2012 5月

文/写真 関根麻子

 
 

 
 
 
 
 
 
久しぶりの休日。
梅雨の晴れ間の気持ちよい陽。
風を孕んだシーツを眺め、好きなピアノのCDを聴く。
 
お昼ごはんをどうしようか。
野菜不足だった最近。
手に入れたばかりの三谷龍二さんの漆の器。
ちぎっただけの野菜を、がばっと盛る。
自分の暮らしの友人にと、ずっと欲しかった白漆の施された三谷さんの器。
 
野菜むしゃむしゃ、器の肌を親指でなでなで。
 
何とも愛おしい。
 
 
 

料理を盛った三谷さんの白漆の肌。彫りの跡を何度も何度も触りたくなる。

 
 
 
 
すばらしい作品との出会い、それを生み出す作家さんとの出会いは、暮らしを豊かにする。
普段慌ただしく日々を送っていても、自分が風景の一部となる暮らしの時がある。
そこに、必ず心地よい器があり、心地よい服があり、心地のよい道具がある。
それらと自分が一つの風景となって馴染んでゆく、そんな暮らしの中の時間を大事に思う。
 
好きなものと暮らす毎日。
何とも贅沢なひびきに感じるが、それは「たくさんのものと」という意味ではない。
本当に自分に必要なものだけでいい。
ある意味、恋におちるくらい好きなもの。
 
自分にちょうどいい、だけれども心が動くもの。
 
 
 
 
 

先日の企画展から。安藤雅信さんと、皆川明さんの手と手、心と言葉のキャッチボールから生まれた大皿

 
 
 
 
最近気づいたことがある。
 
今年はじめに買ったカメラの中の写真を整理していた。
展示の際に撮ったものと、少しだけ暮らしの中の瞬きを撮った写真。
 
少し驚いた。
その写真たちは、全体のフォルムよりもこれでもかと作品にひたすら寄ったものが圧倒的に多かった。
 
なぜだろう?首をかしげる。
 
 
 

安藤さんの銀彩皿。何ともいえない渋い光とともに浮かび上がる模様たち。

 
 
 
ふと思いあたった。
 
すごく好きな作家さんが、Shoka:での企画展が決まった!となれば、わくわくが溢れ出す。
会ったらこんなこと聞きたいな、などとたくさん想像する。
しかしながら実際お会いする段階となると、心がヒートアップしすぎてもじもじと。
どうしてか緊張屋に変身してしまう。
聞き手としては耳がダンボとなるのだけれど、いざ自分からは質問できずにいることが多い。
作家さんのことを好きすぎて話したくても話せないとお客様が言っているのをよく聞きますが、そのお気持ちがすごくわかるのだ。
 
 
だからなのだろう。
作品を通して、その人となりをもっと知りたいと思うのだった。
そうした想いから、シャッターを切るのだろう。
作品の肌の深み、表情から、作ったひとの顔が浮かびあがる。
 
すばらしい仕事をされている方は、軸がしっかりとある。
その時代時代に合わせて変化していっても、軸は変わらない。
その軸を感じる作品には、人となりが表れ出る。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
そして、さらにそれを使う人達の暮らしをも想像してみる。
 
その器には何を盛るのだろう、その服を着てどこへ出かけるのだろう。
 
風景が浮かんでくる。
とても豊かな風景だ。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
Shoka:で働くようになって、はや10ヶ月。
関わってから、開催してきた展示会は8つにものぼる。
今年に入ってからはほぼ毎月のペースで、すばらしい仕事を見て、触れることができた。
いずれも暮らしを豊かな気持ちにするものたち。
 
 
そして先週までは、木工作家三谷龍二さん、陶作家安藤雅信さん、ミナ ペルホネン デザイナー皆川明さんによる
NO BORDER, GOOD SENSE を開催した。
 
