» trip!trippen!毎日を旅するように歩きたい 後編

写真 文 田原あゆみ

 

shoka

画像 trippen.co.jpより

 

 

この記事は後編。先日掲載した前編を読んでからの方が内容が分かって面白いと思うので、まだ読んでいない人は以下のリンク先からどうぞ。

 

trip! trippen!
靴とバッグの展示会「毎日を旅するように歩きたい」前編

 

 

 

さて、前回に引き続き甲高幅広足の私の体験する靴の旅。
次に登場するのはtrippenのヒールたち。
私は甲高幅広の足の形状上なかなかヒールの靴が合わなくて、女性としてヒールの靴への憧れをなかなか満たすことができなないでいた。もしかして、そうtrippenなら私の足に合うヒールがあるのかも!

 

 

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trippenには様々な形のヒールのシリーズがある。
最初に私が選んだのは、Edelというシリーズの靴。

 

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足首がストラップで固定されていてとても歩きやすく、ヒールの素材はtrippenが信頼するイタリアの会社に特注しているそうで、履いてみるとなんともいえない独特の感触が気持ちいい。かかとから爪先へと重心が移る時に、靴底の弾力が足を前に押し出してくれるように感じるのだ。

 

 

爪先のデザインも丸くカジュアルな雰囲気を持っていて、デニムにも、そしてスーツを着てもバッチリはまりそう。ワンピースでも、スカートもパンツでもコーディネートしやすそうなそのデザインが気に入って、2013年の春に購入。そして私はこの靴と、前編で登場した茶色のpanの靴の両方を持ってソウルへ飛んだ。

 

 

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ソウルは美味しかった。とても美味しく美しい韓国料理。
心厚いソウルの人々のおもてなしとその美意識の高い文化に触れることができたのは素敵な思い出だ。

 

 

この旅はとても楽しく、友人のつながりのおかげで素晴らしいおもてなしを毎日のように受けたのだった。ソウルは都会なので、街を歩くのにEdelは良かった。ヒールなのに足の負担が軽く、歩きやすい。もちろん距離を歩くのにはpanの方が良かったので私はその2足を交互に履いた。

 

が、しかし、滞在中天候は最悪で、私の靴は一番の被害を受けた。trippenの受難の物語。

 

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雨が降っていない方が珍しいくらいの異常な降雨に見舞われた2013年の7月。私の滞在はその期間にバッチリとはまってしまったのだった。その7月にはおおよそ1年分の雨が1週間で降ったのだ。
そう、私はtrippenを毎日ぶしゅぶしゅに濡らしながら、川のように雨水が流れる街を歩いた。濡らすというより、靴の中も雨水が流れ込んできて、雨袋のように水が溜まったまま私は歩いていたのだった。子供の頃に雨靴の中に水が入り込んだ経験のある人は感覚的にわかるだろう。ばしゅっ、ばしゅっと歩く度に水が靴の中で波打った。

 

 

靴の一部分が濡れると白く粉を吹いたような線が残ることがある。なので敢えて全部を濡らしたほうがいいということは、革の専門家から聞いていたので、表革の場合濡れること自体はあまり心配していなかった。が、規模が違った。
一足ずつ日替わりで履いても、すごい湿気で靴は常に濡れたまま。その状態で履いて歩くので、ご想像の通りどんどん革が伸びてしまったのだ。私の足の形もしっかりとついてしまい、面変わりしたtrippenのEdel。

 

最初は、すっきりとフィットしていて綺麗なラインだったのだけれど・・・様変わりしたその靴の現状はこちら。

 

 

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ヒールなので、重心がどうしても前に行くので私の足の幅と指の形がしっかりとついてしまい、前に伸びたせいでサイズが大きくなってしまった。
悲劇のEdel。ヒロインは私。

 

お気に入りだったので、しばらくはがっくりとして、見る度にため息。しばらくは見たくなくて、棚の奥の一番下の段に隠すように置いた。見るとどうしても、なぜあのとき雨靴かゴムの靴を買わなかったのだろうか?と自分を責めてしまうのだ。合流した先輩たちに迷惑がかかるのではと思って、買い物に行きたいと言い出せなかった。形を気に入らないと納得して買うことができない私の買い物には時間がかかるのだ。

 

天候には負けたけれど、この靴がストラップで固定されていることに救われた。ストラップが足首と靴を固定してくれるので、サイズが多少大きくなっても履けるのだ。足を入れたときの心地よいフィット感は無くなってしまったけれど、前の部分にシリコン製の中敷を入れたらちょうどいい感じになるだろう。ほとぼりが冷めたのか、最近はたまに履くようになってきた。

