間+impression(まアンドインプレッション)デザインと機能を両立させるためにとことん話し合うから。クレームの出ない設計事務所。


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事務所のドアを叩く相談者の8割が、
既に施工して引き渡し済みのお客様からの紹介だという。
つまり、完成した家に対する施主の満足度がそれだけ高いということ。
 
「ここにお願いして本当に良かった。だからみんなに勧めたい。」
 
そう思われているということ。
 

 

 
お客様の満足度が高い所以を訊くと、
 
「とにかく、しっかり話をするからでしょうか。」
 
と、代表の儀間さんは控えめに話し出した。
 
「図面の内容すべてを理解し、納得してもらうことが重要だと思っているので、
ひとつひとつ細かく施主に説明します。
完成図の具体的なイメージをしっかり共有するために話をするので、
会う回数も多いし、かける時間も長いと思います。
 
だから、クレームというクレームはこれまで殆どありません。
あらゆることをちゃんと説明した上でお引き渡しするので、
『こんなことは聞いてない』というような問題も発生しません。」
 
完成した家に何らかの不都合が生じたり、不満を感じたりして、
「あのときああしていれば・・・」と悔やんだとしても、
その最終決定を自分で下したのであれば、しょうがないとあきらめもつく。
しかし、それが第三者によって決定されたものであれば、
どうしても遺恨を生むし、満足には繋がりづらい。
 

 

 
腰が低くいかにも穏やかな儀間さんだが、
 
「現場に対しては厳しいです。」
 
と断言する。
 
「施主の希望を履行するのが僕の務めですから。
よく知っている施工業者さんなら問題ないのですが、
沖縄だと施主の横の繋がりで『どうしてもこの業者に頼まないといけない』なんてことも多いですからね。
そういう場合は特に気をつけます。
 
施工業者さんだって最後に
『こちらの要望に応えてくれて本当にありがとう』
と施主さんから言ってもらえた時に初めて報われるだろうし、
頑張った甲斐があったと思うんじゃないでしょうか。
 
予算や技術など完成までには様々な問題が生じると思いますが、
途中で妥協してしまったら、施主だけでなく僕も施工業者も後味が悪い。
ということはみんなが不幸になってしまう。
施主、設計士、施工業者の三者全員が最後に心から喜び合える家を建てたいんです。」
 

 

 

 

 
施主の希望を叶えるためなら、進んで自分が悪者になると儀間さんは言う。
 
「工事中は本当に厳しいですし、何でも言います。
途中まで進んだものをやり直させるとあまり良い方向に進まないので、
やり直しせざるを得なくなる前にイメージを再度確認します。
再確認した上で間違った方向に進んでいたら、やり直してもらいますね。」
 
設計段階では施主との間に認識の差が生じないようとことん話し合い、
施工段階に入ったら、今度は施工業者との間でイメージを共有する。
 
「当たり前のことではありますが、
そこで少しでも手を抜いてしまうと、全員が満足を得る結果には結びつきません。」
 
施工業者から「あの設計士、難しいヤツだったな」と思われても、
施工業者と施主の関係は良好に保たれる。
 
「僕も、引き渡したあとも堂々とその家の前を歩けるようでいたい。
後ろめたいところがあってこそこそ隠れるのは嫌ですからね。
通ったときはあいさつできるように、というのが目標。
でも、現実的にはいかんせん時間がなくて・・・(笑)。
見られちゃうとどうしても1時間とか話し込んじゃうし、
忙しいので見つからないようにサーっと通ることが多いかな(笑)。」
 
引き渡し後、ほとんどの施主が家に招いてくれるという。
 
「普通の友達みたいになることも多いですね。」
 
完成したからそこで終わる、という脆弱な関係ではない。
ベストのゴールを目指すにはそれなりの時間がかかる。
毎回が選択の連続。
どんな細かなことも全て施主に提示し、検討してもらう。
後悔がないよう他の選択肢も提案し、意向を確かめる。
その誠実で念のいったやりとりが、厚い信頼関係を生む。
 

 

 

 
那覇や浦添の小さな土地に建てる狭小住宅や
変形地や高低差がある土地など、一風変わった土地に建てたいという施主の依頼が増えているという。
 
「普通の四角形で広々とした土地になら誰でも建てられますが、
変わった土地でハウスメーカーなどに設計を断られた方がいらっしゃるのです。」
 
土地の特質を生かし、短所を長所に変えるためには
設計の手間を惜しまない。
 
「これは38坪の土地に建築を依頼されたときのものです。」
 
そう言ってみせてくれたのはいくつもの設計プラン。
施主にとってベストの家を模索するために、あらゆる可能性を視野に入れて比較検討する。
ここでも
「あの部分をこうするというアイディアもあったのでは・・・」
と、釈然としない思いを施主に抱かせないよう心を砕く。
 
一戸建てを建築するならば、
機能性はもちろん重視したいが、デザインもゆずれない。
誰しもがそう思うのではないだろうか。
 
「逆に、デザインや機能性ではなくコスト面を何よりも優先させたいのであれば注文住宅を建てる必要はなく、
ハウスメーカーで建てた方が施主の幸せに繋がります。
何がベストの選択肢であるかは、施主それぞれによって違うのです。
 
だからといって、潤沢な資金がなければ注文住宅は建てられないというわけではありません。
こだわりたい所にはしっかりコストをかけ、
それほど重要でないと施主が判断した部分は材料のグレードを落としたりして安くあげる。
壁一枚造るか造らないかで、値段は大きく変わりますから。」
 

 
家を一軒完成させるには、
膨大な選択肢を一つ一つ全てチェックしなければならない。
床の素材や色、窓枠の種類、タイルの大きさ、コンセントの数と位置・・・
 
この気が遠くなるような提案、検討、確認の繰り返しを、
儀間さんは決していとわない。
引き渡した家の前を胸を張って通れるように。
施主とバッタリ顔をあわせても「その後どうですか?」と楽しく語り合えるように。
 
そして、儀間さんが施主と良好な関係を保ちつつも「時間がなくてつい素通りしてしまう」という家は、
県内各地に増え続けている。
 

文 中井雅代

 

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