 
服を着て、頬を染め、こんなときめくのは久しぶりと、とあるお母さん。
木の肌をじっと長い時間眺め続けている、若い木工作家のかた。
ご年配の夫婦は、ちょうちょの陶器に何を料理しようかと相談。
 
訪れた人達からはそれぞれの熱をおびた喜びが伝わり、空間いっぱいに広がっていった。
そして作家さん、いらした方々、そして私たち、皆が一体となってるような感じを覚えた。
 
 
 
今回のタイトルにもある「境界線」というもの。
三氏やそこから生まれたすばらしい作品たちを目の前にし、当たり前の事に私は気づかされた。
境界線とは、実は自分自身で作ってしまっているものなんだと。
とても新鮮だった。
境界線を解放すると、どれだけのことが広がっていくのだろうと想像し、どきどきした。
 
私も心の熱を感じ、いまだ覚めていない。
湧き出た感覚を、今静かにすくいとる作業をしている。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
さて、これからのShoka:は、どんどん変化をしていきます。
 
8月3日から12日までは、赤木智子さんが日々の暮らしの中で選んで来た、
使い勝手の良い道具たちの企画展「赤木智子の生活道具店」を開催します。
沖縄へやってくるものたちのリストを見ましたら、これまた胸躍る楽しそうなものばかりでした。
 
 
8月の後半からは常設の店舗へと。
企画展でも開催しているミナ ペルホネンやヨーガンレール、
また沖縄で初のアーツ&サイエンスなどのお洋服と雑貨達が並びます。
さらに県内の作家さん達と一緒に素敵なものづくりを考えている最中で
いろいろな風が吹いてくると感じています。
 
 
それまでは改装工事や常設準備などで一旦お休みしますが、みなさん少しの間お待ちくださいね。
常設や、今後の展示会については、こちらのカレンドの連載や
Shoka:のブログ http://shoka-wind.com にてお知らせしていきます。
 
 
 
 
軸を変えずに変化を楽しむ。
私も自分の軸を意識しながら、暮らしの中の豊かな時間を楽しんでいきたいと感じています。
 

2012 5月


 
アロマの香りにつつまれながら、アットホームな雰囲気のなか、あたたかいハーブティとともに、ゆったりリラックス。 
日常から少し抜け出して、自分をゆっくり見つめる時間をつくりませんか?
 
メディテーションの時間をはさんで、参加者の方々と一緒に、いろんなお話をしていただける会です。
 
なごやかで落ち着いた空間で、なぜだかほっとくつろいで、普段はお話ししないことも、ここでは不思議と出てしまうかも?
 
みなさんで共有すると、こころも体もゆるんで、どんなこともきっと自然と解放されていくでしょう。
 
また瞑想は、はじめての方でも、集まって行うことによって、より簡単にリラックスした状態を体験をすることが可能です。
 
子育て中の方、おなかに赤ちゃんのいるお母さんの方、普段忙しくて、なかなか自分だけの時間を取ることは難しい方、瞑想や癒しに興味のある方、ご自分でリラックスする方法を習得したい方、などなど、どうぞお気軽にご参加お待ちしています。
 
本来のわたしたちの輝きを思い出せる、楽しい時間を、参加者のみなさんとご一緒につくることができればと思っています。
 
 
開催日:2012年6月5日(火)、19日(火)
時間:10時半~12時
場所:アロマ&リラックス「カエルノテ」(嘉手納町役場・警察署近く) http://kaerunote.com/
参加料: 1000円 (ハーブティ付)*
(*同席が可能なお子さまであれば、ご一緒いただくことも可能です。その場合、お子さまの参加料は無料です。)
お申込み・お問い合わせ: http://windchildren.com/contact/
 

2012 5月

浮島ガーデン
 
平和の「和」、和食の「和」。
「和」という字は「禾」のぎへん=イネ科の食べ物を「口」にすると書きます。
 
穀物中心の食生活、和食をしていれば自然と心は平和になり、
人と人との輪が生まれ、良いつながりの環が世界の調和を生むことを、
昔の人は知っていたんでしょうね。
 
戦争に負けた日本はアメリカの小麦政策によって、
食生活が大きく変わってしまいました。
世界的に見て、こんなに短期間に食生活が激変した民族は
日本人くらいだそうです。
 