 

この旅で学んだこと。
⚫︎革靴は濡らしてもいいけれど、濡れたまま履き続けると伸びる。
⚫︎濡れた靴は乾かして、お手入れしてから履くべし。
⚫︎旅に出るとき雨に濡れてもいい靴も一足持って行くべし。

 

書いていて思ったけれど、濡れたら革が伸びるのは当然のこと。旅先には濡れてもいい時のための雨靴も必要だと心に刻んだ2013年の夏。どうも沖縄に住んでいると、door to doorで雨の日に歩くということがあまりない。それでシミュレーションしにくいということもあるし、私の性格がどうにかなる、という感じなのでこの事件は起こった。起こってしまったことはもうどうにもならないけれど、こうしてみなさんに私の失敗もシェアすることでお役に立てたら無念も晴れるし、ちょっと嬉しい気もする。

 

ちなみに、靴が濡れてしまった時の対処法はこちら。
濡れた靴のお手入れ

 

 

 

 

失敗しても懲りない私。靴の話しはネタだらけ。
それから2年待って私はごく最近黒いヒールの靴を買った。シリーズ名はLeaf。

 

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このLeafの良さは、ラインの美しさとストラップで足首を固定しているので、抜け感がなく足に靴がフィットした状態で歩くことができるので、とても歩きやすいということ。
大人っぽくてすっきりしたデザインに惹かれる人も多い。
私は以前から黒いヒールならこの靴がいいな、と思って受注会のときに予約を入れていたのだ。半年待って届いた靴を見たときには心が躍った。

 

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4月の頭の東京への出張のとき、私はこの靴に服の方をコーディネートをしてすっきりとまとめた。東京について電車の乗り継ぎで歩き回っていたときに、私はしまったなあ、と段々と自分のミスを実感していくのだった。

 

この2足のヒールの靴の形を比べて欲しい。左側のEdelはソウル雨事件のあの靴。伸びてしまったので型くずれしてしまっているが、私の爪先の形が刻印されているので足の形が見て取れるだろう。そう、私の指は親指と人差し指、薬指までがほとんど同じ長さで丸みを帯びた長方形に近い形。Edelの爪先のラインは私の足にとても気持ち良くフィットするのだ。しかし・・・・Leafは先が細くなっている。足先の細い人にぴったりくる形だ。階段の多い東京の地下鉄を乗り換えながら、私の爪先が無理をして窮屈なところにはまり込んでしまっているいるあの懐かしい感覚が蘇ってきたのだ。爪先が痛い・・・というあの懐かしくも辛い感覚。

 

ヒールは、かかとが上がる分だけ爪先に重心がかかる。なので足の指やその付け根がのびのびしていないととても疲れてしまうのだ。
沖縄での生活の中だと問題はないけれど、私の足の形状上立ちっぱなしで歩く東京の出張には向く形ではなかったのだ。その出張中私は久しぶりに足を引きずった。
けれど良かったのは、trippenの革と靴底の柔軟さ。二日間立ちっぱなしで歩き回る出張をこなすことはできた。

 

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この爪先の部分をよく見て欲しい。特に左側の靴はわかりやすいのだが、親指よりやや長い私の人差し指の形が出ているのだ。たくましい人差し指。
幸い1日中履いたまま立ち仕事をしたり、長時間街を歩き回ったりすることを避ければ十分履けることがわかったのは救いだった。今後この靴は歩き回るのが短時間の時用の靴として、食事会やここぞというときに履こう、そう決めた。
私の足にはEdelの爪先のラインがぴったりくることがはっきりとわかったので、いつかヒールを買うことになったらそのときは迷わずにEdelの黒だ。
きっとこの靴がぴったりの人がいるだろう。その人は颯爽と街を歩くのだろうな、そう思うと羨ましいが、私は私の足の形を大事にしよう。そうするのが一番だ。自分の身体の特徴を知り、心地が良くて似合うものを探す。そうすると背筋が伸びて、自分も気持ちがいいし、そんな自分を見る人からも爽やかに見えることだろう。靴も同じだ。

 

私はこの仕事をやっていて本当に良かった。こうして自分の経験を誰かにシェアすることで人の役立てることは私をも救ってくれる。ただの失敗ではなくなるからだ。
人生において様々な経験をする中で失敗することは多い。きっと5つの失敗と一つの成功、いや失敗の数はもっと多いかもしれない。その確率の中で仕事や人間関係もろもろのバランスを取っているような気がする。いつかの成功のためには失敗というデーターが必要不可欠だ。
感覚的で、形やデザインと機能性を吟味してその中でも形の良さというのは外せないある意味かっこつけの自分。今回のように履き心地をしっかり味わう前に、形とtrippenというブランドへの信頼が勝ってしまった。このことから、みなさんに一番伝えたいことは以下のことだ。

