R&D.M.Co ブランケット
何かを見て、あって当時の記憶がよみがえってくるものってありますよね。
先日、新しく届いたブランケットやストールを品出ししている際
ふと祖母が使っていたストールを思い出しました。
それは祖母の為に母と選んだグレーのストールで、
カシミアのそれはとても肌触りが良く軽く、
これなら喜んでもらえるだろうと選んだものでした。
当時の私は県外で仕事をしていたのですが、
正月休みに帰省すると祖母がひざにかけてお茶を飲んでいたり、昼寝の際に使っていたり、
ああ使ってくれているんだと箇所ごとの断片的な記憶。
軽いのにとても暖かです。ところどころに手仕事のぬくもりが感じられます。
その後何年か経ったある年の冬、
ふと見ると母が今度はそのストールを使っていました。
ああそうか、と。
さらに翌年の冬、私が寒―いと言っていたらこれを使いなさいと母が渡してくれた祖母のストール。
いいよと断りつつも肩にかけてみる。とても暖かい。
いろんな思い出とともに、懐かしく穏やかな気持ちになりました。
と、こんな風にじわじわと湧きあがってきた思い出たち。
薄く軽くとても暖かなのでストールのように使っても素敵です。
何かに触れて、見て、耳にしてそれぞれに思い返すことがある。
意識しないだけで日々些細な何かに響くことはおそらく多々で、
優しい記憶の時もあれば、悲しい記憶の時もあるでしょう。
そんな当時を誰かに話す時もあるけれど
心にとどめておくことの方が大半だろうと。
皆いい大人だから。
Englandと名前の付いたストール。昔バスから見たイギリスの田舎風景に似ています。
ストールの暖かさは私の心の小さな灯りだ。
いつかあのストールが傍らにおさまる日が来るのだろうか。
グレーとブラウンのギンガムチェック。配色が子供っぽくならないのがいいです。
12月。今月はいつも以上にギフトが多く感じます。
人気はマグカップやソックス、それからブランケットにストールなど。
つつむたびに喜んでもらえますようにと心の中で願う。
ふと、想像する事があります。
いつかここにある商品のどれかが私の知らないところで
誰かと誰かをつなぐ記憶のパイプになるかもしれない、と。
モノを通して交流する販売のお仕事。
それぞれの五感に届くアイテムがあればと少しだけ期待して今日も店を開けます。
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net
関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)
「思い出すこと」
2012.12.21