お米は日本人にとって神様からいただき神様に捧げてきた神聖な食べ物。
一粒のお米からおよそ1000粒のお米ができ、
アワやヒエといった雑穀一粒からは3000粒ができる。
穀物はいのちが詰まったエネルギーいっぱいの食べ物なんですね。
 
お米をよく噛んでたくさん食べれば霊性が高まる。
「噛み」は「神」に通ずと言います。
 
アメリカーは知っていたのかもしれません。
日本人の霊性をこれ以上高めたくない。
お米を食べさせないようにしよう!と。
 
そう言えばアメリカは「米国」ですね。
米国人が米を主食にしたら世界はきっと平和になるはず~。
 
お米をいっぱい食べようとしたら、
おやつの中にもお米を入れてゆく必要があります。
 
前回作った甘酒アイスクリームのタネを使って、ドーナツを作ってみました。
めちゃくちゃ簡単です。
お試しあれ☆
 
「玄米甘酒ドーナツ」
 
<材料>
前回のアイスクリームのもと 70g
小麦粉 70g
ベーキングパウダー 小さじ1/4
 塩 少々 
揚げ油 適量
 

<作り方>
1 甘酒と島豆腐のアイスクリームを作る。前回の作り方を参照。
 
浮島ガーデン
 
2 ①に小麦粉とベーキングパウダーをふるいにかけたものと塩を加える。
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
3 リング状にして160~170度の油で2~3分ほど揚げれば出来上がり~☆
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
*甘酒はコゲやすいので、低めの温度で長く揚げるのが中まで火が通るコツ。
 
浮島ガーデン
 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 

2012 5月

新崎亜子
 
自分で作って節約!したい方、幼児向けに可愛いお弁当を作りたい方
食育の日に「手作りのお弁当を!」冷凍保存できるおかずをご紹介します
 
持ち物(エプロン・筆記具・ハンドタオル・作りたい方のお弁当箱保冷材・保冷バック)
お弁当一つ追加に付き+200円で作れます。
 
開催日:6月19日(火)
時間:10時~12時
参加費2500円(ランチ付き)
場所:沖縄市越来2-24-41
   コザの創作キッチンIPPEI  レストラン内
 
1週間前より50%のキャンセル料金かかります。当日は100%になります。
円滑なお教室運営のためにご理解、ご協力願いいたします。
 
ご予約 090-4536-6492
ブログ:http://ameblo.jp/thiyoikawaobentou/
 

 
新崎亜子
 

2012 5月


 
「スマートフォンで誰でもそれなりにかわいい写真が撮れる!」
というのがインスタグラムの人気の理由の一つなのだそうです。
確かにインスタグラムに付いているフィルターだけでも
それなりにかわいい写真に加工できます。
 
でもでも、なんか違うこれ、どうやったらインスタグラムでこんなに可愛くできるの? っていう人いますよね。
 
ええ、そんな人が身近にいたので、習ってきましたよ〜☆
 


 
あー可愛い。しばし鑑賞。
 

 
そもそものインスタグラムはこちら。
 

http://instagr.am/
 
さて、matilda_d さんの可愛い写真加工の手順ですが。
 
取り敢えず、撮るときは普通のカメラ機能で撮っておくのだそうです。
確かに、インスタグラムを起こして撮ろうとすると、よく撮影中にアプリが落ちます。
そうなるとやる気が減退します…。
 
次にこの無料アプリで下準備。
PS express !
http://itunes.apple.com/jp/app/adobe-photoshop-express/id331975235?mt=8 
おお〜!こんなものあったんだ〜。知らなかった!ありがとう!
 

