シャツ:MAKER’S SHIRT KAMAKURA(メーカーズシャツ鎌倉)
パンツ:Armani(アルマーニ)
ストール:Hermès(エルメス)
ブレスレット:友人からのプレゼント
サンダル:あしびなー
Day2
ワンピース:母親の服を直したもの
パーカー:UNIQLO(ユニクロ)
帽子:analogue(アナログ)
靴:パレットくもじ
Day3
ストール:analogue(アナログ)
デニム:UNIQLO(ユニクロ)
指輪:ジャスコ
ピアス:Chandelier Boutique(シャンデリアブティック)
Day4
ワンピース:古着
カーデ:南風原ジャスコ
指輪:南風原ジャスコ
Day5
シャツ:プラザハウス(夫のタキシード用)
タイ:渡久地ファスナー
パンツ:ジャスコ
ヘッドドレス:analogue(アナログ)
Day6
帽子:analogue(アナログ)
ピアス:ジャスコ
「母が衣装持ちでね。
当時は服といえばあつらえる時代だったから、良いものが多くて。
かばんや小物類も素敵で、
幼心に憧れて『いつかもらうぞ』って狙ってた(笑)」
コーデの中心となるものは、
母から譲り受けたアイテムが多い。
キーアイテムを決めたら、
その他の服や小物でバランスをとる。
「時代錯誤にならないように、
『こうしたら今っぽくなるかな』とか考えるのが楽しいの。
例えば、今年は靴下を合わせるコーデが流行ってるでしょう?
だから手持ちのシューズに靴下を合わせたり、
靴を今年風に新調したり」
「いつもどこで服を買ってるの?」
と、きかれることが多いと言う。
今は販売していない服が主役だから、
オリジナリティあふれるコーデになる。
「柄が可愛かったり良い素材だったり、
生地が好きな服だとなかなか捨てられない。
貰い物に限らず、服は長く着るタイプなんです、10年とか。
捨てられずにしまいこんでいた服を引っ張り出して、
今風にアレンジしたり、他のアイテムで自分らしさを出すのが面白いの」
驚くことに、同じコーデを二度着ることはほとんどないという。
「色々工夫することが好きだからかな?
例えば、これは主人がタキシードを着るとき用に買ったシャツ。
5〜6年前に買ってクローゼットに眠ってたから
こんなして着たらどうかな? って試しに着てみたら
『私の方が似合うやし』って(笑)
サイズが大きいから袖はまくって、
裾はこうやって簡単に縫っちゃえばいいの」
裁縫セットを取り出して、ささっと仮縫い。
「このシャツだけじゃなくて、なんでも。
自分がその日着たいようにぱぱっと縫っちゃうこと多いよ」
全然大したことじゃない、みんなやっているでしょう?
という風に彼女は言う。
私が驚かされたのは、彼女の発想力、行動力だけじゃなく、
服を着ることを楽しむ自由で積極的なその姿勢。
思えば若い頃は私も、
シャツスタイルに父のネクタイを合わせてみたり、
Tシャツとシャツの重ね着を楽しんだりしていた。
それがまわりから見ると突拍子のないコーデだったとしても、
楽しかったことは間違いない。
「DAY5のタイは、ヘッドアクセにしようと思って買ったもの。
でも、タイにしても可愛いでしょ」
「エルメスの赤いスカーフは、
『この柄は派手だからつけない』
って母が言ってたからもらっちゃった。
頭に巻く前に好きな形に縫ってしまうこともあるよ」
「ストールは頭に巻いたり服として着たり。
こんなのを考えるのが楽しいんだよね」
「南風原ジャスコにお気に入りのアクセサリーショップがあって。
すごく安くて可愛い! 言うことないよね。
娘と一緒になって選んでる」
雑誌を買うことはほとんどなく、
テレビ番組に夢中になることもない。
ファッションアイコンを定めて
「ああなりたい、こういう格好をしたい」
と目指すのではなく、
彼女が向き合うのは服そのもの。
この服をどうしたら自分流に、そして時代から大きく逸れずに着こなせるか。
潔く捨てることが推奨される風潮に反し、
捨てずに着回しを楽しみ、誰にも似てないその独自のスタイルは
この上なく素敵だ。
写真・文 中井 雅代