ぐるりのこと。心が壊れた妻から逃げないリリー・フランキーが素敵でたまらない。皆こうやって夫婦になっていくのか。


 

***軽いネタバレあり****

 
観にいってよかった。
これは説明できないけど、ものすごくいい映画です。
淡々と話は進んでいくので、観る人によって感じ方はいろいろだと思います。
 
 
 
翔子の心が段々壊れていく。
この女性は何事も物事を曖昧にせず、
きちんと決めて、決めたことは守りたいひと。
やはりこういう人は、決めたことが出来ないと自分を責める傾向にあるので、鬱になりやすい。
 

 
この間、夫のカナオが何をしていた、という描写がない。
もちろん法廷画家として働いていて、
法廷のシーンなどもその仕事のシーンはあるのだが、
翔子への対策は特に描写されていない。
 

 
傍観者なのか?といえばそんなことはないらしい。
逃げ出したいのだろうか?という言動はたまにみられる。
 
カナオは逃げない。
しっかり受け止める。
もう、リリー・フランキーが素敵に見えてしょうがない(笑)
 

 
カナオは、感情を吐き出すことがない。それが翔子を不安にさせる。
欝なので悪いほうにしか考えないんだよね。
 
二人が正面から向かいあった日、
「ちゃんとしたかったのに、出来なかった」
と泣く翔子に
「ちゃんと出来なくてもいい。お前のそばにいたい」
というカナオ。
画面の木村多江より泣いたよ、私は。
 

 
カナオのスゴイところは、何があっても翔子を責めない。
だから翔子は回復したんだと思う。
一旦良くなりかけても、少しでも責められると、また振り出しに戻る。
もしくは振り出しより悪いところに一瞬で戻る病気である。
家族は本当に大変です。
それでも、逃げられない。
家族だから。
 

 
夫婦って、私は独身なのでよくわからないけど、
所詮は他人なので、そのあたりどうなんだろ?
肉親って、逃げることができないけど、夫婦は逃げるのも出来る気がする。
カナオは逃げないんだよ。
すごい。
 
法廷のシーンも多く、加瀬亮が凄かった(笑)
 

 
報道の現場ってあんななのかな?今も。
今はもっとデジタルな感じなのかしら?
柄本明も良かったです。
 
あと、出演者で気になったのは、兄嫁役の安藤玉恵。
かなりスゴイです。
とっても印象的。あんな人、いそう。
 
後半の木村多江がとても美しい。
キラキラしてます。
リリー・フランキーとのコンビネーションも良かった。
夫婦ってこんな風に夫婦になっていくんだなあ、と思うと、
やっぱり早くパートナーに出逢いたいと熱望。

 

KEE


 
 
 
<ストーリー>
1993年、何事にもきちょうめんな妻の翔子(木村多江)と法廷画家の夫カナオ(リリー・フランキー)は、子どもを授かった幸せをかみしめていた。どこにでもいるような幸せな夫婦だったが、あるとき子どもを亡くしてしまい、その悲しみから翔子は心を病んでしまう。そんな翔子をカナオは温かく支え続け、2人の生活は少しずつ平穏を取り戻してゆく。<キャスト>
 
<キャスト>
木村多江/佐藤翔子 役
リリー・フランキー/佐藤カナオ 役
倍賞美津子/吉田波子 役
寺島進/吉田勝利 役
安藤玉恵/吉田雅子 役
寺田農/吉住栄一 役
八嶋智人/諸井康文 役
木村祐一/夏目(カナオの先輩) 役
斎藤洋介/橋本浩二 役
温水洋一/和久井寛人 役
峯村リエ/生方圭子 役
山中崇/小久保健二 役
光石研/幼女誘拐殺人事件の弁護士 役
田辺誠一/売春事件の裁判長 役
横山めぐみ/資産家の母親 役
加瀬亮/田中ツヨシ 役
片岡礼子/小山悦子 役
新井浩文/大間真治 役
柄本明/安田邦正 役