 
すごい勢いで機能が付いてるこのアプリ、これだけ覚えてれば! と私が思うものをひとつ。
カメラロールにある画像をPSに呼び出します。
画面右下の鉛筆マークをタップ。
 

 
画面上のバーの左から二番目の太陽に似てるやつをタップ。
そしただ出てくるExposure をタップ。
 

 
Exposure をタップすると、明るさの調整ができるようになっています。
画面右よりをタップすると明るくなり、
真ん中をタップすると元の明るさに戻ります。
 

 
どれくらい変わるかと言いますと、
これくらい ↓ 。あんまり変わらないって?でもこれが可愛さを大きく左右するんですよ〜。
 

左:一番暗くした  中:オリジナル  右:一番明るくした
 
PSで明るくした写真をまたカメラロールに保存して、
さらにインスタグラムのフィルターをかけてできあがり!
 
食堂かりか インスタグラム
 
matilda_d さんのインスタグラムがもっと見たいというかたは
http://web.stagram.com/n/matilda_d/?vm=grid
こちらを見てね。
ちょっと重いです、このサイト。(というかインスタグラムって重いですよね…)
 
カレンドのインスタグラムはここ〜☆
http://web.stagram.com/n/calend_okinawa/?vm=grid
 

2012 5月


 
ダンボールから出来たデザインステーショナリー[rubodan]
5月30日(ゴミゼロの日)誕生一周年を記念して展覧会を開きます。
 
合わせて、ブランド誕生に至った経緯や、サモアでの授業の様子、そしてベトナム、タイでのアイデアのシェアとワークショップの様子などを報告します。
 
売り上げは、儀間朝龍が夏にフィリピンへ商品開発の為に向かう為の渡航費に使用されます。
 
 
期間:2012年 5月26日 ー 6月3日
OPEN : 14-19 時
場所:GALLERY point-1 那覇市松尾2-7-8
 
 
イベント・ワークショップ
 
●ギャラリー周辺のゴミ拾い
本来なら5月30日の誕生の日に行いたかったのですが、平日ですので、日程をずらして行います。
★5月27日(日)、6月3日(日) 13時~13:45
可能であれば手袋持参お願いします。
 
●ワークショップ 
SIMPLE PAPER MADE ワークショップ
段ボールから紙を剥がすやり方
★5月27日(日)、6月3日(日) 14時~15時
 
●オリジナルノート作り
世界で一つだけの自作のノートを作ろう!(販売されているノートと同じ様なノートを作ります。)
たくさんの紙、柄から選んでノートを作ります。
★5月27日(日)、6月3日(日) 14時~16時
*参加費:ノート代+ドネーション(お気持ち)
*要予約 meet@gallery-point-1.com
 
rubodan:http://www.rubodan.com/
 
GALLERY point-1:http://gallery-point-1.com/index.02.html
 
関連ページ on facebook
SIMPLE PAPER MADE Network
http://www.facebook.com/#!/pages/Simple-Paper-Made-Network/320332744657323
 

2012 5月

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄県内で開催されたとある市で、帰り際にあたふたとカフェラテを買い求めた。車中で飲むつもりだったが、一口飲み、その喉ごしの良さに思わずごくごくと飲み干してしまった。

 

喉にひっかかるような渋みや苦みがまったく感じられないのに、芳醇なコーヒーの味わいはしっかりと後味として残る。こっくりとした牛乳の甘みに濃厚なコーヒーの香り。両者のおいしいとこどりのカフェラテ。

 

沖縄セラードコーヒーの消費量は1日にコーヒーカップ約3000~4000杯、豆に換算すると1ヶ月約1トンにものぼるという。

 

「主にオフィスコーヒーを取扱っていて、お取り引き先として一番多いのは県庁や各市町村の庁舎といった官公庁なんです」

 

末吉業人(なりひと)さんは語る。

 

沖縄セラードコーヒー

エスプレッソをマシンで抽出

 

