『THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』本のことならいちばん詳しい本屋さんたちが、それぞれ厳選したとっておきの1冊とは。

the books
ミシマ社・編 ミシマ社 ¥1,575/OMAR BOOKS
 
―本は巡る、カレンダーのようなブックガイド―
  
 ぽっかり空いた休日、たまには本でも読んでみようかなんてとき本選び、困ったことはありませんか?そんな方に心強い一冊を今回はご紹介します。
  
春先に一本届いたFAX。
「本屋さんがこれだけは、どうしても届けたい一冊を教えてください。」という内容。
送り主は一冊一冊丁寧に世に送り出しているミシマ社さんという出版社。
一冊だけというので迷ったすえ、お店の名前の由来になった本を取り上げてもらった。
 
このやり取りが全国で交わされ出来上がったのがこのブックガイド。
なぜ365人なのかというと、本を開くとすぐ分かる。
一ページに一人一冊のコメントが日付とともに紹介される日めくりカレンダーのようになっている。なので本の大きさ自体はコンパクトな作りながら400ページ弱というボリューム。ただ使われている紙が薄く、片手で持ってもそんなに重さを感じさせない。
  
この本の魅力は何といっても、普段一番本に近い場所で働く人たちの生の声が聞けるところ。
それぞれの直筆コメントが添えられ、熱い思い入れが語られる。
出てくる本は小説から絵本まで時代もさまざま。
タイトルだけ聞いたことのある本、遠い昔に読んだことのある本、友人が読んでいる本、自身も好きな本がこの中に含まれているか確かめてみるのも楽しい。
そうしてめくっているうちに誰でも少なくとも一冊は読んでみようかなという気になってくる。
  
またこの本を作ったミシマ社さんも大変だったろうなと想像する。
本を愛する人たちの熱意の賜物。
しかし、この世にはこんなにもいろんな本が存在することに驚く。本屋を営む身でありながら、三分の二は知らない本だった。
巻末には紹介した365人の働く全国の書店MAPも併録。
  
一年を本で巡るこの新しいタイプのブックガイド。
ページをめくるたびに本の奥深い世界へ。
さて今日の本はなんでしょう?
あなたを未知なる場所へいざなってくれる一冊です。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp