暮らしの中の旅日記  日々雑記

写真・文 田原あゆみ

 
 
Shoka:
 
新年が明けてから3日目。
久しぶりの長い休みをのんびりと過ごしている。
 
旅行に行こうとはりきっていたのだけれど、年末のいそがしさに旅の手配をする余力と余白は見つけられず、年は明けてしまったのだった。
 
きっとそんな経験を持つ人は多いのかもしれない。
 
 
 
年末の大掃除の後、久しぶりに全くのプライベートな空間に戻った我が家。
すっきりとした空間の中でくつろぐことが出来ることがただただうれしい。
 
モビールをあるべきところに戻したときの、そうそうこれよ、としっくりと来る心地よさ。
 
 
Shoka:
 
 
お天気も良く、暖かい1月2日の午前中。
姪っ子と一緒に過ごした一日。
 
子供がいると、作業のスピードがグンと落ちる。
それが、労働というよりも楽しいイベントとなるのは、休日だからこそ。
 
年末に見つけたテーブル天板裏の虫食い。
放っておくと被害が広がってしまうかもしれない。
 
 
Shoka:
 
このテーブルは以前の店舗で使っていたものをリメイクしたもの。
天板の黒い塗装を削り取って、無垢に戻してもらったら全く雰囲気が変わった。
写真に写っているのは、今回虫食いが発覚した天板裏の部分。
以前ついていた足との接続部分に無数の小さな穴が開いている。
その穴の中のいくつかに虫が入ったようなのだ。
 
虫が入ったことを知らせてくれるのは、動かした後に残る細かい木屑の山。
年末の大掃除の時にそれが3~4個見つかったのだ。
まだ新しい様子にほっとして、すぐに対処法を専門家に聞いてみたのだ。
さて今日はその実行日!
 
 
 
さあ、虫退治だぞ。
かわいそうだけれど、君たちの繁殖する場所ではないのです。
ごめんね。
 
そうつぶやきながら、準備したものは。
 
 
Shoka:
 
シンナーかベンジンを、と言われたのだが、無かったので似たようなものだろうと除光液。
割り箸・爪楊枝・カットコットン・ゴム手袋・労働力アップ手袋。
 
労働力アップ手袋は、非力な心と身体の私の根性を引き出してくれる優れた手袋。
要するに、滑り止めがついているので力が散らずに手と運びたいものを強力に結びつけてくれる。
ほんとに持ちやすくなるから、今日のような巨大で重量のある天板や什器を移動する時にはなくてはならない道具の一つ。
発明した人に感謝感激の一品。
 
 
さあ、では除光液をたっぷりと浸したカットコットンを穴のサイズにちぎったら、
 
Shoka:
 
 
Shoka:
この穴のどれかに、虫さんが住んでいます。
すみませんが、今度は山の中の倒木かなにかに転生してくださいと祈りながら。
 
 
Shoka:

とにかくせっせと、爪楊枝を使って除光液に浸したカットコットンをきゅきゅっと穴に詰め込んで行きます。
ひとつも残さず、全部の穴に詰め込まないとやる意味がありません。
虫はきっと工場で削ってもらった後に、この穴を見つけて住みついたのでしょう。
 
成虫になったら、やはり穴を見つけて卵を産むのだそうです。
そうなると他の木製品にも虫が移ってしまうことになるでしょう。
 
何十年、もしかしたら100年以上も生きていた木がこのテーブルに姿を変えているのだとしたら、大切に出来るだけ長く使いたい。
私よりも長生きな木製品、次世代に渡す時にもいい表情を維持していたいものです。
 
だから、手抜きは出来ません。
 
せっせとガーゼを詰め込んでいたら、興味津々で見つめていた姪っ子。
 
 
 
Shoka:
 
穴を見つめた後、どこからか綿棒を見つけて戻ってきたと思ったら、
 
 
Shoka:
 
どうやら手伝ってくれているようです。
かなり頼もしい表情で、アイコンタクト。
 
「こっちはまかせとけ」
 
そんな目力は、小さいながら信頼に足る何かを秘めています。
その「何か」はまだ分かりませんが。
私の心に何かが伝わってきました。
 
もちろん、おかしさもこみ上げてきましたが。
 
 
 
私たちがそんな作業を楽しんでいたら、クロネコの宅急便が。
 
 
 
Shoka:
 