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

ミルクをたっぷり注ぐとカフェラテ、少なめにするとマキアートに

 

「ご契約いただいた部署に業務用のコーヒーメーカーを無料で貸し出します。定期的にお伺いし、在庫がなくなったらその都度ご注文頂くというスタイルです。コーヒーメーカーが故障したら無償で直しますし、ガラス容器が割れたら新しいのものをお持ちするので、頂戴するのは純粋にコーヒー豆のみの代金ということになります。コーヒーに対する価値観も好みもそれぞれなので、人によって温度差が激しいですね。飲めれば良いから安い市販品で十分というひともいれば、こだわりがあって当店の豆をご希望くださるひとも。オフィスコーヒーとしてお出ししている豆は『セラードブレンド』がメインですが、違う種類の豆をご希望いただくこともあります」

 

オフィスコーヒーとしての評判は上々だ。

 

「香りがすごくいいと褒めて頂くことが多いです。また、『セラードのコーヒーを淹れるとみんなの飲むペースが早いので、もったいなくて朝イチと食後にしか淹れないんです』なんて話をきいたこともありますね(笑)」

 

創業者である業人さんの父・業久社長がセラードコーヒーを始めたのは25年前。その前は呉服屋を営んでいたという異色の経歴の持ち主だ。

 

沖縄セラードコーヒー

 

「呉服屋の世界に入ったのは20歳のころ。26歳に独立して35歳までやってたからね、コーヒーと同じくらい、呉服の専門知識もあるよ(笑)。衣の世界から食の世界へと移ったのは、兄がブラジルに移民していたということもあるんだけど、将来息子たちにお店を残してやりたいという気持ちが大きかった。僕の父はパイナップル工場をやってたんだけど早くに亡くなって、僕たち子供には何も遺せなかったからね」

 

迷いなく転身したのには、他にも理由があった。

 

「あくまでも僕の場合だけど、衣類販売は正直だと失敗する。ごまをすらないといけないこともあるし、販売の技で勝負する世界であると思うわけ。でもコーヒーは味で勝負でしょ。だからこっちがいいと思った。僕の商売の信条は正直であること、嘘つかないこと。でも、どんなに真面目にやっても最初の10年は地獄だったよ」

 

なにもわからない状態のままセラードコーヒーを立ち上げて喫茶店から始め、3年後にオフィスコーヒーの形態で卸しを始めた。オープン当初には同様のコーヒー販売店は県内にもう一店舗しかなかったが、徐々に競合も出始め、戦いの日々が続いた。それでも業久社長は自分の信条を貫いた。

 

「経営やるひとはごまかしはだめさーね。どんな会社でも店でも一緒、ごまかしている人はちょっと話したらわかるよ。この人はちょっと中途半端だなーとか、お客さんに感謝してる顔してないなーとか、経営の姿勢が見えるさーね」

 

真面目で一本気、ごまかしのない業久社長の経営方針と確かな味が評判を呼び、セラードコーヒーの愛飲者の数は着実に増えていった。

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

 

3年前、次男である業人さんが本土から沖縄に戻り、長男の業充さんとともに店を手伝うようになった。
http://beansstore.jp
「それまでは福岡や大阪などにいましたが、いずれは手伝いたいとずっと思っていました。
子供のころからコーヒー牛乳にして飲んだりと、コーヒーにも馴染みがありましたね。小さい頃の思い出はコーヒー豆の選別作業。焙煎した豆の中から、できの悪い豆を手作業で取り除くんです。小学校4~5年生くらいの頃からやっていましたね。ものすごい量があるので、食後で眠たくなりながらも家族みんなで黙々とやっていました。子供ですから『やりたくないな~』っていう雰囲気は一応出してはいたんですけどね(笑)。父も一緒でしたから、やらないとしょうがなくって。すべての豆に選別作業が必要なわけではないんです。エチオピアの豆に多いのですが、未成熟豆、または死に豆と呼ばれていて、色が薄いものが時々混じっているんです。これを残したまま淹れると渋みやえぐみが出てしまうので取り除く。この手の豆は豆自体のランクはそれほど高くないのですが、選別作業をすることで味が変わり、とてもおいしいコーヒーができるので、面倒ではありますがひと手間かけるようにしています。もちろん今もやってますが、従業員もいるので家族の作業ではなくなりましたね(笑)」 

