毎朝の掃き掃除でいつの間にか落葉が多くなった。
黄色く色づいているのは桜の葉だろうか。
風が強い日はカサカサと葉が舞う。秋の音だ。
そう、沖縄にも秋が着実に訪れている。
この時期、楽しいことのひとつに洋服選びがある。
今年、何よりも楽しみにしていたのが、イタリアのファクトリーで作られているコットンのワークコートだ。
イタリアの工場や実験室の制服としてリアルに使われているワークコートで、しっかりした織りの一枚仕立ての羽織のそれは、作業用というだけあって軽くて丈夫。
広めのアーム。長めの丈。シンプルなデザイン。
それでいて飾りベルトがポイントに付いているあたりが、にくいのです。
ストンとしたボックスシルエットは、体型や年齢を選ばないユニセックス仕様。
イタリアサイズということもあって、少しゆとりのあるサイズ感だけれど、それがかえって日本人が着るとかわいい雰囲気なのだ。
本来は作業着や制服ということもあり、きちんとプレスされて仕上げるところを、最後に製品洗いの工程を入れてもらってプレスされていない、シワシワのままで納品してもらっている。
そのほうが普段使いとして、とってもしっくりくるのです。
そして特筆すべきは、そのカラー。普段着たい!と思わせる色なのだ。
そのあたりが、日本の作業着と大きく違う。
お勧めはブルー。秋の空に吸い込まれそうな鮮やかなブルー。
こんなコートありそうで、なかなか無いと思わない?
沖縄は9月でも十分に日差しが強い。
それでも、ひと雨ごとに涼しくなる。
温暖な沖縄では、秋から春にかけてこの一枚があると快適に違いない。
風が強い日や、雨の日は特に重宝しそうだ。
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店内も少しずつ秋に満ちてきています。
田原幸浩さんと田原琴子さんのdoucattyによるマルチリネンクロスの新作。
このハンドペイントのリネンクロスは、「ベッドにも、ソファにも、テーブルにもかけられる大きな布が何か出来ませんか?」と、アプローチしたのがきっかけのシリーズ。
doucattyの人気の手ぬぐいのように、プリントの布と連想していたら、出来あがったのは、手描きのまさに作品とも言うべき一点もののリネンのクロスだったのです。
サンゴや、沖縄の赤瓦を連想させるような、大胆でいて、ピースフルで、眺めても眺めても飽きない大きな絵のような布に仕上がり。
届いたばかりのアフリカブルキナバスケットと合わせてディスプレイ。
沖縄とアフリカ。不思議と合う。
うんうん、いい感じ。
手ぬぐいのモチーフにもなっているサンゴの柄。
田原さんは、「レースカーテンのように窓際にかけると、リネンの適度の透け感が楽しめます」とおっしゃっていたっけ。
お客様の中には、ソファカバーとして利用されている方も。
リネンのサラッとした肌触りが心地よいから、ソファやベッドカバーとしても最適なのです。
家庭で手洗いもできるので、贅沢に普段使いしたい。
製作は数日がかりのこのクロス、布端を手ぬぐいでくるまれていたり、刺繍がほどこされていたり、オリジナルのネームが付いていたりと、隅々にグッとくる。
店頭でまじまじと眺めていた男性のお客さんが一言。
「いちいち、可愛いな!」
本当、その通りと思う。
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長浜太志さんからも、焼き上がったばかりの新しいシリーズの器が。
伊羅保釉(いらぼゆう)のシリーズ。
褐色から黄色のグラデーションがとても綺麗。
長浜さんの器に特徴的な、一筋の釉薬の流れもアクセントになって、見る角度で表情が変わる。
そっと触れてみると、ザラザラしているところ、フツフツとしているところ、デコボコしたところと、色に負けずその感触も表情が豊かです。
決して鑑賞するための器ではないけれど、この静かな器を眺めていると、「何を盛りつけよう?」と自然に器との対話がはじまる。
盛りつける料理を考えること、それは器の楽しみのひとつですね。
長浜さんの代表作であるカーチベーのシリーズも素敵だけれど、最近とても気になるのが渋めの器のシリーズ。
一見控え目な佇まいだけれど、眺めていると陶器の味わいとともに、秘めている強い意志を感じる。
今回の伊羅保釉もそうだし、以前から作られている白化粧土に錆色が抽象画のように浮き立つヴィンテージシリーズもそう。
ヴィンテージシリーズは色で分類すると、白い器ということになるのだろうけれど、西洋的なつるっとした綺麗上品なだけのお皿ではない。
そんな器は、不思議と料理の種類を選ばない。
おかず一品でも、焼き菓子でも、フルーツやチーズでも、
ぐっと料理や素材そのものを引き立ててくれる。
こうやって、器に浸っているとなんだかお腹がすいてきました。
さて、今日のご飯はどうしよう?
text 宮城博史
photo(fashion) Lim
model(fashion) Ashida
photo(pottery) 宮城博史
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