雑貨屋「素」沖縄のそれとはひと味ちがう、東北の、九州の、日本の生活雑貨

 

ドクロというちょっぴり毒のあるモチーフで、陶芸家・香月舎さんのこれまでと違った魅力が引き出されると、どうして「素」の店主タナベさんはわかったんだろう。

 

元々得意なのはクマ、鳥、ヤギなどの、女性らしさ溢れる優しい生き物。「私、ドクロなんてキャラじゃないもん」と躊躇する香月さんに、「おもしろいと思ってくれるひとは多いと思います」と、新しいモチーフでの制作をお願いした。

 

 

最初のドクロ作品はカップ。これまでの香月ファンにも評判は上々。入荷のたび、早々売り切れる。

 

他にも、染織家さんと組んで作ったショールが並んでいたりする。とても味わい深い色と織り。お店と作家のコラボでも、ありきたりじゃ終わらない。ただ販売するのではなく、ものづくりの川上から深く関わる。

 

雑貨屋を始める前は、グラフィックデザイナーとしてたくさんの「いいもの」を見てきたし、作り出してきた。その経験が「素」でも大いに活きている。

 

 

 

タナベさんのお母様は秋田県の出身で、神奈川で育ったけれども、家のなかには東北の土地に育まれた民芸が溢れていた。例えば「あけび」や「山ぶどう」のかご、山桜の茶筒。

 

「沖縄であまり目にしない本土の民芸を、紹介し、提案して初めて、僕が雑貨屋をやる意味があるんじゃないかなって」

 

本土から見た沖縄の文化が独特であるという事は、逆もまた然り。タナベさんが小さな頃から慣れ親しんできた生活雑貨は、沖縄の人の目には新鮮に映る。

 

「ドアを開けて入ってこられた方の『わー、見た事ないものばかり』との感嘆の声が聞けることは結構あります。とても嬉しいですよ。でも不思議なんですよね、年齢の高い方からは今度は『懐かしい』と言われるんです」

 

 

 

 

 

「現代に生き、それぞれの地域の生活文化を体現している作家さんの品も、
昔から変わらない、脈々と受け継がれてきた工芸品も、一生活者として大切にしていきたいですね」

 

選ぶ品々、発する言葉から、上品な方だなと思っていたところ、突然、「アメリカせんだん草って食べられるんですよ」と話題が飛んだ。

 

「どうやって!?」と驚く私に、平静な顔で、「普通に煮たり焼いたり。春菊が好きなひとならいけます」

 

なんというギャップの大きさ、野性的すぎる…。沖縄で、あの草を見たことのない人は一人もいないと思うけれど、食べた事のある人は…。

 

 

和テイストの中に混じって、なぜかフィンランドの石けんが並ぶ。何でも試すのが信条か、自身が気に入って使っているもの。

 

「僕、石けんジプシーだったんです。普通の洗顔料から、肌に良いと言われる化粧石けんまでいろいろ試しました。いまはこのヤギミルク石けんに落ち着いてます。これにしてからは肌の調子がすごく良い。お客様に『ここだけ周りから浮いてます』と言われちゃったりするんですけど、本当に良いから」

 

フィンランドのヤギの牧場の主人の手で、アトピー性皮膚炎の奥様の為に開発されたもの。フィンランドではワッと広まり、ポピュラーな石けんなのだそう。

 

 

「素」の雑貨はどれでも、「そういえばあれ、買ったけど出番がないな」なんてことはまずない。

 

店を切り盛りする、店主のタナベさん。審美眼を持つ、デザイナーのタナベさん。雑草をも食す、冒険家のタナベさん。

 

いろんなタナベさんがいるけれど、「素」に並べる雑貨を選ぶタナベさんは、「一生活者としてのタナベさん」だから。

 

 

 


生活雑貨の店[そ]sso
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