うるし といると うれしい

写真 文 金城由桂

 

shoka

 

みなさまは、どんなお正月を過ごされましたか?
初詣、初商い、寝正月、食べ正月・・・

 

 

ハレの日こそ「漆器」の出番ではないでしょうか。
お正月に、食器棚の上から一年ぶりにおろして使ったという方も多いはず。
漆のうつわは特別なときに使いたくなるものですよね。

 

 

写真は、木漆工とけしの新作のうつわです。

 

こっくりとした朱赤が、実に上品。
内側はとろみのある質感で、外側はザラっとした質感に仕上げています。
片手で持てるほどの小振りなうつわです。

 

 

それにしても、たわんでいます。

 

 

このたわみは、なんと木の狂いを活かしたもの。
生木の状態で木地を挽いて、急激に乾燥させることで
このたわみが出て来るのだ、と木地師の弘幸さんが教えてくれました。

 

 

普通木地は、しっかりと乾燥させた木を用いて形成していくのですが、
あえて生木を使い、木の動く様子を楽しみ、そこに漆を塗り重ねていく。

 

生の木を削ったのは弘幸さん。
そして、その生の木が乾燥の過程で動きたいように動いた後、現在の形に収まる。
その器を愛さんが眺めて触れて、木自身が乾燥していく経過を感じながら、愛さんは漆を塗っては研ぎ、また塗っては研いでいく。
漆器とは木地に漆を施しているうつわの事ですが、施すと一言で表しては申し訳ない程それはもう、手の込んだ作業が行われているのです。

 

 

 

ひとつのうつわが仕上がるまでには、幾度となく塗り研ぎを繰り返し整え、段階によって仕様も変わります。
素人の私には気の遠くなるほどの行程を経てやっと、私たちの手元に届けられます。
そんなに手をかけられた器なので重みのある気がしますが、

 

 

実際に使ってみると、持っているという感覚を忘れるくらいの軽さ

 

そして手の中のおさまりの良さ。
このギャップにやられてしまうのです。

 

木漆工とけしのうつわを使っていると、つくづく いいな~と思えます。

 

 

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凛としていて、 とても優しい。

 

 

フォルムも肌合いも、あたたかみが感じられて、心にすっと入ってきます。

 

 

 

木漆工とけしのうつわは
既存の漆器とは少し違った佇まいを持っています。

 

漆器のイメージとは、ぴかぴかで傷を付けるのがもったいない!だとか、
ハレの日に腕を振るった特別メニューのときに使おう、などと思われている方も多いはず。

 

 

 

見事にそのイメージが覆され、木漆工とけしのうつわは
艶をおさえたなめらかな質感で、どんな食卓にも馴染むものです。

 

気軽に普段使いできる、それがとけしさん夫婦の作るうつわです。

 

 

そして
見た目の美しさだけではなくて、持ちやすさ、口当たりの良さなどそれぞれの用途に応じた質感など
常に「使いやすさ」を考えた心遣いが感じられます。

 

 

 

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約2年間、毎日のように使った白漆のうつわです。

 

少し艶が出て来ています。

 

これは、盛って、食べて、洗って拭く、と日常使いする事で、出て来た自然な艶です。
使って洗うことで程よく保水され、拭くことで磨かれて、深い艶に変わっていくわけです。

 

 

まるで、使う自分が、職人さんが行う器作りの仕上げを手伝っているよう。
共に過ごした漆のうつわが、自分の手によって変化していくというのは、くらしを大事にしている感じがします。

 

 

使う毎に、手をかけるたびに、味が出てくるのは、漆のうつわだけではありません。
皮革製品にも通じるところがあると思います。

 

 

ARTS&SCIENCE の Original leather tote(素材cow leather)は、丁寧に鞣されてクタクタに柔らかいのです。

 

シンプルなデザインで性別関係なく、格好よく決まる優れものです。

 

 

 

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ARTS&SCIENCEの皮革製品はとても手が込んでいて、このバッグもほとんどタンニンでなめされています。

 

 

世の中の多くの皮革製品は化学薬品を使用したクロームなめしですが、
ARTS&SCIENCEの皮革製品は、植物由来のタンニンなめしを行っているものが多いです。

 

鞣し方の違いでそれぞれ良さはあるのですが、タンニンなめしの革だと、より経年変化が楽しめます。

 

 

オーナーのあゆみさんが最近バンバン使っている別デザインで同色のバッグです。

 

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たくさんの愛情と少しの保湿を与えています。

 

 

独特の味が出て来て、持つ人の色に染まるのですね。

 

 

 

食器にしても、極論を言えばプラスチックの器でいいじゃないか、となってくる事もあるかもしれません。

 

けれど、プラスチックの食器は初めは最高のクオリティーでも、時間とともに劣化していくだけです。

 

 

漆のうつわこそ、完成した後使う事で深みが増し、経年変化が楽しめるのです。

 

 

うつわを楽しむということは、食を楽しむということ

 

食を楽しむということは、くらしを楽しむということ

 

にやり。

 

 

 

 

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2014年の企画展スケジュール
http://shoka-wind.com/about/schedule/

 

 

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安藤雅信 「お茶周りのうつわ展」

 

日常の中に空白をもたらすお茶の時間。抹茶・高山茶・お煎茶・ほうじ茶・ハーブティー。
香り高い珈琲も、それまた愉し。雑事の合間に時間を作り、お気に入りのうつわへ茶を注ぐ。
ほっ、と一息。
雑念雑事から解放されるそのひとときは、暮らしの中の憩いの時間。
コーヒーカップ・茶器・お茶菓子用のお皿にエトセトラ。
お茶の時間を大事にすれば、それすなわち日々好日也にけり。

 

期間:2014年 2月 7日(金)~ 16日(金)
場所:Shoka:
住所:沖縄市比屋根6-13-6
電話:098-932-0791
問合せ:info@shoka-wind.com

 

 

 

 

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暮らしを楽しむものとこと

 

   Shoka:
http://shoka-wind.com

 

 

火曜定休(企画展開催中は除く)
沖縄市比屋根6-13-6