» PUZO cheese cake celler(プーゾ チーズケーキセラー)広く、深く、チーズケーキだけをひたすら極めるチーズケーキ専門店

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「チーズケーキを極めたいんです。チーズの旨みを最大限活かすのはもちろん、チーズひとつから、こんなにいろんな種類のケーキが作れるんだってことも魅せていきたいですね」

 

沖縄県内初のチーズケーキ専門店「PUZO Cheese cake celler」オーナー 野間謙策さんの夢だ。

 

ショーケースをのぞけば、色も形もさまざまなチーズケーキたちがズラリ。約30種類のレシピの中から常時15種類ほどが並ぶ。慣れ親しんだチーズケーキらしいチーズケーキもあれば、名前と外見からでは、味の想像がつかないようなものもある。あれは、これは、一体どんなチーズケーキなのだろう…? 胸が高鳴る。

 

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「プレミアムチーズケーキ」

 

PUZOの一番人気は「プレミアムチーズケーキ」だ。チーズの豊かな恵みをしっかり感じさせつつも、後味はすっきりと爽やか。チーズという食材は、それだけで存在感があるもの。重たければ胃にもたれるし、軽すぎてもつまらない。だからこの稀有なバランスに、心惹かれる。

 

「オーストラリア産の上質なチーズを使っています。世界各国のチーズを取り寄せて試作したのですが、これが僕たちの求めているチーズだったんですよ。クセが少なく、取っつきやすいながらも、すごくコクがあるんです。これを、ミキサーに頼らず、手作業で混ぜていきます。その方が空気が入ってなめらかになるので」

 

「チ―ズケーキはなんか重たい気がして…」というあの人へ、意識改革にと差し出すのも良いかも。

 

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「マンハッタンの恋」

 

さらにコアなチーズケーキ好きを虜にしているのが、ニューヨークチーズケーキの「マンハッタンの恋」だ。口に入れた瞬間、どっしりと濃厚なチーズに満たされていく。これほど力強く厚みのある味ならば、紅茶やコーヒーはもちろん、シャンパンやワインに合わせても、きっと負けない。

 

「デンマーク産の、こってりしたチーズを使っています。酸味があって、インパクトのあるチーズですね。以前は、万人ウケを重視してオーストラリア産のチーズだけを使っていたのですが、チーズケーキ党のために、もっと濃厚で、チーズくさいぐらいのチーズも加えたくなって。これも、また各国から取り寄せた中から選びました。『マンハッタンの恋』というのは、マンハッタンで恋人たちが食べさせ合ってるようなイメージです」

 

フォークを入れるも、なかなか上手く切り分けられない。そうそう、今までの経験則から、濃密で旨みが凝縮されたチーズケーキほど、フォークにくっつきがちで綺麗に食べられないことを知っている。これを恋人同士で食べさせ合う・・・官能的ですらある。

 

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「紅茶のチーズケーキ」紅茶の香ばしさが良いアクセントになっている。

 

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「SWEET紅ぽてと」沖縄名物 紅芋のほっくりした甘みを堪能

 

「極み!レアチーズ」

 

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「チーズモンブラン」

 

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「クッキー&クリーム」

 

 

チーズケーキの専門店である。もちろん、全てのケーキにチーズが使われているのだが、ひとつひとつの際立つ個性に驚く。こうなると、チーズケーキの可能性は、もはや無限のように思えてくる。この、+チーズのアイデアは、どこから湧いてくるのだろう?

 

マネージャーの難波広之さんが打ち明けるように教えてくれた。

 

「ひらめき方はスタッフによって違うと思いますが、僕はカフェめぐりが大好きなんです。そこでスイーツを食べた時に、これにチーズの要素を入れて組み立て直せないかと考えるんですよ。たとえば、美味しいプリンに出会った時にひらめいたのが、チーズプリンの『三つ星プリン』ですね」

 

スタッフが試作を持ち寄り、商品化を検討する会議は、想いと想いのぶつけ合い。PUZOが最も熱くなる時だという。そして、いったんGOサインが出れば、あとは試行錯誤の日々となる。

 

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『小禄ロール』毎日12時と16時に店頭に並ぶ

 

「小禄ロール」を提案した野間さんもいう。

 

「『小禄ロール』は僕のアイデアです。どこでも人気のロールケーキを、PUZO流にチーズで解釈してみたかったんです。しっとりやフワフワなど、世間にはいろんなロールケーキがありますよね。僕たちはフワフワのロールケーキを作りたくって」

 

しかし、この小禄ロール。商品開発の過程でこだわり過ぎ、お店のオープンと同時に店頭に並ぶはずが、間に合わなかった。

 

「生クリームの量と生地のフワフワ感が、どうしても譲れなくって。僕たちは生クリームも、チーズに負けない存在感がある動物性脂肪のものを使っているので、量を入れ過ぎるとしつこくなってしまうんですよ。ほど良い配分を見つけ出すのに試作を繰り返しました。フワフワの生地も何度もやり直しましたね。材料をボールに入れて、混ぜて、混ぜて、ここだ!と止めるタイミングを、感覚でつかむために。混ぜる回数って本当に繊細で、1、2回で変わってしまい、焼き上がりに影響するんです。結局、納得いくものができたのはお店のオープンから3ヶ月を過ぎた頃でした。でもお蔭で、1日2回、焼き立てをお出しするのですが、ほぼ毎日完売です」

 

小禄ロールは、食べ方にもコツがある。冷蔵庫から取り出したら、そのまま10分待つ。この間に生地がふわりと良い感じに落ち着き、もっとも美味しい食べ頃となる。辛抱強く、待ちたい。

