2011 9月


作曲家デビュー50周年記念「普久原恒勇展 ~歌い継がれるウタ~」
 
2011年9月7日(水)~9月28日(水) 11:30~22:00/入場無料
 
内容

沖縄音楽界・戦後最大の作曲家&プロデューサー、普久原恒勇。
名曲「芭蕉布」から最新ヒット「森のふくろう」まで作品数は400 曲以上。彼が作曲家として処女作「月眺み」を発表してから今年2011年は、50周年に当たります。これを記念してカフェユニゾンでは、普久原自身が撮影した写真をはじめ、直筆楽譜などの貴重な資料によって、その功績をふり返る展示会を開催します。

◎写真を撮る人として

「音楽家よりも写真家になりたかった」と言うほど、写真への思いは強く、若い頃はカメラマンとして働こうとしていたほど。粟国島で自然や風土の美しさに開眼してからは、沖縄の地のシンプルで力強い美に惹かれ、シャッターを押し続けてきました。本展ではそんな普久原の写真を展示します。じつはマルフクレコードのジャケットに使われた写真も多数あります。

 
◎作曲家として

沖縄の音楽の根っこや、文化や風土の本来あるべき姿を失うことなく、音楽家として世界へ通じる普遍的作品や、前衛的作品も作り続けてきた普久原。本展では、沖縄の国歌と言われる「芭蕉布」や貴重な器楽曲などの直筆の譜面、発売時のレコードなど、作曲家としての仕事にまつわる貴重な資料を展示します。

 
◎マルフクレコード・プロデューサーとして

普久原の養父で、沖縄民謡の父と言われる普久原朝喜。その朝喜が戦前大阪に設立し、恒勇が戦後沖縄に拠点を移したマルフクレコード。この沖縄最初のインディーズレーベルからは、沖縄民謡、沖縄ポップスの名曲が数多く生まれました。普久原がプロデュースした嘉手苅林昌、喜納昌永、フォーシスターズ、ホップトーンズなどのミュージシャンとの交流をはじめ、マルフクレコードの歴史を語る貴重な写真も展示します。

 
お問い合わせ

カフェユニゾン
沖縄県宜野湾市新城2-39-8 MIX life-style 2F
TEL:098-896-1060
E-mail:info@cafe-unizon.jp
http://www.cafe-unizon.jp
 

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2011 9月

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キャリア教育コーディネーター養成講座 説明会
 
子どもたちの「社会で力強く生きていくために必要な力」や「職業観」を育て、「夢を実現する力」を育むキャリア教育。
学校と地域社会・企業が協力して子どもたちを支援していきましょう。

 
キャリア教育が小学校~大学で行われる際に、
学校の学びと地域社会・企業をつなぐ役割を担うのがキャリア教育コーディネーター。

 
「一人でも多くの子が夢を実現できることが出来るように!」このチャンスにキャリア教育をのぞいてみませんか。
 
日程
9月14日(水)19:00~20:30
9月17日(土)10:00~11:30

 
場所
沖縄産業支援センター3階 会議室

HP:http://www.ocean-21.co.jp

 

2011 9月

 
『simpleな暮らし』
 
「物があふれた世の中。
本当に必要なモノが見えていないのが現実。
過剰なほどの暮らしの中で
逆にマイナスになっている部分もあるのでは?

 
昔に比べて肌・気管支が弱い子が増え
現代病と言われる症状が広がっています。

 
今一度、生活を見直し
体・心が本当に必要としているモノを見極める力を伝える
ココロとカラダに心地よい暮らしの提案。

 
アナタにとって本当に必要なモノは何ですか?

