こんにちは、CALEND スタッフの石黒です。
CALENDの事務所では、お昼ごはんを自炊することが多く、皆でお喋りしながら作って、食べながらお喋りしてのひとときが楽しいです。私が行く時はナイチャーだからとニンジンしりしり、ソーミンチャンプル、沖縄そばを使ったヤキソバなど、うちなー料理をよく作ってもらえます。
そういえば私も沖縄歴6年、うちなー料理のレシピをあまり知らないのも残念なので、このたび生粋のウチナンチュ吉田に、弟子入りすることにしました。題して、お隣さんちのレシピ 番外編。第一弾は、ニンジンしりしりーです。
吉田の料理の特徴は、なんといっても大量の油にあります。この健康志向の世の中で油は敬遠されがちですが、「油脂は身体に良い!」との信念を曲げない吉田は、すべての料理に油をドバドバ使うのです。吉田のニンジンしりしりーは、油を思いきり吸ったフライドポテト ならぬ フライドニンジンの味がします。
「私、ニンジン好きじゃないわけ。カレーとかにゴロゴロ入ってるのは残すぐらい。でも、ニンジンしりしりだけは美味しいんだよね〜。自分からすすんで作って食べるくらい! ニンジン料理で一番美味しいのはニンジンしりしりーだね」
「材料は、ニンジンと卵と細ネギだけ。味付けも塩のみよ。塩はもちろん『ぬちまーす』。ニンジンしりしりーに何を入れるかって、おうちそれぞれで本当に面白いよね。ツナ使う人は多いけど、ポークランチョンミート入れる人もいるってよ。それはもう別物の気もするけど(笑)」
「まずは、ニンジンをしりしりする。量は1人前でニンジン1本の半分を使うぐらいかな。前に『ためしてガッテン』で観たんだけど、スーパーで売ってるニンジンって、それでもう皮が剥けた状態なんだって。店頭に並べる前に高圧洗浄かけて、皮を薄く剥いでるってよ」
「とにかくニンジン嫌いだから、なるべく小さくしりしりするの。ニンジンを縦に持ってしりしりしたら短いのができるでしょ。横に持つと一つひとつが長くなっちゃう。あと普通だと、ボウルの上でしりしりすると思うんだけど、わざわざ後でフライパンに移すの面倒さ? だから私はフライパンの上で直接やっちゃう。炒める時にニンジンを寄せて油を入れればいいさーね」
「ネギは大好きだから、どっさり入れようね。いつでもいいんだけど、このあたりで卵も割って混ぜておくね」
「それじゃ、ニンジンから炒めます。油はドバドバドバッっと思いっきりね! 油は大好きなの。というか、油が少ないと美味しくできない。使う油の種類には特にこだわらないよ。でも、オリーブオイルは味があるから、ニンジンしりしりには使わないかな。あとね、ベータカロチンとかいうニンジンの栄養は、脂溶性だから油と一緒に摂った方が吸収率もいいんだってよ」
「ニンジンに火が通ったら、次にネギ、卵と加えてスクランブルエッグ作るみたいにかき回す。そして最後に塩をパラパラっと振ったらできあがり!」
「おかずの一品としてもいいけど、私にとってはオヤツ。オヤツ代わりに食べたい。これ食べた人で『ゴハンの上にのっけて食べたい!』って言う人がいたよ(笑)」
油の量に驚きつつも、食べてみるとニンジンが甘くて柔らかくて、美味しいんです。ニンジン嫌いのひとも「はっ」となるはず。ベータカロチン云々のおかげなのか、揚げ物を食べ過ぎた時の胃もたれも皆無。これがなぜオヤツ感覚なのかはついぞ分かりませんでしたが、天ぷらがスナック代わりの県民性からくるものなのでしょうか。でも確かにスナックのようにずっと食べ続けてしまうので、しりしりーの手間さえ厭わなければニンジンたくさんで作っても良いかも。ニンジン余らせてる!なんて時に良さそうです。
文 石黒 万祐子(編集部)