» yap shop(ヤップショップ)リサ・ラーソンの陶器、アンティーク雑貨、アウトドアグッズ。ジャンルは問わず、品良く洗練されたものだけを

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これは紙? それとも布?
思わず触ってみる。

 

見た目も質感もまるでワックスペーパーのよう。
なんとも不思議な素材のかばんだ。

 

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薄手でぱりっとしていて、一つ一つのしわが様々な表情をつくりあげている。
そして、持ってみると驚くほど軽い!
これって、かばんですよね?

 

「ペーパークロスという、特殊加工を施した生地を使っているかばんです。
コットン2枚を貼り合わせているので、丈夫なのに軽いんですよ。
いつも荷物が重たくなってしまう方にもお勧めです。
僕も使っているんですが、使うほどに味わいが出てくるところがまた面白くて。色んなサイズをそろえたくなっちゃうんですよね」

 

店主の川原貴文さんも愛用しているという fourrof (フォアルオブ)のかばんも含め、店内には yap shop が県内唯一の取り扱い店舗となっている品々が数多く並ぶ。

 

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陶器の動物たちは、丸っこいフォルムとユーモラスな表情が印象的だ。
スウェーデンの陶芸家 リサ・ラーソンの作品は、日本にも熱烈なファンが多い。

 

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店内をじっくり見渡すと、置いているものが実に多種多様であることに気がつく。
どうやらここは、ただの「雑貨屋さん」ではないようだ。

 

作家ものの器やアクセサリー、良質のオーガニックコットンの靴下があったかと思えば、デッドストックのアウトドア用品、アンティークの大きなシャンデリア、ケンタッキーフライドチキンのクーラーボックスまで並んでいる。

 

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「よく、『ここは何のお店ですか?』って聞かれるんですよ(笑)。
作り手やブランドの知名度、また新品か否かは関係なく、純粋に『好きだなぁ〜』と思えるものだけを選んで置いています。
デザイン性だけじゃなく、素材や質感、使い勝手の良さにもこだわってセレクトしていますので、普段使いしやすいものばかりですよ。

 

例えば、店内の照明にも使っている『PRIMUS (プリムス) 』のランタン。
まずは見た目がかっこいい! デッドストックではありますが、今販売されているガスにも対応しているので、ちゃんと使えるんですよ」

 

PRIMUS は、19世紀にスウェーデンで生まれた由緒正しいアウトドア用品メーカーだ。その品質性の高さから、アムンゼンの南極大陸横断にも携行されたと言う。
なるほど、使いやすさについても折り紙つきなわけである。

 

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店に並べる品にはジャンルも新旧も問わないと川原さんは言うが、どんな基準を元にセレクトしているのだろう?

 

「作家ものでもなんでも、ブランドを全面に推し出していないものが好きですね。
ぱっと見てブランド名がすぐに浮かばないようなデザインというか。
さりげないものに惹かれる気がします」

 

川原さんが惹かれると言うさりげなさは、「品の良さ」と言い換えられるかもしれない。
押し付けがましさがなく、行儀が良い。

 

fourrof のかばんを自分が持ったらどうだろう? アンティークのグラスが我が家にあったら?
どの品もしっくりと合う気がする。
そういう意味あいにおいても、yapshop に並ぶ品々には上下関係が存在しない。
リサ・ラーソンの置物も、川原さんがマーケットで見つけた掘り出し物も等しく扱われ、また同等の魅力を放っている。

 

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CHEMEX(ケメックス)のコーヒーメーカー。「こんな大きいサイズのケメックス、見たことありますか?(笑) 割れにくい耐熱ガラスで有名なパイレックスが、70年代以前にガラス部分を製造していた時代のビンテージものです。
現在のものよりガラスが厚く、エンボス加工されたブランドマークが大きく刻印されているのが特徴。専用フィルターが市販されているので、今ももちろん使えますよ」

 

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美しいクリスタルのアンティークグラスはフランス製。ひとつ500円という値段にも驚く。

 

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店を営む前から無類の雑貨好きであったという川原さんだが、アンティークと出会ったのは沖縄に来てからだと言う。