 
開催日:平成23年9月24日(土)
時間:11:00~15:30
場所:浦添市 てだこホール 市民交流室
ブログ:http://nomi3.ti-da.net
 

2011 9月



***軽いネタバレあり****

この映画、短くていい。

なんというか地味なんだけど、セリフも間もおもしろい。
このゆるい笑いが大好き。

団長さんが、迎えがこなくて何度も電話を市役所にするんだけど、「アレキサンドリア警察音楽隊の・・」というだけで、保留にされ、何度も切られるところが気の毒だけど、大笑い。

思ったのがやっぱり英語は世界の共通語なのね。
みんな母国語と、英語を話すのでコミュニケートできるんだよね。

空港の案内係に行きかたをきいたはずなんだけど、聞きにいったのが、色男のカーレド。

サーレフ・バクリが演じてますが、確かにかなりかっこいい。
空港の案内係にも、「マイファニーバレンタイン」などを歌って口説いてしまう。



結局たどり着いた街の食堂の女主人、ディナの好意で、みんなはそれぞれ数名ずつ分かれて宿泊させてもらう。

このディナがなかなかかっこいい。
ちょっとデミ・ムーア似である。



なぜかディナは団長、トゥフィークに興味を持つんだけど、何せトゥフィークはとってもまじめなんだよね。
二人はでかけて結構いい感じなんだよね。



カーレドは、地元の若者パピがデートに出掛けるというのに無理やりついていくんだけど、ここもえらく笑える。
パピが女の子が苦手で、色男カーレドが手取り足取り。
ここはかなり笑ったけど、温かい感じ。
 


食堂の常連イツィクの家では、3人の団員がお世話になる。
ここなんか奥さんの誕生日だから気まずい気まずい。
お互いが母国語で、本音をしゃべるところが面白い。
 

 
段々、ここも和むんだけどね。

それぞれのストーリーが温かくて、そのままでおわるのかと思ったけど、最後はホロ苦い感じ。

私なんか、切なくて切なくて。
現実はこんなものだよね、と思った。

温かいままで終われないのが、またこの映画の良さなのかな。
団長さん、悲しすぎます。

それでも、演奏会は団長さんが歌まで歌ってかっこよかった。
アレキサンドリア警察音楽隊に栄光あれ。

 

KEE


 



<ストーリー>
1990年代のイスラエル。空港に水色の制服に身を包んだ男たちが降り立った。彼らはアレクサンドリア警察音楽隊。文化交流のためにエジプトからやってきたが、何かの手違いか出迎えが来ない。自力で目的地へたどり着こうとした彼らは、間違えて一文字違いの別の小さな町に着いてしまう。途方にくれる彼らに助け舟を出したのは、カフェの女主人ディナだった。やがて、国や宗教を超えた交流が始まるが…。

<キャスト>
サッソン・ガーベイ
ロニ・エルカベッツ
サーレフ・バクリ
カリファ・ナトゥール
イマド・ジャバリン
ターラク・コプティ
ヒシャム・コウリー
フランソワ・ケル
エヤド・シェティ
シュロミ・アヴラハム
ルビ・モスコヴィッチ
ヒラ・サージョン・フィッシャー
ウリ・ガブリエル
アフヴァ・ケレン
 

2011 9月

Day1

トップス、ジーパンともに:Cher


バッグ:Cher

Day2

トップス、スカートともに:Cher


ネックレス:手づくり

Day3

オールインワン:Cher


帽子:JACQUES LE CORRE
イヤリング:手づくり


ネックレス:ヴィンテージのCHANEL


サングラス:Louis Vuitton


靴: Louis Vuitton

Day4

トップス:aquagirl

Day5

 

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「沖縄に来てから、洋服の好みも少し開放的になったみたい。
こんな丈の短いスカートとか、本土にいたときは買えなかったな。
帰省すると、地元の友達に
『洋服の趣味、若くなってる!』
って驚かれる(笑)。」
 
え〜!こんなに綺麗な脚、
今まで隠してたなんて勿体ない!!
 