 

⚫︎自分の足の形に合うものをしっかりと見つけて欲しい。この一言に尽きる。
人間工学に基づいてデザインされているtrippenにも様々な木型がある。そのシリーズの個性と機能のことが、私やShoka:のスタッフたちにも段々と体験を通してわかってきている。なので色々助言やサポートで役に立てたら、と思っています。まずは試し履きをしっかりとしてから選んで欲しい。

 

失敗話しをこうして公開するのはちょっと怖いような気もするけれど、人は失敗からこそ沢山の学びがあるのだ。なので、失敗の多い人でも前向きに楽しそうに生きている人がいたら、その人は生き字引にちがいない。もしかしたら失敗をして落ち込んでいる人の話からも私たち人間は学べる生き物なのではないだろうか。人の体験談は宝の山だ。私の体験談も誰かの宝になりますように。

 

こうして靴について書いている私はやっぱり靴が大好きだ。形やデザインが好きなものを優先して履いていた20~30代、私は自分の足が痛くなる度にそれは自分の足の形のせいだと割り切っていた。足に優しい靴も見たことはあったが、デザインがぼってりとした印象を受けて、どうしても好きになれず、足を入れる気にもならなかった。なので職業柄沢山の靴を持っていたけれど、今はtrippenと出会ったおかげで、はき心地の心配はしなくて良くなった。失敗もしたけれど、それが今度の靴選びの基準になる。そして合う形を見つけたら、色違いを持つことに私は何の衒いもない。

 

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こちらが私のtrippenの靴たち。気にいると色違いを買ってしまうのは見て取れるだろう。黒のpan (前列右端)はぴったりのサイズのものを買って、自分の足の形にフィットしてきてからはとても履きやすく日常の中では一番履いている靴だ。隣の茶色のpanとサイズがワンサイズ違う。

 

最後におさらい。靴を選ぶときの注意点など。

 

 

⚫︎足に合う木型の靴を選ぶためにちゃんと試し履きをしよう。
⚫︎専門家や経験のあるお店のスタッフのアドバイスを参考にしよう。彼らは靴の特色を理解しようと勉強しているはずです。逆にちゃんとその個性や、ブランドの理念を知っているスタッフは情熱があり誠実だと思うので、選ぶときに色々と質問してみるべし。
⚫︎濡らしたときにはちゃんと乾かして、成形をしてから履きましょう。濡れたまま履き続けることは型くずれの原因になります。濡れた靴のお手入れ
⚫︎trippenは職人さんが修理をしてくれる信頼できるブランドです。何か気になることがあったら、なんでも販売店にご相談ください。Shoka:ではどこで買ったtrippenでも修理の窓口になります。気軽にご相談ください。
⚫︎靴のお手入れ法はいつでもご相談ください。

 

暮らしの中の旅日記 「いいお天気ですね お靴のお手入れいたしましょう」

 

さあ、いよいよ17日(金)から企画展が始まります。日常を気持ち良く過ごせるコットンやリネンのお洋服たち。ピンと背筋が伸びるような形のいいもの、革の小物たちも沢山揃っています。
この機会に是非とも色々試してください。
メンズの靴も期間中ありますよ!

 

では楽しい一日を。

 

 

 

この続きは去年の旅の話しとtrippenBOMのこと。大好きな旅と靴の話しです。
それはShoka:のHPにてどうぞ。

 

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trippen!毎日を旅するように歩きたい

 

2015年4/17(fri)~5/6(thu)
12:30~19:00会期中火曜定休 ただし5月5日はGWのためオープンしています

 

trippen は靴作りの全行程まで目が行き渡るような生産体制を崩さず、一つ一つを手作業で丁寧に作り上げる職人たちの魂が生きている会社だ。人間工学に基づいてデザインされているので、履き心地が抜群にいい。修理体制も素晴らしく、靴が修理から帰ってくる度に、まるで生まれ変わったように整えられるのをみては感心している。
街歩きには軽く履き心地のいい cup のシリーズを。歩くことがメインの旅に出るなら、靴底がしっかりしている closed のシリーズをお勧めしたい。ヒールの靴も他のものとは全く履き心地が違う。今回のイベントでその感覚をお試しの上、自分の足に合った靴と出会うことを願っています。

 

今回はメンズも含め、たくさんの種類のtrippenのシューズを揃えました。他にもARTS&SCIENCEさのバッグや小物たちも揃えています。

 

 

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くらしを楽しむものとこと

 

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