 

「1997年に沖縄へ移住し、アルバイト生活を送っていた頃でした。週末になると、家の近所をバイクでぐるぐる回っていたんです。そしたらたまたま、沖縄市のとある通りでフリーマーケットをやっているのに出くわして。おじいやおばあが道の両端に小屋を建てて、店を出してるんですが、その品揃えがすごい。雑多で統一感がなくて、なんでもアリ!
日用雑貨や衣料品、米軍払い下げ品だけでなく、肉類や野菜などの食品、何だかわからないものまで(笑)。
でもたまに、『これは!』という逸品が混じってるんですよ。
その掘り出し物に遭遇した時の快感と、フリーマーケットが醸しだす異国のような怪しい雰囲気に完全にハマったんですね。
毎週のように通い、古い雑貨を集め始めました。

 

すると、徐々にそこだけでは満足できなくなって…。やがて県内のいろんな店を物色するようになりました。こうなるともう、趣味みたいなものですね。
あっという間に家中が雑貨だらけ! 好きなものに囲まれて僕は幸せですけど、奥さんには頭が上がらないです(笑)」

 

バイト生活が長かった川原さんは、好きな雑貨を集めるうちに、「本当にやりたいことを仕事をしよう」と思うようになったと言う。

 

「そろそろ何か始めたいなぁと考えた時、雑貨屋以外思い浮かばなかった。迷いはなかったですね。

 

もともと、浮き島通りなど那覇の路地裏が好きで、よく遊びに来てたんですよ。
歩きながら『この辺にこんな店があったらもっと楽しいなぁ』と妄想してたんです。
そして店を開き、僕が好きで集めたものだけ並べてみたら、沖縄ではあまり見ないようなテイストのお店になりました」

 

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ジュエリーデザイナー yuki nagao のアクセサリー。

 

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「飲食店関連のグッズも面白いんです。メキシコには、トルティーヤ
専用の容器なんてあるんですよ(写真右)」

 

アンティークのグラスは曇りひとつなく磨かれ、ランプやアウトドア用コンロなども全て実際に使用できる。
丹念に手入れされ、言われなければほとんど新品と見分けがつかない。
その様子から、川原さんの雑貨に対する愛を感じずにはいられない。

 

「アンティークも作家ものも、飾るだけではなくガンガン使って欲しいんです。そのために品質や状態のチェックは怠りません。
現在では製造されていないものでもちゃんと使えるんですよ。むしろ、新しいものよりもつくりが丈夫で質が良いことも多いんです」

 

置いてある品々を手にとって目を細める川原さんには、困ったことがあると言う。

 

「どの品にも愛着が湧き過ぎて、お店に出すかどうか悩んじゃうことが多くて(笑)。
自分のツボにハマったものだけを連れ帰ってるわけですから、どうしても惜しくなっちゃう
自宅には、出番待ちの雑貨がまだまだ山のようにあるので、奥さんからはせっつかれてます。でも、どれも好きすぎて…」

 

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このライト可愛いですねと声をかけると、川原さんがちょっと迷った様子を見せた。「素敵でしょう?…実はこれも、出すか出すまいか迷ってて…。こんなこと言い出すとキリがないですね(笑)」

 

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今後は、沖縄で作られた雑貨の取り扱いも増やしていきたいと言う。

 

「移住して感じたんですけど、沖縄の方っていかにも沖縄! というコテコテのものは避けがちじゃないですか?
沖縄テイストが強いものではなく、県内の方も普段使いしやすいものを置きたいと思っています」

 

新しいものと古いものとが、違和感なく共存している空間に一歩入ると、まるでフリーマーケットを訪れたようなわくわく感に包まれる。
yap shop には探す楽しさがあり、未知のものや新たな価値観との出会いがある。

 

川原さんは沖縄のどんな雑貨を選び、この空間に並べるのだろう?
そして、その先の yap shop は?
これからもずっと、新たな出会いを準備して私たちを待っていてくれるのだろう。

写真・文 中井 雅代

 

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