Roguii非日常空間と異国の料理で旅する気持ちを味わうカフェ

 

大皿に贅沢に盛りつけられた「ベジプレート」。

 

チキンの照り焼きのような一品は「ムサカ」。ギリシャやトルコなどで作られる伝統的な料理で、
野菜の重ね焼きにチーズをのせたもの。さまざまな野菜の旨味がぎゅっと凝縮され、チーズの風味でうまくまとめられている。

 

蟹の爪のように見えるフライの中身はなんと、にんじん。
適度に歯応えの残るにんじんが、揚げ物にするとこんなにおいしいとは。

 

玉ねぎの効いたドレッシングがよく合うたっぷりとしたサラダ、
ひよこ豆のカレー、
黒ごま、しょうゆ、ごま油などで和えたいんげんまめ。
 
どの料理にもぴたりと合う玄米も秀逸。
 
「『米や松倉』(関連記事:米や松倉 農家が食べる最上級の米を
で購入した玄米を『平和圧力鍋』という鍋で炊いているんです。
玄米を炊くならコレ、というほど美味しく炊けるんですよ。
みなさんにお勧めしてます。」
 

 
玉ねぎをたっぷり使った滋味深いスープは、
身体の芯からしっかり温めてくれる、冬のスープ。
 
「お客様に、小さい旅行に来たような気持ちになって頂きたいと思っています。
普段とは違う気持ちになって帰って頂けたらいいなーって。
なので、メニューも和食、洋食という風に枠を決めず、
その時に作りたいもの、自分たちの食べたいもの、
エスニック、中近東…
カテゴリーにこだわらずに作っています。
ええ、和食もたまにお出ししていますよ。
お味噌汁とか煮物とか。」
  

 

 

 

 
– – – メニューは前日に決まり、1〜2日で変わる。
 
お店をオープンさせて今年で6年目です。
 
以前は姉と飲食店をやっていて、
主人は友達とバーをやったり、カレーを作って久茂地交差点で道売りしたりしていました。
「次、店をやる時は一緒にやりたいね」って話してたのですが、
ある日姉が、「腕が疲れたからもうやめたい」って(笑)。
それで、主人と一緒に店を始めたんです。
 
私たちは二人とも飲食店で雇われたことがなかったので、
飲食店の詳しい内情を知らずに始めました。
だからずっと勉強中という感じ。今もそうですね。
「きっと要領悪いはずな〜」とか思いながら続けています(笑)。
 
ご飯のメニューは主人が決めているのですが、
買物行って、その日にあった野菜で決まるから、
前日とかにならないとメニューが決まらない(笑)。
 
そして、1〜2日でメニューが変わるんです。
基本は4種類。
サンドイッチ、カレー、肉か魚、野菜
というベースだけが決まっていて。
新メニューもどんどんできています。
ですから、お客様にとっては「来るたびに変わってる」という感じだと思います。
 
いつ来ても同じのが食べられる良さもあると思うので、
夜のメニューはある程度定番もご用意しているのですが、
色々変わると私たちも楽しいので。
楽しい気持ちで作ったものをお出ししたいから、
「こういう風にしなきゃいけない」っていう決めごとを
なるべくなくしていく方法でやっています。
 

 


 
– – – 最初にパンを焼いたときは「私には合わないな」と。
 
パンは、以前やっていたお店の時から私が焼いています。
「楽健寺酵母」という、りんご、山芋、にんじんなどを用いて作った酵母を使っています。
小麦は国産のもの、そして精製されていない県産のきび糖を使っています。
 
実は最初、外国産の小麦とドライイーストでパンを作ったんですが、
そのとき全然上手に作れなくて。
「私、パンは合わないな〜」
と思ってやめたんですね。
 
その後、天然酵母と国産小麦で作る機会があって、
そうしたらすごくうまくできた。その差がすごくて。
「こっちだったら相性が良い!」
と思って、それから今のスタイルです。
 

 

 

 

 
– – – 住むための家がいつの間にか店に。
 
お店のコンセプトをきかれると困っちゃう(笑)
というのも、もともとこの家はお店じゃなくて住居用に借りたんです。
お店は別の場所で探していたんだけど見つからなかったので、
週末だけ店として開けるようになって。
奥の部屋を寝床にして、仮店舗みたいな感じで
「いつかはよそで店を開けようね」って言って。
 
だから、内装工事もお店用にはしてなかったんです。
とりあえず住めるようにペンキを縫ったりしただけ。
最初からお店にしようと思っていたら、
きちんとコンセプトを決めて工事したと思うんですけど、
仮店舗にと思っていたのがそのままお店になっちゃった。
 
だから、お店のコンセプトは…よくわからないまま(笑)。
 


 

 


 
– – – いつ店を閉めても困らないよう、好きなものだけ置くように。
 
雑貨は、自分が欲しいなと思うものを置こうと思って。
そうすると、外国の古い感じのものが自然と集まって来ました。
ネパールやインドなど中東のものが多いですね。
 
お店やってると、いつ閉まるかわからないでしょう?
いざ店を閉めることになったとき、
自分がいらないものが残ってたら大変。
残ったものが自分が使いたいと思うものならゴミにもならないし、
自分がずっと大事にしていけるから、
できるだけそういうものを仕入れようと。
 
だから、ここにあるものは私が好きなものばかり。
売れ残っても?
(雑貨を見回して)うん、そうですね。どれも困らないな。
全部自分が引き取って使いたいものばかりだから。
 

 
– – – これからは、お店を小さくしたい。
 
これからの Roguii のことを考えるとき最近思うのは、
もう少し小ちゃくしていこうかな…って。
普通はお店をもっと大きく〜とか、店舗を増やして〜とか思いそうですけれど(笑)。
 
食べ物、自分たち、お客さんたちの距離が、もっと近いお店ができてもいいなーって思っていて。
特に自分に子供がうまれたということもあって、
子供と一緒に来られて一緒にいられて、お客さんとも近いと良いなって思い始めたんです。
だから、ゆっくりとそういう風に変えていくのもいいかなって。
 
私も主人も最近はキッチンにこもって、表の仕事ができなくなってたから
それも寂しくって。
人と関わるのはすごく楽しい、でも、作るのも好き。
欲張りだからどっちもやりたくて。
 
でも、お店が大きいとそれはできないんですよね。
 
最初から最後まで自分たちで責任を持ちたいなという思いもあります。
料理だけじゃなくてサービスの部分も。
スタッフも良い人にばかりめぐまれていて、
今でも信頼してやっていけているのですが、
もうちょっと欲張りたいなーって。
 
今の状態にも満足していますが、
次、何かを変えるならそうしたいな。
 

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Roguii は、まるで「駅」のような場所。
 
色々な人がそれぞれの気持ちを抱え、行き交う。
ハードな日々を過ごす人は心を休めに、
平穏な日々を過ごす人は一区切りをつけに、その扉をたたく。
 
そして、扉を再度開けて現実へと戻って行くとき、
私たちの心に明らかな変化が起こっていることに気づく。
 
その感覚はまさにショートトリップ。
日常のしがらみをリセットできる場所。
 

写真・文 中井 雅代

 

Roguii(ロギ)
沖縄市与儀1663
098-933-8583
月ー金 9:00ー17:00
土・日 9:00ー18:00
close 火曜日
駐車場あり
http://roguii.hudor.net/