6着のアイテムを上手に着回した、5日間のコーデ。
着回し上手な理由を尋ねると・・・
 
「流行りモノは買わないようにしてます。
みんな持ってるようなアイテムは、
可愛くても手を出さない。」
 
なるほど。
それでいつ着ても「遅れてる」感が出ないし、
どのアイテムを合わせても違和感がない。
 
「あと、このデニム。
形がすっごく好きなんだけどサイズが少し大きくて。
でもどうしても欲しかったから、
韓国で買ったサスペンダーをつけて着てるんです。」
 
細身な彼女、
デニムがぶかぶかだなんて・・・なんだか羨ましい悩み??
そのサスペンダーも、着こなしの素敵なポイントに。
 
小物や靴にさりげなくハイブランドを取り入れるのも、大人コーデの技の一つ。
脇役をしっかり固めると、全体のバランスも整う。
 
朝夕涼しくなり始めたこの季節、
自分だけのおしゃれで、沖縄の短い秋を楽しもう。
 

写真・文 中井 雅代

 

 

2011 9月


 

 
この9月で2周年を迎える楚辺喫茶研究所ソベラボと雑貨屋[そ]が
「そラボレーション」と題してアニバーサリーセットの販売をいたします。
ソベラボがつくる焼菓子と雑貨屋[そ]からはこの日のために特別に作ってもらった香月舎さんの器をセットにして
23日(金)からそれぞれの店舗の開店と共に20セットずつ(計40セット)を販売する予定です。
一部をwebshopの方で販売する予定になっていますので(25日13時販売スタート予定)遠方の方もお楽しみいただけたらと思います。

 
【そラボレーション・アニバーサリーセット】
・価格 1,890円(税込)
・数量 各店舗 20セットずつ(売り切れ次第終了・web販売分含む)
・販売開始 9月23日(金)
 →楚辺喫茶研究室 ソベラボ OPEN 12:00~
 →雑貨屋[そ] OPEN 12:30~(→webshop 13:00~)
・内容 器(香月舎の器)
     +焼菓子&紅茶
・お問合せ 「そ」→098-898-4689(タナベ)
      「ソベラボ」→098-956-6451(ガネコ)

 

 


 

2011 9月


 
絵画娯楽R
 
沖縄芸大会が専攻を卒業した、同期による展示“絵画娯楽”。
今回で3階目の開催です。

 
期間:2011年10月4日〜10月10日
場所:沖縄県立博物館美術館/県民ギャラリー1,2
時間
火曜〜木曜・日曜 9時〜18時
金曜・土曜 9時〜20時
※最終日 9時〜18時
入場無料
 

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2011 9月


 
– – – 仕事は私にとって完全な解放区。何の影響も受けず、ニュートラルな状態になれる。
 
物を創るってこと以外では、私、気も小さいし、
「あーもう、どうしよどうしよ」
ってことが多いけど、仕事だけは完全な解放区。
 
例えばファッションとかだとさ、
「あそこに遊びに行くのにこんなカッコでいいのかな?」
とかちょっとは考えるでしょ?
いちいちちょっと周りを気にしてみたりとか、
自信が持てない、みたいな、ね。
 
あ、かといって別に創るモノには自信があるからって話じゃないですよ。
それにもちろん好き勝手に作るとはいっても、
使い勝手を考えたりとか、先輩からのアドバイス的な事は真摯に受け止めますよ(笑)。

ただ創るものを人からどういう風に言われるかな?とか一向に思わないし、酷評もあんまり気にしない。
制作の方法とかも「これってアリ?」ってこともあんまり考えない。 
 
要は、制作に関してだけは完全に自分の思いつくままやれる解放区って感じ。
 
イヤな事とかあっても、滅多に手が止まらない。
そりゃね、子どもが病気とかだとシュンとなるけど、
他の場面ほどは影響受けないんですよ。
創ってる時はむしろ忘れてしまってるくらい。
ニュートラルになれるっていうか。
もうね、ちょっと「悪いな」って言うくらい
旦那と喧嘩してるくらいじゃそうそう影響受けない(笑)。
 