 

幼い頃から慣れしたしんだコーヒーの世界で働くようになり、業人さんはすぐに一つの願望を抱くようになった。

 

沖縄セラードコーヒー

色の薄い豆がちらほら見える

 

「当たり前のことですが、うちのコーヒーは本当においしいという自信があるんです。すでに相当数の方が飲んでくれてはいるけれど、官公庁での販売がメインなので、『知らない』『聞いたことがない』という個人の方は多いんですね。毎日焙煎しているので、時には近隣にお住まいの方がその香りを頼りに当店を探しに来てくださることもあって。そういうとき、通常営業だとばたばたしてしっかりお相手ができないのがずっと残念だったんです。ちゃんとお話もできないし、『とりあえずこれを飲んでみてください』というくらいで。ですから、お客様にじっくりコーヒーを楽しんで頂き、またコーヒー通な方も知らないようなことをゆっくりお話できたらいいなと思い、カフェスタイルの営業を始めたいと思うようになりました。販売するというよりも、コーヒーと当店のことを多くの方に知ってもらえたら良いなという思いで」

 

業人さんは各地で行われる講習会に参加したり、関係者に意見を求めたりと試行錯誤しながら勉強を積み、コーヒーを焙煎する技術を磨いた。

 

「自分でも納得できる味になってから、土曜日にカフェスタイルの営業を始めました。今は金曜日も行っています」

 

沖縄セラードコーヒー

 

焙煎にもこだわっている。

 

「豆の状態もまわりの状況も毎日必ず変化があるので、その都度焙煎の仕方を変えます。とても微妙な世界なので、ほんのわずかな調整の違いでも味に違いが出てくるんです。最も気をつけているのは、芯までしっかり焼いてあげること。表面だけ焼いて中まで火が入っていないと豆の生臭さが残ってしまうので良くない。また、スペシャルティーコーヒーなどのランクの高い豆は質が大きく変わってくるので、豆ごとに焼き方を調整しています」

 

沖縄セラードコーヒー

「ブレンドだと右が300g入りで1,050円、左が500g入りで1,450円なので1杯あたり19円くらい。うち、高くないんですよ(笑)」

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

 

個人客を大切にしたいという思いは、他のかたちにも表れている。

 

「ご自宅まで配送するサービスも行っています。担当が曜日と大体の時間を決めて県内を配送してるので、その日時に合わせて頂けたら県内全域どこでも、1袋から宅配しています。個人でも20年くらいずっと注文してくださってる方もいますよ。さっきも名護にお住まいの方から電話があり、『そちらのコーヒーを貰ったので飲んだらおいしかった、どこで購入できますか?』と。ちょうど今日、兄が名護に行く予定だったので『お持ちします』と」

 

浦添から遠い地域に住む人や忙しい人には嬉しいサービスだ。

 

「ただ、宅配だと注文いただいた豆しかお持ちできないので、色々試してみたいという方はぜひ金・土曜日にお越しいただきたいですね。豆についてお話もできますし、実際に飲んでお好きな味を試すことができますから」

 

沖縄セラードコーヒー

 

沖縄セラードコーヒー

 

昨年からはコーヒーの栽培も始めた。

 

「祖父がパイナップルを作っていた畑のある山が名護にあるのですが、使っていなかったので森になってたんですね。去年の6月から手を入れ、木を伐採し、ユンボで耕して土をならし、2月に苗を植えました。もともと、店の庭にコーヒーの木が二本あって、それになった実を焙煎して飲んだら思いのほかおいしかったんですよ(笑)。だから、沖縄でも予想以上にいい豆ができそうだねという話になって。収穫まで約3年かかるのですが、もう花が咲いているようです」

