『悪人』 最優秀女優賞受賞で話題沸騰、本当の悪人は誰?


 
<<注意!!ネタばれあり!!(鑑賞予定の人はスルー推奨☆)>>
 
 
深っちゃんが賞をとり、話題沸騰中の作品。
張り切って初日の初回に行ってきました。


観終わったときの感想は「まあまあ」かな。と思った。


でも、あとから結構じわじわくる作品だと思う。


主演のふたりも良かったけど、脇が素晴らしい。


始まり方も、事件も、なんとも簡潔で無駄がないのは良かった。
出会い系、っていうとあれだけど、
特に祐一に至っては、そうでもしないと出逢いがないのかな、と思う。


樹木希林 と柄本明 は、さすが貫禄の演技。
安心感があります。


「誰が本当の悪人なのか」


というのが、この映画での問いかけですが、
もうまぎれもなく、岡田将生 と満島ひかりでしょう(笑)
満島ひかりは、本当にうまい。
殺されちゃうのは気の毒なんだけど、もうかなりイライラする女子を好演。
岡田将生は、いろんな役に挑戦してすごいね。
こいつが一番悪いと思う。


三瀬峠でおきざりとかありえない。


もちろん、殺人を犯した祐一は一番悪い。
それは間違いないんだけどね。


誰もが犯罪者になりえるし、悪人にもなる。


悪人ってなんだろうね、とまんまと考えさせられます。


悪いことをする人が悪人なのか、
もともと悪い人なのか、
いい人なんだけど悪いことをしてしまった人なのか。


私の知っている人たちに、もっとたちの悪い人たちはいっぱいいるけどね(笑)
 

深っちゃんはいつも通りの手堅い演技です。
普段から彼女の演技をみている日本人の私にとっては、今回特別なこととも思えなかった。
ただ、彼女はフランス女優のような雰囲気をもっているな、と前々から思っていたので、受賞もわかる。


あと、いつもより露出も多かった!


官能的なシーンが多いと聞いていたが、
こちらは、そこまででもなかったよ。


ブッキーはトレードマークの笑顔を封印。
頑張ってました。


この、祐一と光代なんだけど、
こんなに出会ってすぐ、愛し合うようになるっていうところが私には全く理解不可能なんだけど、
祐一にしてみれば極限の状態なんだからそれも、ありかな。
光代はどうなのかな?


柄本明 の台詞で、「大切なひとはいるか?」ってあるんだけど、
いまの人たちには大切なひとがいなさすぎる、って。


私も親とか妹家族とか友人とか大切だけど、
そう言われてみると、自分のパートナーも子供もいないし、
やっぱ完全なブレない軸はないな、と。
そういう守るべきものってやっぱり大事なんだろうなあ、と思い、
ちょっと悲しい気もしました。

 
私としては、知っている場所がいっぱい出てきて別の楽しみがありました。
「鉄なべ」とか、「三瀬峠」とか、「呼子」とか。イカ食べたくなった。 「けやき通り」とか。
九州の人は、ちょっと嬉しいかも。
 

KEE

 
<ストーリー>
土木作業員の清水祐一(妻夫木聡)は、長崎の外れのさびれた漁村で生まれ育ち、 恋人も友人もなく、祖父母の面倒を見ながら暮らしていた。 車だけが趣味で、何が楽しくて生きているのかわからない青年。 佐賀の紳士服量販店に勤める馬込光代(深津絵里)は、 妹と2人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日を送っていた。 孤独な魂を抱えた2人は偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。 しかし、祐一はたったひとつ光代に話していない秘密があった。 彼は連日ニュースを賑わせていた殺人事件の犯人だった——
 
絶望のどん底に突き落とされた人間たちが、善悪の葛藤の中でもがき、 そしてその先にひとつの謎が生まれる。 いったい誰が本当の“悪人”なのか? その答えが明かされたとき、 物語は、衝撃と感動のクライマックスを迎える—-。
 
<キャスト>
清水祐一 – 妻夫木聡
馬込光代 – 深津絵里
増尾圭吾 – 岡田将生
石橋佳乃 – 満島ひかり
矢島憲夫 – 光石研
清水依子 – 余貴美子
清水房枝 – 樹木希林
石橋佳男 – 柄本明