でも、今思えば小ちゃい時からそうだったな。
親に怒られても、もの創ってる時は忘れちゃってた。
今でも覚えてる、熱病にかかったみたな感触。
夢中になってる自分が客観的に見えるくらい没頭しちゃうっていうか。
ほら、泳いでる人がある一定のところから魚になった気分になるっていう、あの感覚に近いと思うんだけど。
ちっちゃい時に縁側で何かを作ってて、なかなかうまくいかなくて、
気がついたら日が暮れて真っ暗で、
(うまくいかないのは)手元が見えないからだって
そこで気付いたっていう記憶がある。
 

 
– – – 中学生の時にはもう「ムサビに行くか」って勝手に思ってた(笑)。
 
でも、最初っから陶芸やりたい!って決まってたわけじゃ全然なくて。
「美大に行きたい」っていう大まかなビジョンはあったんだけど。
 
私、割とストレートコースなんですよ(笑)、自分の中では。
脇道がない、っていうか、他にはなんも出来ないし(笑)。
親が言うには2~3歳の頃から、とにかく毎日工作したり絵を描いたりして過ごしてたって。
自分でも白い紙と鉛筆を持っている記憶がすごい鮮明にあって。
ほんとにそればっかりだったから、親もこういうこと以外やらないだろうって思ってたみたい。
 
あと、私が育ったのってすごいど田舎で何もない所だったから、
遊ぶのって結局自然の中だったり、自分で絵を描いたりするしかない。
デパートとかあるわけじゃないから。
だから、自分発信で遊ぶ、受け手じゃなくて。
それで毎日手を動かしてて、小学校高学年くらいからこういう創る仕事がしたいなーって思うようになってた。
 
私のことをすごく可愛がってくれるちょっとインテリの親戚のおじさんがいて、私が中学生になると
「あやちゃん、こういうの向いてるんじゃない?」
って、わざわざ田舎まで画集持って来てくれたりして。
そのおじさんの娘が武蔵野音楽大学に行ったってのもあって、
「武蔵野美大っていうのもあるんだよ~」
って教えてくれたもんだから、
中学校2〜3年生の頃にはもうムサビって言葉が自分の中に定着して(笑)
「ムサビに行くか」って勝手に(笑)。
 
だから、高校に進学したら選択授業では迷わず美術を選択しました。
 

 
– – – あの夏休みに自分の想いが固まった。
 
その頃、すごい転機があって。
高校二年の夏休みに、親にお願いして1ヶ月東京に行ったんです。
絵を勉強する通信教育の講座を受講してたんだけど、
そこの夏期講習みたいなスクーリングのお知らせが届いて。
 
四谷学院っていう絵の予備校と連携してる所だったから、
東京で実際に美大行ってる人たちに混じったらどんな感じなのかな?って。
 
「通信でずっと描いてるだけじゃ、なんかモヤ〜っとしてるから
東京のスクーリングに行ってみたいんだけど。」
って申し出たら、親も了承してくれて。

それで夏休みの間行って来たの。
全国から同じような子が何人か来てたな。
 
カリキュラムは本来は昼間だけだったんだけど、
学校のパンフ見てたら、浪人してる本当の予備校生達がやるのは夜なんだってわかって、「私も夜の授業を受けられませんか?」って事前に問い合わせてたわけ。田舎からせっかく行くのにもったいないと思って。
そしたら「特別に夜の部も受講してみて良いですよ」って。
だから、みんなが終わった後も私だけ残って夜の部も受けてた。
今思うとそれが良かったんだと思う、多分。
 
昼はさ、みんなまだ素人に毛が生えたような絵が好きな人って感じで、
描いたものを先生に褒められたり指導されたりって感じなんだけど、
夜は本来の予備校生の生徒たちが課題に取り組んでるわけでしょ。
その中にぽこーんと入らせてもらってるから刺激が全く違ってて。
 