 

すでに800本ほどの苗を植えているが、1000本以上は植えたいと意気込む。

 

「数年後にはショップもオープンさせたいなと思っているんです。もっと多くの方に、いつでもうちのコーヒーを楽しんでいただけるように」

 

本土にいるとき、業人さんはダンスに没頭していた。その生活に別れを告げ、コーヒーの世界の門を叩いたが、夢中になったダンスにはまったく未練はないという。

 

「自分がダンスを職業にするのに向いてなかったということもありますが、コーヒーの奥深さ、おもしろさが僕の予想を遥かに上回っていたんです。だから今が楽しい。他のことをやりたいとは思いません」

 

業人さんが席を外すと、業久社長が。

 

「今は息子たちに任しているさ。カフェスタイルの営業をやりたいと言ったときも『いいんじゃないか、やりなさい』とすぐにOKしたよ。これたちがしっかりやってくれるから安心」

 

業久社長が事務所に戻ると、業人さんが。

 

「今も営業成績トップは父。
ああ見えてやり手なんですよ(笑)。尊敬しています」

 

「家族に店をのこしたい」という社長の思いからオープンした沖縄セラードコーヒー。いまや多くの県民が職場で、家庭でそのコーヒーを飲み、ほっと一息をついている。ごまかしのない一本気な経営スタイルはこれからもきっと受け継がれるが、業人さんらの新たな挑戦が後押しとなり、その可能性と展望は未知数だ。

 

「セラード」とはブラジルの地名。元は熱帯のサバンナ地域で、農地として使用できないほどの荒れ地だったが、日本から渡った移民が開拓、大豆やトウモロコシなど多種多様の植物が育つ豊かな農地に生まれ変わった。

 

「セラードのように無限の可能性がある会社にしたいと父が名付けたんです」

 

長年に渡って支持され続けるその味を、ぜひ一度試してほしい。今までもこれからも、進化し続けるそのコーヒーを。 

 

写真・文 中井 雅代

 

沖縄セラードコーヒー
沖縄セラードコーヒー
浦添市港川2丁目15番5-27号
098-875-0123
0120-44-7442(フリーダイヤル)
OPEN:8:30-17:00
CLOSE:土、日、祝日
ブログ:http://okinawaserado.ti-da.net
通販:http://okinawa-cerrado.com
※2015年 現在は焙煎・販売のみ。
カフェは隣接のビーンズストアにてお楽しみください。

 

OKINAWA CERRADO COFFEE
Beans Store(ビーンズストア)

浦添市港川2丁目15番6 No.28
0120-447-442
営業時間:12:00-18:30
定休日:火、木、祝日
HP http://beansstore.jp 

 

2012 5月


 
「夏休み直前のママや女性に ビューティー、ヘルシー、癒しの情報を発信♪」
 
開催日:2012年 7月11日(水)
開場:10時30分から 14時まで
場所:あやかりの杜 2F 多目的ホール
ブログ:http://mothertree.ti-da.net/e3832735.html
 

2012 5月

a journey between dreams and reality test
 
新生、アートプロジェクトCOTONOHA Art Exhibition 「Art26°N」
 
「Art26°N」は、ナイトミュージアムと云うテーマにて、アートを共感するアミューズメントの観点にてアートスペースを創造。
今回の展示会は、フランスと沖縄の2人のアーティストに依る版画&写真の展示会を開催。
テーマは、『現実と空想の旅』
作品を通して現実と空想を近づけさせる試みです。
 
光、影そして距離を操ることによって写真という現実に空想を足す….
またもう一方では絵という空想の創造物に現実を足す….
互いに異なった表現方法はお互いを近づけさせ、現実と空想とが近づいていく。
 
