つ並んだ、お花模様に挑戦します!」
「描く柄を決めたら、好きな色のガラス棒を選んでね。
それをガスバーナーで溶かして作っていきます」
「みどりさんが作るトンボ玉はどれも涼しげだけど、作業している時はこんなに暑いんだ」
と、志穂さん。
「普段は3名並んで作業しているのでもっと暑いですよ、蒸し風呂状態!
丸く成形したら、模様を描いていきましょうね〜」
「わ〜、想像以上に細やかな作業!
描くだけでも難しいのに、常に高温をキープするよう気をつけないといけないし…。頭がパニックになりそう」
「志穂さんすごくお上手ですよ。初めてとは思えないくらい!
模様を描き、透明なガラスでコーティングしたら出来上がり。
しばらく冷やしたら完成です。
他のトンボ玉と組み合わせて、ネックレスやブレスレット、ストラップなどにしてお持ち帰り頂きます」
「まさに自分だけのトンボ玉ですねー。
観光客の方だけじゃなく、私たちウチナンチュも楽しめちゃう。
そういえば、トンボ玉って沖縄だけのものなんですか?」
「トンボ玉自体は世界各国にあるんですよ。
でも、沖縄で工芸品として認められるようになったのは10年ほど前からかな。
私は当時からトンボ玉を作っていたんだけど、思い立って沖展のガラス部門に応募してみたんです。
それまではステンドグラスや琉球ガラスなどが選ばれていましたが、初挑戦で入選することができました」
「ということは、みどりさんの入選がきっかけってことだ。すごい!」
「みどりさんがつけてるトンボ玉アクセサリー、大人っぽくて素敵。こんな大ぶりなトンボ玉もあるんですね」
「みどりさんが作るトンボ玉は、沖縄らしさを感じるので大好き!
ミンサー織りの模様も珍しいですよね」
「実は私、芸大時代は『織り』を専攻していたんです。
今後は、織りとトンボ玉を更にコラボレーションさせていけたらいいな〜と考えています」
と、みどりさん。
「沖縄ならではのトンボ玉、やっぱり好きだなぁ。
また体験しに来てもいいですか? 次は帯留めに挑戦したい!
あー、すっかりハマっちゃった(笑)」
ヤドカリ工房
うるま市勝連浜103-3
098-977-7202
「オーダーしてから焙煎してくれるから、ものすごく香りがいいの。
我が家のコーヒーは必ずここ『珈琲豆焙煎工房グッドカンパニー』で買ってます。
そうそう、cadecaru cafe さんのエスプレッソもこちらの豆を使ってるんだって。
それにしても、豆の種類めちゃくちゃ多いですねー」
「でも、これで全部じゃないんですよ」と、店主の仲本さん。
「あまりに多くて出しきれないので、奥の倉庫にも置いてるんです。
生豆は世界13カ国以上から約30種類を仕入れ、焙煎度は6種類に分かれているので、180通りの味をご提供できますよ」
「雲南省? 中国の豆ですか? 」
「中国にコーヒー豆栽培のイメージってないでしょ?
でも、空気の澄んだ雲南省で有機栽培されている豆は、苦味・酸味・コクのバランスがとれていて飲みやすいんですよ」
1998年にオープンしたグッドカンパニー。
志穂さんが訪れるようになったのは、無類のコーヒー好きである母親がきっかけだったとか。
「高校生のころだったかな。母に『入ってみようよ』と誘われて。
コーヒーの生豆を見たのも初めてだったので、『コーヒーって最初から茶色いわけじゃないんだ!』ってびっくりしました。
好みを聞いてから焙煎してくれるから、母も大満足。
その日以来、必ずここで豆を買うようになったんです」
「沖縄の飲食店のオーナーさんたちも、豆を買いにいらっしゃるんだって。
仲本さんはオリジナルブレンドも作ってくれるし、県内全域宅配も受け付けてるの。
うるま市内にかぎらず、行きつけのカフェの豆が実はグッドカンパニーで焙煎したものってこともあるはずね」
奥様手製のマフィンと共に。
「焙煎が終わるのを待っている間、いつも美味しいコーヒーで一服させていただくんだけど、カップもいつも素敵なんだよね」
と、志穂さん。
「そちらは、うるま市に工房を構える山田義力さん(関連記事:「良いもの」であること、今の生活に入っていける器であること。)の作品。
良い器で飲むと、更においしく感じるんですよね〜。
個人的に山田さんの器のファンなので、ちょっとずつ集めてるんですよ」
仲本さんのイチオシは、ハイマウンテンやガテマラをブレンドした「うるまうんてん」。
「わ! すごく良い香り。飲みやすそうだし、母も好きそう。
うるま市の名前がついてるブレンドコーヒーなんて、素敵だな〜。
それにしてもうるまって、地元愛あふれるお店が多いよね。
みんなで地域を元気にしよう! っていう心意気が伝わってくるもん。
美味しいものはいっぱいあるし、人は温かいし、海は綺麗で、道も混まない(笑)。
やっぱり、今沖縄で一番熱いのはうるま市だね!」
珈琲豆焙煎工房グッドカンパニー
うるま市田場1943-1
098-974-2002
open 10:00〜19:00(土曜日のみ18:00時閉店)
close 日・祝
写真・文 中井 雅代