予備校生たちがやってることが、最初は全然わかんなかったわけ。
高校でも一応美術を選択してたのに、
「何、こんなことも知らないんだ?」
って笑われながら、
「こういうことだよ」
って先生に教えてもらって何回かやると、
意外と評価が良かったりして。そうなるとやっぱり嬉しくてね。
 
あの夏休みがあったことで、自分の想いが固まったっていうか。
「絶対こういう道に進もう」って思った。
 
当時16歳でしょ。
なんでも楽しめる時期だったってのもあるんだろうけど。
それでスクーリングを終えて家に帰って、親にも
「絶対美大行くから」
って言ったんですよね。
  
 
 
– – – 子どもが申し出た事は、尊重してくれる両親だった。
 
「毎年夏休みはこのスクーリングに通うぞ」
って思ってたんだけど、やっぱお金も大変だからさ。
親が地元に良い先生いないかなって探してくれてたら、
直方(のおがた)にね、いたのよ。あんな田舎に(笑)。
 
そこの先生、
「うちの塾はね、全国からみたら針の穴ピッて開けたくらいちっちゃいんだけど・・・精鋭主義で行きます!!」
とかって言ってるすっげー面白いおじいちゃん先生で(笑)。
東京芸大出てる阿部平臣っていう先生。
行動展ですごい有名な先生でね。
でもそんなん全然関係ないような、超面白い塾で。
 
めちゃめちゃ小さい私塾なのに、
当時10名中8名くらいは毎年ムサビに合格するわけ。
よくこんな田舎から受かるよな〜っていう、不思議な塾でね。
そこに、高校3年生から通い始めた。
 
うちの両親はともに教師ってこともあったのか、
やりたいことやる人にはちゃんとサポートするっていう感じだった。
子どもが申し出た事は一応吟味して、尊重してくれる。
田舎ではあったけど、割と良い環境だったかも。
 

 
– – – 「ものを創るっていうのはね、なんの境界もない。」
 
最初は私、デザイン科にいこうと思ってたんだけど、塾の阿部先生がね、
「デザイン科はね~、香月あれだぞ、
競争率がすごい激しいとですよ。」
とか言って(笑)。福岡だからこんな喋り方でさ。
「でもデザイン科に行きたいんですよ」
って言ったら
 
「ものを創るっていうのはね、なんの境界もないから。
どこでも良いから一番競争率の低い学部に入りなさい。
入りさえすれば、あとは自分が学ぶ意識さえあれば何でも勉強できる」
 
って言われて。
その言葉が、今でも結構私の指針になってる。
「とりあえずその道に入ってから。
そのあとは何でもできる。科とか関係ないんだ」
って。
 
確かにそうだし、今となってはデザイン科に行かなくて全然良かったと思う。
工芸科にも行きたかったけど、やっぱり何でも良かったんだと思う。
  
 
 
– – – もの創りに意味やコンセプトが必要なの? 大学3年で初めて立ち止まった。
 
結局4大には落ちて短大からスタート,
それで3年次に編入合格出来て。
で、もう油絵はやらなくていいかなと思ってて、
版画コースを希望した.
めちゃめちゃ版画が好きってわけじゃなかったけど、
のちのち使うかも・・・くらいの気持ちで。
美大入ったのに油絵だけってのは勿体ない、
せっかくだから新しいスキルを身につけたいと。
 
私いつもそうなんですよね。ちょっと「下心」的っていうの(笑)?
純粋に「やりたい!」だけじゃなくて、「せっかくだからやっとくか」みたいな部分(笑)。
 
版画はね、面白かったけど、自分が何やりたいかわからないまま「リトグラフ」ってのを選択しちゃってさ、
そしたらもう先生は一番厳しいしさ~、一番難しいしでさ~、結構苦労した。
大学3年の時は一番大変だったかな。
好きなんだけど、結構立ち止まってる時期・・・だった気がする。
物を創るってことに対して。
 