旅をしながら現実と空想とが限りなく近づいたとき、何が見えるだろうか。
 
期間:2012年5月23日(水曜日) 〜6月10日 (日曜日) 
Open:18:00〜23:00 
定休日:月曜日・火曜日
場所:COTONOHA artspace+cafe (コトノハ アートスペース プラス カフェ) 宜野湾市赤道1-5-7 
料金:アートチャージ(入場料) 500円(ご飲食代は別途お支払いとなります。)
チケット販売オンラインサイト&詳細 http://shop.cotonoha.com/?pid=43136028
連絡先:info@cotonoha.com
 

2012 5月


茂木健一郎・著   講談社 ¥571(税別)/OMAR BOOKS
 
― 赤毛の少女のように、ひたむきに ―
  
先週末からまた雨続き。
夜遅くまで雨音を聞きながら読書するのは至福の時。
さあ、これから読もうとたくさん積んでいた中から取り出した一冊がこの本。
 
脳科学者の茂木さんと「赤毛のアン」が結びつかない。
彼がモンゴメリの名作「赤毛のアン」と11歳の時に出会って以来、現在に至るまで重要な本であることに変わりはないという(何でもつい最近までこの本の愛読者だということを隠していたそうだ)。
その意外性に興味を持って読み進めるとそんな話だったんだ!と児童文学として知られている「赤毛のアン」のイメージががらりと変わった。
「アン」シリーズを読み直してみようと思わせてくれる力を持っている。
とにかくこの本を読んでみると茂木さんにとって、すごおくなくてはならない本だということがよくわかった。
 
誰にでも理由は分からないけれど何故か心魅かれる本、というのがある。
運命の一冊、みたいな。
その理由を探しながら読むことは「自分を読む」ことだと同じことだと最近よく思う。
だから例えば、自分にとって何が幸福かってことを考えるときに好きな本に立ち還って読むことはとても役に立つ。
この茂木さんの本はそのことを分かりやすく伝えてくれる。
 
「赤毛のアン」には私たちにも通用する幸福になる方法がしっかりと描かれている。
この本のキーワードをいくつかをあげると「想像力」「受容」「ひたむきさ」「偶有性」「セレンディピティ」などなど。
それらをもとに茂木さんが自身の経験にも触れながら、物語の秘密をとてもスリリングに紐解いていく。
 
巷にはいろんな幸福論があふれている。何を採用するかはその人の自由。で
もそれ次第で一度きりの人生の内容は大きく変わってしまう。
また必ずといっていいほど私たちはある年齢の要所要所で人生の曲がり角を迎える。
その岐路に立たされたときに揺れ動くことは当然で、まずは現実の自分を受け入れることからしか何も始まらない。
 
赤毛の少女から学ぶことは、ひたむきに、あきらめずに生きるその姿勢。
そうしたときに茂木さんが言うには奇跡のような「何かが来る」のだそうです。
やることをやったら前向きにどーんと構えて待つ。
ただし、楽しみながら、ね。
 
「赤毛のアン」を読んだ人もこれから読む人も、自分に合った幸福の形を見つけるための参考にぜひご一読を。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

2012 5月

じんぶん学校
 
陸の孤島ヌーファの浜『じんぶん学校』では、
今年も子どものための特別体験ツアーを開催します。
ウミガメの上がる海辺の大自然の中で過ごす5日間。
やんばるの生きものたちとつながりながら、
仲間と一緒に「じんぶん(生きるための知恵)」を
使って働き、遊び、くらす特別な時間。
さて、今年はみんなで何をして楽しもうかな。
 
     子ども達の心と体に、
     きっといつまでも残る
  大切な“なにか”がみつかりますように。。。
 
期間:
第1クール2012年7月24日~28日  
第2クール8月4日~8日 第3クール8月17日~21日
場所:ヌーファの浜(じんぶん学校)
HP:http://www9.big.or.jp/~chura/
 
じんぶん学校
 
じんぶん学校