待ってましたよ。
先行上映が4日間も続くって、もう先行上映じゃなくないか?という疑問もあるが、先行上映初日に行ってきました。
先行上映のみ、カンヌでの特別映像がある、というので、お得な感じ。
スタンディングオベーションとか臨場感のある映像でみれます。
“ Like Father Like son(=「父と息子は似たもの」「この父にしてこの子有り」) ” という使い古された言葉が、この映画のイングリッシュタイトルになってます。
こりゃなかなか考えたな、というタイトルですね。
カンヌで賞をとってから予告も散々観ているので、お話も大体想像つくものでしたが、まあ映像も音楽も、もちろんこの設定も何もかも、カンヌ好み。
カンヌで賞を獲るために狙って作ったのでは?と思えるほど。
是枝監督の作品はもともとヨーロッパの香りがぷんぷんするんだよね。
今回、家族がテーマで、音楽も素晴らしく、なんだこの、バッハの効果的な使い方は?
映像とピタッと合うのよね。
ここも是枝マジックで、私が是枝作品を好きな大きな理由なような気もする。
この選曲は本当に脱帽。
是枝マジックその2は、やはりキャスティング。
エリートでハンサムな野々宮良多役を福山雅治が嫌な感じに好演。
悪い人ではないのに、人付き合いが苦手というか、それを本人がわかってない一番面倒くさいタイプ。
子供にもどこか距離をもっていて冷たさも感じる。
この辺リアルだよね。
人物設定が結構リアル。
対するリリー・フランキーと真木よう子夫婦もいい。
病院から慰謝料をできるだけ取ろうとするところも、本当にリアル。
子役がまた、対照的なのね。
観客はおそらく、かわいいルックスで大きな瞳が印象的な慶多を本当にかわいいと思っちゃうんだよね。
そこがまたうまい。
主演はあくまで福山雅治なので、「こっち」と「あっちの家族」というようになる。
観客の視点もそうなるんだよね。
見た目的に「かわいらし~い」っていうタイプではない、ワンパクな感じの琉晴。良多とは血がつながっているとはいえ、前半彼はほとんど映らない。
ここも効果的で、後半、実際交換してからの、この子の個性と本当にのびのびした感じが俄然魅力的になってくる。
どちらの子供も観客を引き付ける魅力を持ってないとこの映画は成功しないもんね。
しかし、私は子供がいないから、子供がいる人が観るとまた全然違う映画なんだろうね。
6歳まで自分の子供として育てたのであれば、もう、そのままでいいじゃん、と思っちゃうよね。
「血」を気にするのは実際男性のほうなんだろうな、と思う。
スピルバーグが絶賛し、ニコール・キッドマンが、後半一時間号泣したというこの作品は、たしかに素晴らしい。
とくに後半の、福山雅治の泣きのシーンは、心が震えた。
気になる点は、取り違えの原因。
「え、そんなこと?」。ちょっと動機も弱い気がする。
そこはあんまり重要じゃないのかな。
人間って子供を持つことで成長するのね。
子供のいない私は、もう成長しないのか、とちょっと悲しい気分にもなってしまったわ。
是枝ワールドをご堪能ください。
KEE
<ストーリー>
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。
<キャスト>
福山雅治
尾野真千子
真木よう子
リリー・フランキー
風吹ジュン
國村隼
樹木希林
夏八木勲
他
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1
HP:http://www.startheaters.jp/southernplex