岐阜のギャルリ百草の安藤明子さんからのお届けものは、見目麗しい富有柿。
完熟した柿がこんなにたくさん並んだ姿は初めて見ました。
 
なんて美しい日本の色。
この色はオレンジとは言いたくない。
やはりそのままの「柿色」がふさわしい。
この柿の姿を見つめていると、沖縄とは全く違う日本の晩秋と冬の景色が浮かんでくる。
 
しばらく、柿の向こうの日本の冬に思いを馳せてショートトリップ。
冬枯れた木立。
霜柱が立った大地を踏みしめたときの音や感触、そして冬の空気の匂い。
鼻の穴や、耳のかじかみや、冷たい痛さ。
凍った枯葉の美しさ。
日溜まりの縁側と干し柿。
 
なんて違う環境に私たちは暮らしているのかしら。
そこから届いた荷物に、送り人のぬくもりを感じて気持ちが温かくなる。
 
何だかうれしくなって、お盆に盛って飾ってみる。
ピンク色の花は、姪っ子が摘んでくれた庭のカタバミ。
 
 
 
Shoka:
 
それを色んなところに飾ってみる。
 
 
Shoka:
 
Shoka:
 
明子さんから届いたのは、柿だけではありませんでした。
オーガニックコットンで出来た部屋着と下着も一緒に、こんなにかわいらしい包みで届いたのです。
 
Shoka:
 
髪を切っておかっぱにした明子さんにそっくりなイラストは、Shoka:のタツノオトシゴのマークを書いてくれた田所真理子さんが書いてくれたのだそう。
ギャルリ百草さんの雰囲気にぴったりです。
 
 
Shoka:
 
着心地が何とも良さそうなオーガニックコットンで出来た下着と部屋着はこんな感じです。
ズロースというのでしょうか、下着は昔のフランスのドレスの下に着ていたブルマーの形から取ったのだそう。
色気はないかもしれないけれど、サロンや着物に響かないように作ったというからには試してみたいし、なかなかかわいいじゃありませんか。
 
今は縫製工場がなかなか見つからなくて、製産がストップしているそうです。
おつきあいのあった肌着屋さんが後継者がいなくて自社工場を閉めてしまってから、なかなか同じ表情を出せるミシンを持っている工場さんとの出会いが無いのだそうです。
 
縫い目一つをとっても出来上がりの表情が全く違ってしまうそう。
そんな細部への心配りが形となっているから、この柔らかさや懐かしさが伝わってくるのでしょう。
 
これを読んだ方でそんな工場を知っているという方がいらっしゃいましたら、info@shoka-wind.comまで是非メールを下さいませ。
 
 
 
 
 
ふと振り返ってみると、お風呂に入ってお着替えをした姪っ子ちゃんがカメラを手に、私のまねっこ撮影に精を出していた。
 
 
 
Shoka:
 
カメラを手に、いい被写体を探してうろつく姪っ子ノアさん。
 
 
Shoka:
 
届いた柿の入っていた箱に、年末に空けたワインのボトルを自分で並べて・・・
 
 
Shoka:
 
うれしそうにスクープ。
このセンスはなんなのでしょうか?
一体どこから湧いてきたのやら・・・・。
 
 
こんなに小さくても、独創的でユニークな個性。
ほんとにかわいらしいくて、おかしくておかしくて、娘と二人でくすくす笑ったり、大笑いしたり。
無心さは、究極のギフトを日常にもたらしてくれます。
 
何とも心地の良い休日。
 
 
さあ、テーブルのお手入れは一旦中断。
2日ほど様子を見てから、木屑がでなくなったら虫は退治されたと判断出来ます。
そのあと、穴につめたコットンを取って、その穴を埋めることになります。
その続きは、またShoka:のHPのブログにて報告いたしますね。
 

 
 
 
すばらしい陽気がもったいないので、公園へ遊びに行くことを決めて作業はまた2~3日後に。
 
 
 
Shoka:
 
Shoka:
 
 
透明な冬の海。
陽射しは驚くほど強くて、暖かく、お正月なのを忘れてしまいそう。
例年沖縄のお正月は寒くて、雨が多いから。
 
 
 
そんなしあわせな新年を迎えています。
今年も日常の中のしあわせを見つけては、みなさんと分かち合いたいと願っています。
 
 
「暮らしを楽しむものとこと」
続きは、Shoka:のHPにて。
 
 
今年もどうぞよろしくお願いします。
 
 
 
Shoka:
 
 
今朝のお雑煮。
玄米餅のつぶつぶがたまりません。
 
 
 
 
 
Shoka:
  
暮らしを楽しむものとこと
Shoka:
http://shoka-wind.com
沖縄市比屋根6-13-6
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