これ一つで一気に「こなれた中国語感」が出る単語、“ 很 hěn ”


 
中国語の語彙が増えると、
 
可愛い
面白い
綺麗だ
 
など、簡単な一言を使いたくなりますが、
その時につい、それぞれの単語を単独で発音してしまいがち。
でもそれは、実は間違いです。
・・・厳密にいうと間違い、とは言い切れないのですが、
(例外もあるので。)
原則として、形容詞が単独で用いられることはありません。
 
その理由の一つとして、中国語は単語そのものの母音が少ないので、
単独で発音すると聞きとれない可能性が出てくるのです。
 
例えば日本語で「大きい」は
o-o-ki-i
と、4つの母音が含まれますが、
中国語の “ ” だと
da
という母音1つ。
 
「難しい」は mu-zu-ka-shi-i で5つだけど、
中国語の “ ” は nan で1つ。
 
だから、形容詞が単独で文中に使われてしまうと
話す側としては「これだけで聞き取ってもらえるかな?」と少し心もとないし、
聞く側としても聞き取りにくい状況に陥りがちなのです。
 
文の内容として
「『とても』可愛い」
「『少し』寒い」
など、「とても」や「少し」といった副詞の意味が含まれていれば、
それぞれ
 
「とても」:
非常 fēi cháng
太 tài
特別 tèbié

 
「少し」:
有点儿 yǒu diǎnr
 
などの副詞を形容詞の前に付け加えるので、
形容詞が孤立することもありません。
 
問題は、特に副詞が必要でない時、例えば
「この魚は美味しい」
とか
「あの子は可愛い」
という場合に登場する副詞があります。
それが、
很 hěn
という単語。
 
意味は「とても」と訳される場合もありますが、
「とても」の意味はありません。
もし、
很好吃 hěn hǎo chī
と言うと、それは「とても美味しい」という強調表現ではなく、
「(普通に)美味しい」という程度の意味に留まります。
 

很好吃 hěn hǎo chī

  
つまり、
形容詞を修飾するどんな副詞も必要でない場合に、
“ 很 hěn ”を組み合わせる
のです。
 
形容詞が単独で用いられる場合もありますが、稀です。
 

 
海外旅行するときに、
 
・おいしい(&おいしそう&おいしかった)
・とても(いろんな形容詞・形容動詞に足せるので便利)
・疲れた
 
という3語を現地の言葉で覚えてから行くと
旅行がぐんと楽しくなる、ということと、
 
好吃 hǎo chī
(美味しい)
 
の発音について、先週勉強しましたが、では
 
「とても美味しい」
 
はどう言ったらいいのでしょう?
 
“ 很 hěn ” に「とても」の意味はありませんので、 
先述の
非常 fēi cháng/太 tài/特別 tèbié
などと組み合わせるのです。
 

非常好吃 fēi cháng hǎo chī
 
「可愛い」、「きれい」、「面白い」
といった簡単な形容詞表現を使う際、
それ単独で
“ 可爱 ” , “ 漂亮 ” , “ 有意思 ”
などと言わず、
“ 很 hěn ” をつけるのをお忘れなく。
 
これがないと、急に中国語のたどたどしさが出てしまいますが、
逆にこの一語を付け加えるだけで一気に「こなれ感」が出る、
なかなかお得な単語なのです。
 
 
来週も、すぐに使える一言を
発音のコツを織り交ぜてご紹介するのでお楽しみに☆
 
那,今天到此为止了。
(今日はここまで。)
下周见!!
(また来週!!)
 
 
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