 

 

チーズケーキの専門店という、磁力が高い場所のせいか、スタッフは、チーズケーキが大好きで、志の高い人ばかりが集まっている。飲食店の求人には人が集まらないと言われるようになって久しい。だが、PUZOにそれは当てはまらない。

 

「募集をすると、電話が鳴りやまないこともあるんです。みんなチーズケーキに並々ならぬ情熱を持っていて、僕が気圧されるぐらい(笑) 面接なのに『どんな作り方してるんですか?』『材料は何使ってますか?』とか、こっちが逆に質問攻めされることもあるんです」

 

 

そんなチーズケーキ大好き集団を束ねる野間さんも、チーズケーキに対しては人一倍、思い入れがある。

 

「カフェで頼むのは、必ずチーズケーキと決めています。母がお菓子づくりの好きな人で、小さい頃にスフレのチーズケーキをよく作ってくれたんです。それが美味しくって……。僕にとってチーズケーキは、昔からずっと身近にあるものですね」

 

野間さんは飲食業界で長年働くうちに、自分が一番好きなもの、チーズケーキを提供する店をやりたいと考えるようになる。そして、満を持して、2012年6月に泊店がオープン。続いて、2013年8月に小禄ラボ店もオープンした。

 

「実は、最初はまだ迷いがあって、一度パスタサンドとチーズケーキの店を出したんです。でもチーズケーキだけが飛ぶように売れちゃって……もう潔くチーズケーキだけを、とことんやろう!と決めました。カフェ併設も少し考えましたが、その分の力もチーズケーキづくりに注ごうと、テイクアウトのみの店にしたんですよ」

 

チーズケーキづくりに全てを賭けると決めたら、ブレなくなった。今は、ひたすらチーズケーキを極める日々を送る。

 

「チーズケーキって、自宅で作る人も多いですよね。それを代わりに僕たちが焼きますよというような親しみやすい定番のものから、ちょっとコレは家ではできないという面白いものまで幅広く提案していきたいですね」

 

そして、チーズケーキに構えず、もっと気軽に日常に取り入れてほしいという。幼い頃の野間さんが、母の作るスフレに対してそうであったように。

 

「チーズケーキはデコレーションケーキみたいな見た目の華やかさはありません。でもだからこそ、特別な日のものでなく、ちょっとしたごほうび感覚で味わってほしいんです。もちろん、根っからのチーズケーキ好きで、『イベントの時だってチーズケーキがいい!』という方向けに、ハロウィンのチーズケーキやクリスマスのチーズケーキなんかも期間限定で出していますよ」

 

 

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優しい味わいの「チーズスフレ」
小さい頃の野間さんを虜にした味を再現

 

また、野間さんは、あくまで“街の”チーズケーキ屋でありたいという。出店する際は立地にもこだわった。

 

「街の駄菓子屋さんみたいな存在になりたいんです。なので、お店を出す時は子どもたちがいそうなところ、学校の近くを探しました。おしゃれで、開発の真っ最中という地域も一応は見たんですが、やはりピンとこなくて。小禄店は、目の前がソロバン塾のバス停で、夕方は子どもたちでにぎやかになるんですよ。スタッフと子どもたちがワイワイ話しているのを見ると、ここを選んで良かったなって」

 

想像すると心温まる光景だ。それは、野間さんのもう1つの夢のはじまりでもある。

 

「僕は、鹿児島は肝付町というところで生まれ育ちました。最近、ロケットが題材の『宇宙兄弟』という漫画の舞台にもなったんですが、ロケットを飛ばせるぐらい何もない、すっごい田舎なんですよ。信号も10機もなかったかな。でも、みんなが顔見知りというのが心地良いし、温かいんです。誰に会っても絶対に挨拶するし、何をしていても、どこの誰なのか、絶対に知られてるんですよ。今もあまり変わっていませんね。そんな中で育ったので、上京した時は他人との距離感に驚きました。ここ那覇だって、僕からすれば都会です。でも、ここにも僕が育ってきたような、いつもそこにある、ずっとそこにある場所があれば良いなって思うんです。小さい頃からあったお店が、大人になっても残ってると、なんかホッとできるじゃないですか」

 

いつものお店は、安心感につながる。さらに、そこがいつも美味しいチーズケーキを提案し続けてくれるのなら、刺激的でもある。安心と刺激が両立する空間。愛されるに決まっている。

 

チーズケーキ専門店とは、ドレスコードのあるパーティに似ているかもしれない。「青色を効かせた格好で」とか「どこかに花を取り入れて」と言われたら、その中でめいっぱい趣向を凝らし、楽しむ。限られた中だからこそ、光るセンスや解釈がある。そして洗練されたひとならば、コードさえも自由に操って、オリジナルの印象を強く残す。PUZOにとってチーズは“しばり”ではなく、能動的な“手段”。見るも楽しい、味わうも嬉しいケーキをいくつも魅せていくためのものなのだ。

 

次は、チーズと何が出会うのだろう? どこの国のチーズが呼び寄せられるのだろう? もう、目が離せない。

 

 

写真・文 石黒 万祐子

 

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PUZO cheese cake celler(プーゾ チーズケーキセラー)
★小禄ラボ店
那覇市宇栄原1-15-1 1F
098-857-4680
10:00~20:30
年中無休
FB https://www.facebook.com/pages/プーゾチーズケーキセラー小禄ラボ店/157628107762927

 

 

★泊店
那覇市泊1-20-14 1F
098-911-1430
11:00~19:00
年中無休
FB https://www.facebook.com/Puzochizukekisera