ちっちゃいときからずっとご飯食べたり寝るのと同じ、生理的欲求みたいな感覚で毎日創ってたから、
「君はこれを創る事になんの意味があるんだ」とか、
「これのコンセプトは?」とかきかれることがとってもダメで。悩んじゃって。
「そういうことをふまえないと創っちゃいけないのかな?」って苦しんだ時期でもあった。
そういう状況が本当に初めてだったんだよね。
それまでは本能のままに創ってたから。
 
また、版画っていう媒体も向いてなかったのかも。
私すっごいがさつなんですよ。雑なの、「手が荒い」っていうか。
だから作品を仕上げる前の段階で、版をつぶしちゃうわ絵の具で汚しちゃうわ。
 
それでも1年間やったんだけど、4年への進級判定にひっかかってしまって
あんまりやりたくなくて、自分ではそんなつもりはなかったんだけど出した作品がふざけてるって、先生があんぐり口開けてさ。
「お前、吉田戦車か」って言われちゃって(笑)。
いいじゃん、吉田戦車好きだし、って内心思ってましたけど(笑)。
 
そうやって苦労してたとき、
ちょっと別の居場所というか、そういう場所にたまたま巡り会うことが出来て。
そのことがまた自分の進む指針というか,分岐点になったというか。
 
のんびり、ゆっくり物を創れるような環境
そこで版画のこともゆっくり考えつつ、久しぶりに粘土を触り出したんですよね。
 

写真 中井雅代

 

「『工房香月舎(かつきや)』香月礼(かつきあや)・後編」に続く。

 
 
工房香月舎(かつきや)
ブログ:http://katukiya.ti-da.net
 

 

2011 9月


 
フジタチサト陶器展 「いきものと暮らす日々」

 
今から役6年ほど前。
偶然立ち寄った青山のスパイラルホールで、フジタチサトさんの作品展に遭遇。

 
大人になってから、我を無くすほど舞い上がる体験というのは減ってゆく一方ですが、その時に足からジェットが出るのではないか?というほど私は舞い上がってしまいました。

 
好みが似ている妹に取られまいと、目をきょろきょろさせて挑んだ展示室に展示されている8割は既に売約済み。
それでもとにかく何か欲しいと、探した末に購入したポットや湯のみ、小皿、レンゲは今でも大切に使っています。

 
京都の山の方で制作している藤田匠平さんとと山野千里さんご夫婦による陶器制作ユニット。お二人の醸し出す世界は、独特で、日常の中にぽっかりと余白が出来るような空気感を持っています。

 
 「イカとお茶を飲み、ラッコと戯れる夕暮れ時

 
 ありそうでなさそうなほのぼのとした、不思議な空間が広がってゆくような世界」

 
是非是非、みにいらしてください。

期間:10月7日(金)〜1016日(日)
時間:12:30〜19:00
場所:Shoka
HPとブログ:http://shoka-wind.com

 
今までの作品はこちらを参考にしてください。
http://bit.ly/n0BJPC
(注)こちらのサイトは岡山のSatelliteさんのブログです。今までに展示したことのある情報が載っておりますので、Shokaで展示される作品とは異なりますのでご了承下さい。

 

作家略歴

 
フジタチサト(藤田匠平・山野千里)
藤田匠平と山野千里による陶器制作ユニット。

 
藤田匠平 (ふじた しょうへい)
略歴
1968 和歌山県生まれ
1987 京都市立芸術大学美術科(日本画)入学
1989   同 工芸科(陶磁器)に転科
1995   同 大学院修了
1996 イギリス留学(Edinburgh College Of Art : British Council fellow ship)
1997   同 大学P.G修了
2003 京都高雄に工房設立

山野千里(やまの ちさと)
略歴
1977 大阪市生まれ
1997 京都市立芸術大学美術学部美術科(油画)入学
1999  同 工芸科(陶磁器)に転科
2005  同 大学院工芸専攻(陶磁器)修了
現在 京都高雄にて制作

