宮原美樹・著 主婦の友社 ¥1,890/OMAR BOOKS
― チョコレートの箱 ―
冷え込んだ寒い朝。
体を縮めながらお湯を沸かして、熱く淹れた珈琲のおいしいことといったら。
珈琲中毒としては至福のとき。
その珈琲のおともに欠かせないものといえばチョコレート。
そこで今回ご紹介するのは、きれいなチョコレート色の表紙が目に優しい『Chocolate Book』。
人気のチョコレートショップ「Chocolatier Miki」のオーナー宮原美樹によるこの本。
チョコレート職人のことを「ショコラティエ」というのを初めて知る。
そのショコラティエとして注目されている彼女の、
まるで作品集の様なこの本の内容は、
パート1で本格味のチョコレートそのものを初心者でも家庭で作れるように基本からアレンジしたものを紹介。
またパート2では他のケーキや料理にチョコレートを加えた伝統的なお菓子まで見た目にも美しい写真とともにレシピを紹介している。
上品なオランジェット(スペイン産オレンジの砂糖漬けにビターチョコレートをコーティングしたもの)にも魅かれるし、
定番のトリュフやエクレア、
また白いアイシングで描かれた模様がかわいいい雪の結晶クッキーは女性の心をくすぐることまちがいなし。
今の季節で言えば、クリスマスモチーフの型で作ったチョコレートやシックな装飾の大人なブッシュドノエル。
また中に挟まれるリバティ柄のような美しいページや付録に
クリスマス・バレンタイン・ハロウィンカードと3つのシーズンに使えるメッセージカードやポストカードなどがついているなど凝った作りがされているところもおすすめ。
チョコレートの魅力を存分に伝えてくれるお菓子好きにはたまらない本。
ページを捲っているだけでチョコレートの甘い香りが漂ってきそう。
読んでいる間中、チョコレートを食べたくなってしょうがなかった。
チョコレートと言えば思い出すのが旅先のチョコレート専門店。
チェリーをまるまるコーティングしたものずらりと並んだショーケースや
チョコレートのブロック売りには驚かされた。
またそこで買うとサービスでもらえたのが、
どろりと溶けたチョコレートの海にその場でバニラアイスを浸してくれたもの。
お客さんはみんな幸せそうな顔をしていた。
甘さと苦さを合わせ持つチョコレート。
映画『フォレスト・ガンプ』の言葉にこんなのがあった。
「人生はチョコレートの箱みたいなもの」。
その箱が甘いチョコレートでたくさん詰まっているといいな。
OMAR BOOKS 川端明美
OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp