予想してたよりもずっと良かったです。ショーン・ペン、すごい!
エミール・ハーシュが、「スピード・レーサー」前に出演していた作品なんですね。
この映画で、これはスター俳優間違いないですね。
すばらしかった。
実話を基にしているということ。
「荒野へ」という原作は読んだことないけど、読んでみようと思いました。
予告では、金持ちの坊ちゃんが気まぐれで荒野を目指したのかしら?と単純に思っていたけど、観てみたらもっと複雑だった。
やはり親の影響って大きいんだな。
お金はあったかもしれないけど、実は私生児で、両親は毎日喧嘩ばかり。
親はものばかりを与えるんだけど、それって自己満足だよね。
私は、ものも与えられなかったので羨ましいけど(笑)
クリスは妹のカリーンとだけ、心を開いて、いろんなことを分かち合って、大学卒業までする。
そこから突然、アラスカの荒野をめざす。
妹には、予想できた、当然のことらしい。
クリスは自分のIDも捨てる。
アレックスとして出発する。
彼の名はアレキサンダー・スーパートランプ。
この名前でアラスカを目指す。
2万4千ドルの貯金を慈善団体に寄付。
これはまだいいとしても、キャッシュは全部燃やして出発。
お金を燃やすのはよくない。
絶対によくない。
それでも、なんとなく、クリスの気持ちはわかる。
自由になりたいんだよね。
全く違う人にならないと、本当に自由になれない。
両親があんな感じだときっとそう。
私もわかるなあ。
アメリカで一人で住んでいたときだけが自由だったから。
アレックスは旅先でいろんなひとに出会う。
ここで出会う人々がみんな素敵なの。で、アレックスはみんなを魅了する。
素敵なひとだったんだろうなあ。
ちょっと、仲良くなる女の子もいたりするんだけどね。クリステン・スチュワート演じるトレイシー。
トレイシーはアレックスのこと好きだったみたいだけど、私には、アレックスがトレイシーの中に妹のカリーンを見ていたのではないかと思った。
接し方もそんな感じだったね。
ヴィンス・ヴォーンが意外によくてびっくりしたけど、やっぱり抜群によかったのは老人ロンを演じた ハル・ホルブルック。
大熱演ですよ。
なんかこのシーンは泣けた。
アレックスがいろんなことをすべてこの老人に話すんだよね。
で、彼も、アレックスに心を許す。
「養子にしたい」というロン。「アラスカから戻ったら話そう」というアレックス.
ここで、ロンはアレックスが戻ってこないことをわかっているんだろうなあ。
胸が熱くなった。
アラスカで、”不思議なバス”に乗る。
バスといっても走らない廃車。
雨風をしのぐため、そこで寝泊りする。
人間のいろんなしがらみが嫌で、自然に還ろうとするアレックス。
でも自然はあまりにも大きく、人間がコントロールできるものではないのだ。
そんなことを思い知らされる。
自然と共存なんて、都会にいるからこそ出来ること。
アラスカなんて本物の自然にいっちゃうと、なんだか自分の存在自体がわけわかんなくなるんじゃないかな?
ラストはやっぱりな結末なんだけど、実話だからねえ。
エミール・ハーシュが衰弱しきった姿を大熱演。飢えた熊も避けていくくらい衰弱。食べられる植物と食べられない植物。
私、このシーンが一番衝撃的でした。
アレックスと一緒にショックをうけた。こんなことって。。。。
その彼も最期には「物事を正しい名で呼ぶ」ことに戻る
アラスカへいって、彼が最後にみたもの、やっぱり意義があったんだ。。
深い映画でした。
観てよかった。
ちょっと、エミール・ハーシュがたまに、ジャック・ブラックにみえてしまった。
何故だろう(笑)
KEE
<キャスト>
エミール・ハーシュ
マーシャ・ゲイ・ハーデン
ウィリアム・ハート
ハル・ホルブルック
キャサリン・キーナー
ヴィンス・ヴォーン
ジェナ・マローン
クリステン・スチュワート
ブライアン・ディアカー
他
<ストーリー>
大学を優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハーシュ)は車や財布を捨て、自由を手に入れるための放浪の旅に出る。労働とヒッチハイクを繰り返し、アメリカからアラスカへと北上。アラスカ山脈の人気のない荒野へと分け入り、捨てられたバスの車体を拠点にそこでの生活をはじめる。
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