CONTE(コント)足りない味と足りない味で足りる味。食べ遊ぶプレートランチ

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県産食材を多く使った料理をいただける店、CONTE(コント)のプレートにのるのは、たくさんの驚き。豆腐のマッシュからは、桃のジューシーな甘さワッとひろがり、モーウィのマリネからは、スペアミントの香りが立ちのぼる。聞いただけじゃケンカする予感しかしない、シソとツルムラサキもふしぎと調和。

 

斬新な組み合せが、お馴染みの食材の新しい美味しさを教えてくれる。だが、CONTEの亮(まこと)さんいわく、これらは“足りない味”。きっと考えをめぐらせ作っているはずの味なのに、足りない味?

 

「主菜も副菜もひとつひとつは足りない味なんです。足りない味と足りない味で足りる味にしてるというか、食べ遊びできるようにしているんです。副菜も主役だし、ソースでもあると思って作るんですけど、主菜と副菜と合わせたり、副菜と副菜同士で合わせたり、組み合わせ次第でいろんな味が出るから、それを楽しんでもらえたらと思っています。『県産豚のロースト』なんかは特に食べ遊びに向いていますよ」

 

亮さんの言う食べ遊びをしてみる。豚とフルーツのマリネ、豚とピーマンのスパイス焼き。すると、最初の一口の美味しさがずっと続き、飽き知らずで食べられた。

 

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あえての”足りない味”は、食後のコーヒーやスイーツでも。

 

「クッキーも、甘みをおさえて作ってます。『コーヒーのおともに』ってメニューにも書いているんですけど、コーヒーに合うようにしていて。コーヒーって苦いと甘いが背中合わせだから、苦いコーヒーに牛乳入れると甘く感じるでしょう? そういう対比効果を狙って、コーヒーと一緒に食べてもらうことでちゃんと甘く感じるような味にしているんです」

 

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プレートからコーヒーの最後の一口まで飽きずに、ずっと楽しめるように。そんな味のバランスを生み出せるのは、亮さんの積んできた経験があるから。亮さんはこれまで、さまざまな場所で食と関わってきた。

 

「もう22年ぐらい飲食業に関わっています。バーテンから始まって、レストランやカフェとかいろんなお店にいました。あと出張料理人の方に付いてって県外での食事会のお手伝いもさせていただきましたし、いろんな方とお仕事してきたんです。仕込みの段階から立ち合うことで、野菜の扱い方からいろいろ勉強できました」

 

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たくさんのお店と人との出会いが、亮さんの自在な発想の源になっているという。

 

「店名のコントって、フランス語で物語の意味なんです。こんな食材に出会ったから、こういう料理が生まれたんだっていう、物語を感じられるような料理を出したくて。これも出会った人たちから勉強させてもらったことですね。最近では、生産者の方々とのつながりもできてきて、実際に畑を見せてもらったり、生産者の方々がどういう想いで野菜をつくっているのかなどを知ることも多いです。だからこそ、旬の素材が届いた時に、その人たちの想いを引き受け、丁寧に料理していきたいという想いがより強くなりました」

 

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そんな亮さんが、2015年9月にオープンしたコント。ここにきて自分でお店を始めたのは、数々の出会いに背中を押されたから。

 

「料理はどこでもできるといえばできるし、自分の店を持ちたい気持ちは実はそんなに強くなかったんです。ただ、僕自身が数年前に結婚して、夫婦2人ともに、これまで出会ってきた人たちとの縁を大切につないでいけるような場所を持ちたいねという話になって。今までいろんな場所で料理をしたりコーヒーを淹れたりする機会を与えてもらってきたから、今度は、僕らの場所がそういう場をつくっていけたらいいなと思いました。例えるなら、シェアオフィスのイメージです。自分の店だからといって僕が料理しなくてもいいし、例えば、僕が敬愛する料理人をお呼びして、僕はそれに合うお酒を作るとか。ちょうどそんなことを考えている時期に、OKINAWA FOOD FLEAという食のイベントにコーヒーで参加させてもらったのですが、それも自分が店を出そうと思った大きなきっかけになりました。そこに出店している人たちが本当に熱くて、みなさん心から楽しそうに頑張っている。そんな彼らの姿を見て、すごく刺激を受けたんです。背中を押してもらいました」

 

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物語はもう、お皿の上だけに留まらず、空間からも紡ぎだされる。食と音楽、食と写真など異なる世界とのコラボレーション。それは亮さんの奥さん、美保さんが強く望んだこと。

 

「お店では普段の営業の他に、イベントもやっているんです。食×食のイベントだけでなく、違うジャンルのコラボレーションもやっています。私は沖縄に来てまだ2年で、東京でずっと雑誌の仕事をしていたので、その時に出会った人たちを沖縄に呼んだイベントもやっていきたいと思っています。写真家の友達なら写真展、ミュージシャンの人ならライブ。ワークショップもいい。実際に少し前に、松田美緒さんというアーティストをお呼びして、ここで食事をしながら歌を楽しんでもらうというライブイベントをやったんです。その時は私たちも、彼女の歌のタイトル『ピタンガ!』にちなんで、ピタンガの実をハチミツ漬けしたカクテルを作ってお出ししたりしましたね。このライブを観るまで、彼女の歌を聴いたことのなかった人もいたと思うのですが、帰り際には彼女のファンになっている。この場所が出会いのきっかけになったんだなと思って、嬉しかったですね」

 

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そして亮さんもまた、新たな出会いを糧としている。

 

「コーヒーのイベントも不定期でやっているのですが、それも楽しいんですよ。焙煎家に店内で手回しでコーヒー豆を焙煎してもらって、焙煎したての豆で淹れた珈琲をお客様に提供するんです。僕はそのコーヒーに合う料理を作る。そこで生まれたメニューが県産豚のコロッケでした。その他にも、器作家の方がここで器の展示販売をして、その器に合うコーヒーを淹れるというイベントもやりました。あと、ソーセージナイトというのをやったのですが、それも面白かったです。ソーセージ職人を呼んで、ここで焼いてもらって、僕は副菜を担当したんです。こういう食のイベントって準備も大変だし、やりたがらない人もいると思います。いつもと違う環境だと100%の力が出せないよって。だけどそれをも楽しんでくれる方と一緒に何かするのって、こちらも楽しいし、普段では作らない料理やドリンクを考えたり、お互い新しいお客さまにも出会うことができる。そういう経験がまたいつものコントにも繋がっていくんだと思います」

 

飲食業一筋だった亮さんに、また新しい世界を見せていく美保さん。ふたりが紡ぐ物語は乱反射していく。美保さんが言葉を添える。

 

「食材と食材の組み合わせもですし、誰かと誰かが合わさって生まれるものを楽しむ場所としてもありたいなと思います。色々かけ合わせるって何が出てくるか分からなくて、だからこそすごく面白いこと。そういうコラボレーションを私たち自身が楽しんでやっていけたら、お客様にも楽しんでいただけるはずだと思っています」

 

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CONTE(コント)
住所:那覇市首里赤田町1-17
電話:098-943-6239
11:00〜17:00
休み:月曜日
http://conte.okinawa
Facebook:https://www.facebook.com/conteokinawa