4月、沖縄は一気に気温が上昇する。
日によっては25度をゆうに超えて初夏のような陽気となる。
木々の緑はますます濃くなり、南国特有の湿った風が吹きはじめるのもこの時期だ。
そんな4月、miyagiya-bluespotは慌ただしい日が続いています。
今月下旬、大阪で1週間イベントがあるのです。
それに合わせてお願いをしていた各工房の作家さんから器や布ものが届きはじめました。
今回は届いたばかりの器を少し紹介したいと思います。
室生窯や工房十鶴(じっかく)はお店がオープンする前、まだオンラインショップだけの頃からのお付き合いです。
どちらの工房も人気は年々高まる一方です。
その魅力はやはり器の絵付けにあります。
市松(室生窯)や珈琲豆(工房十鶴)など、伝統的な絵付けを越えた楽しさが見る人の心を離しません。
工房十鶴の今年の新作はソテツ!
大らかさと遊び心が、沖縄の器と知らなくても使っていて楽しい気持ちにさせてくれる。
それは作り手の人柄にも通じるところがあって、毎回お会いする度に幸せな気持ちになります。
田原幸浩さん琴子さんのDoucattyさんからは、大判のリネンクロスが届きました。
縁があって、昨年から継続している手描きのシリーズです。
毎回モチーフや色合いが異なる、絵画のようなクロスは見ているだけ癒されます。
長さが2m以上もある布なので、タペストリーとして壁にかけたり、カーテンやベッドカバー、贅沢にテーブルクロスとして使うことができます。
お二人の作る手ぬぐいのモチーフにもなっているサンゴのクロスは、よく見るとハンドステッチが施されている。
夏を連想させる色使いに、心地良い夏の風を感じました。
もう一枚はレインボー柄です。
虹というと半円状を連想しますが、Doucattyのレインボーは幾つもの色が重なりあうストライプで描かれている。
大地の地層のような力強い印象もあります。
豊かな海と、豊かな大地にかかる虹なのかもしれません。
琉球ガラス本来のリサイクルガラス、吹きガラス製法にこだわる奥原硝子製造所には今回のイベントのために、特大サイズのピッチャーを復刻して もらいました。
時代の流れや、設備の問題で生産が一時出来なかったタイプです。
琉球ガラス本来の厚みとその存在感は、目をみはるものがあります。
ガラスのゆらぎや所々に入る気泡が一つとして同じものがない。
ガラスにも関わらず、あたたかみを感じるのはそんな所以かもしれません。
昨年独立したばかりにも関わらず、安定した器作りが得意の当山友紀さんには羽ばたく鳥の大皿を、人気の高い芝原雪子さんにはピッチャーをお願 いしました。
お二人の、沖縄の製法や材料にこだわりながらも、伝統に縛られない自由な作風がとても好きなのです。
当山さんは貴重は登り窯を使うことのできるお一人だし、芝原さんはサトウキビから釉薬(ゆうやく)を調合したりと、陶器の話をしたら止まりま せん。
もちろん、聞く側の僕も知りたいことがたくさんあり、納品の時はいつも長話になってしまいます。
現代的な器作りといえば、長浜太志さんです。
長浜さんも独自の研究に熱心で、他の作家さんとは一線を画す器作りをされています。
沖縄の器と言わなければ分からないほど、独特の存在感がある長浜さんの器。
ブルーの掛け流しのカーチベーシリーズが有名ですが、個人的にはセピア色の写真のような雰囲気を持つヴィンテージシリーズもおすすめです。
シンプルで研ぎ澄まされたフォルムは緊張感があり完成されていながら、料理を盛り付けると食材を引き立てる奥ゆかしさがあります。
さて、この期間限定の「MASH-UP store」はmiyagiya-bluespotが沖縄を飛び出て開くポップアップショップです。
昨年は東京と大阪で1回ずつ開催しました。
数日から1週間程度の期間ですが、ただ商品を持ち出すのではなく、お店の雰囲気や沖縄の、のんびりした空気感も一緒に持っていきたいと考えて いま す。
同時に期間限定イベントならではの、魅力ある商品構成やディスプレイにも心がけます。
那覇のお店では展開していないbluespotの服や、小物雑貨を手にすることが出来るのも楽しみのひとつです。
さらには、以前沖縄に来店されたお客様との再会も楽しみなのです。
続々と届く器に心を弾ませながら、大切に梱包して大阪へ発送します。
何箱もある段ボールに囲まれながら、ついつい新作を眺めたり、ディスプレイを考えていると時間だけが過ぎることもしばしば。
今日も朝から梱包作業をしているのに、あっという間に時間だけが過ぎてしまいました。
*
気に入りのカフェ「たそかれ珈琲」さんでひと休憩。
濃い珈琲を淹れてもらったら、頭もすっきり、気分もリフレッシュできました。
さて、大阪に向けて作業再開です。
miyagiya-bluespot MASH-UP store in 阪急うめだ本店
DATE:2014年4月23日(水)-4月29日(火・祝)
PLACE:阪急うめだ本店 10階「うめだスーク」中央街区
駆け足で紹介しましたが、これらはほんの一部でまだまだ魅力溢れる器や服、小物雑貨が揃います。
そして、写真や文章よりも実物に触れて見ていただきたいのも正直なところです。
関西近郊にいらっしゃる方はぜひお立ち寄りください。
お待ちしています。
text&photo 宮城博史
coffee たそかれ珈琲(http://d.hatena.ne.jp/kudakayuzo/)
cup 小泊良
miyagiya-bluespot
facebook: https://www.facebook.com/miyagiya
web site: http://magasin-miyagiya.com/
address 〒900-0014 沖縄県那覇市 松尾2-12-22
tel/fax 098-869-1426
opening hours 11:00-20:00
closed on Wednesday
(4/22~26は臨時休業)