 
展覧会
-2005-
「フジタチサト(藤田匠平+山野千里)のうつわ展」スパイラルマーケット/東京
-2006-
「メイドイン奥殿町展」(坂田卓也製作所+フジタチサト)スパイラルマーケット/東京
-2007-
「帯留展」スパイラルマーケット/東京
「酒器茶器展」スパイラルマーケット/東京
「生活浴」(坂田卓也製作所・カンダミサコ・フジタチサト)恵文社/京都
「フジタチサト展」HANSEL&GRETEL/東京
-2008-
「小さなやきもの」スパイラルマーケット/東京
「フジタチサト展」HANSEL&GRETEL/東京
「ひとさじ展」スパイラルマーケット/東京
「フジタチサト展」三越仙台店/仙台
-2009-
「フジタチサトのいきもの陶器」スパイラルマーケット/東京
-2010-
「まいどおなじみ フジタチサトのいきもの陶器」スパイラルマーケット/東京
 

2011 9月

 
カレル・チャペック・著  中央公論新社 520円 /OMAR BOOKS    
 
― ワタシハ ナニヲ フンデイルカ?―
  
朝夕がだいぶ涼しくなって戸外にもずいぶん出やすくなった。
強い日差しから解放されて草花も元気を取り戻した様子。
この季節におすすめしたいのがチェコの文学者、
カレル・チャペックの『園芸家12カ月』です。
 
そのタイトルと表紙の黄色い家の写真(カレルが当時住んでいた家!)、
兄ヨゼフの愛らしい洒落なイラストに惹かれて手に取ってみたら、
庭師が自然相手に悪戦苦闘する飄々としたどこか笑いを誘う内容。
でも実はふかーいことを語っているとみた。
園芸(ガーデニング)に興味がない人にも読んでもらいたい一冊。
 
本の各章は「1月の園芸家」「2月の園芸家」・・・と
1年を通して園芸家の生活が綴られる。
園芸家、といってもアマチュアの庭好きの独り言みたいな風情。
 
彼が庭作りをやるようになって知ったのは
本当の園芸家は花を作るのではなくて土を作っている、ということ。
 
庭作りに魅せられた人たちは、
いつの時代も人間の力ではどうにもならない天候を相手にしながら、
扱いづらいホースで水浸しになりながらも
めげることなくいい土を作ることばかり気にかけている人種。
傍からみると滑稽でも本人たちはいたって真剣。
確かに周りにもいるなあ。
どうやら園芸にはまるとそこから抜け出すのは難しそうだ。
 
自然には終わりがないから、
この本のタイトルの12カ月が巡ってはそのまたくり返し。
園芸家は飽きることなく庭作りにいそしむことになる。
 
「ワタシハ ナニヲ フンデイルカ?」は
彼の母親がカード遊びをするときにつぶやく言葉。
ずっと後になってカレルは土を踏んでいることに気付いた、
と本の中で言う。
当たり前といえば当たり前のことだけれど、
それだけに自分の足元には目がいかない。
遠くや先のことばかり考えるよりもまずは自分の立っている場所に目を向けなさい、ということだろうか。
 
「わたしたちはただ、一つの季節から他の季節に育つだけだ。」
とか
「冬眠する間春まで芽が見えないのは土の下にあるからで、
未来がわたしたちに見えないのは(未来がわたしたちと)一緒にいるからだ。」
といった芯をついた言葉が文中時折り現れるのが、さすが文学者。
 
自然に触れていると人は計らずとも哲学者のようになるのだと思う。
また草花の小さな変化に気付く人は、人の心の機微に敏感だったりする。
園芸はきっと土を耕すように私たちの心も耕し豊かにしてくれる、そう思わせてくれる本だった。
 
足元の揺らぐほどの出来事を目の当たりにした今だから心に留めておきたい。
私たちが踏んでいるこの土も生きている。

OMAR BOOKS 川端明美



 

OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp