再见は「サイチェン」?カタカナ書きの落とし穴。


 
中国語学習者の鉄板ネタで、
「 “ qing wen (チンウェン)” 違い」
というのがあります。
 
中国で道を尋ねようと、アメリカ人の男性が中国人のおばちゃんに、

“ 请问 ”(おたずねしますが。)

と声をかけたところ、
おばちゃんは急に頬をあからめて、
“OK~~”
と言いながら唇を近づけて来た。
 
男性はびっくりしてそれをよけながら
もういちど
“ 请问 ”
というと、結局キスされてしまった。

彼は

“ 请问 ” qǐng wèn

と言ったつもりだったが、声調を誤り、

“ 请吻 ” qǐng wěn(=ちゅーして☆

と発音していたのだ。

・・・・という笑い話。

この話からもわかるように、
声調というのは非常〜〜〜に重要。

日本人が誰でも知ってる中国語フレーズの最たるものはきっと
“ 你好 ”
ですよね。
你好=こんにちわ
とくれば、「さようなら」もペアで覚えたいところですが、
中国語の「さようなら」、ご存知の人も多いのでは?
そう、 
再见 
ですね。

 
では、どう発音していますか?
ほとんどの方が

 
「ツァイチェン」
または
「サイチェン」

 
だと思っているのでは?

 
実際に発音してみてください。
「ツァイ」を高く、「チェン」を低く発音したのでは?



日本語の「ツァイチェン」の発音を、
中国語の四声に置き換えて図に描くとこう↑なります。
 
しかし、正しい発音はこちら↓

 
 
 
ピンイン “ zài jiàn ” を無理矢理カタカナ表記すると
「ザイ・ジエン」
(中国語の “ za ”と “ ji ” は無気音なので、日本語の「ザ」と「ジ」よりも優しく、空気を出さないように発音する。)
であって、
「ツァイ(サイ)」でも「チェン」でもありません。
 
また、「ジエン」の部分は谢谢の「シエシエ」同様、
小さな「エ」でなく大きな「エ」としてしっかり発音するのが最大のポイントです。
 
中国語の声域は日本語よりも幅が広いので、
高い部分は自分が思っているよりも高く、
低い部分はより低く発音する。
つまり、上から下に滑り台をおりるように発音する「第四声」は、
高〜〜い滑り台を勢いよくさーーーっとすべり降りるように発音すると、
中国人ぽく発音できます。

中学、高校で英語を勉強したとき、
アクセントの位置を覚えるのに苦労した記憶はありませんか?

Cánada
なのかそれとも
Canáda
なのか。
(※正解は前者。)

 
その時、
「日本語にはアクセントがないからラクなんだよな〜」
と思った人もいるのでは?
 
でも、日本語にもちゃんとアクセント(高低の位置が変わる「ピッチアクセント」)があるのです。

例えば・・・



「日本(にほん)」では「ほ」が高く、「に」と「ほ」は低い。
しかし、
「二本(にほん)」では、「に」だけが高く、「ほ」と「ん」は低い。

実際発音してみるとわかりますよね。

つまり、日本語にも中国語にも「アクセント」がある。
だから、
カタカナ書きにして日本語読みしてしまうと日本語アクセントになるため、
中国語の正しい声調とは異なり、相手に通じない。

という、悲しい状況に陥ってしまいます。

良い例があります。
外国語が大好きでいろんな国の言葉、フレーズをよく知っている知り合いがいます。
中国語も好きで、よく私に
「こういうときは◯◯っていうんだよね?」
「これって◯◯でしょ?」
と、中国語の話題をふってくれるのですが、
今まで一度もその単語を聞き取れたことがありません。
 
理由は、カタカナでの日本語発音だから。

 
なので「どういう意味ですか?」と日本語で意味を尋ねて、
言いたいことを理解してから再度きいてみると、
あ〜〜!「◯◯」と発音したかったのね!
と、やっと合点がいくのです。
 
中国語テキストには、
読みをピンインだけでなくカタカナでも表記したものが多いのですが、
私はお勧めできません。
カタカナでは正しく発音を表記できないという理由もありますが、
「日本語アクセントに引っ張られてしまうから。」
というのが一番の理由。

「ニーハオ」と書けば、
どうしても「二」を「ハオ」よりも高く発音したくなります。
(ですよね?)
まさか、「二」を低い音から始めるひとはいないでしょう。
(正しい発音はまた次回☆)

ツァイチェン、シェイシェイ、ニーハオも同じです。
カタカナで覚えると
ピンインの発音自体が違うだけでなく、
声調も間違ってしまい、
2大ポイントである
「ピンイン」「声調」
のどちらも間違うという、だめだめ発音になります。
こうなるともう、中国人には全く通じません。
 
あいさつ程度なら通じるだろうと思われるかもしれませんが、
“ 再见 ” に関しては読みも声調も違うので
「???」
と、通じない可能性も大。
もちろん、別れのシーンで手でも振りながら言えば通じるかもしれません。
 
この「どうにか通じる」のはあいさつという
「そのシーンにあった超基礎フレーズ」
なので、相手も推測して理解してくれるけれど、
これが「何かをたずねる」「自己紹介する」「質問に答える」という、
推測不可能な場面になるともう、完全に通じなくなります。
 
一つ声調が違うだけで、またはピンイン一つの発音をしっかりしないだけで
驚くほど簡単なフレーズですら通じなくなるのです。
 
超はずかしいのでここだけの話、
私はなぜか
“ 馒头(mán tou)”’(=蒸しパン)
という、超簡単な単語の声調がいつもあやふやになるという変なクセがあり、
店先で「蒸しパンをください」と言っても通じなかったことがあります。
蒸しパン一つ満足に買えないなんて、
声調って本当にあなどれません。
 

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ところで、
先週は “ 谢谢 ” の発音についてレッスンしましたが、
しっかりマスターできましたか?
 

 
主人がこっそりこの連載を見ていたようで、
いきなり完璧な発音で
“ 谢谢 ”
というので驚きました。
(・・・これまで何度教えても上手にできなかったのに。。
図にするときっとわかりやすいんですね。)
 
来週も、すぐに使える一言を
発音のコツを織り交ぜてご紹介するのでお楽しみに☆
 
那,今天到此为止了。
(今日はここまで。)
下周见!!
(また来週!!)
 
 
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