臭みは取りは月桃の葉で、だし取りに鶏の首も入る 贅沢中身汁大城さん家のレシピ




「うちは盆や正月のときだけじゃなくて、普段からよく中身汁を作るよ、美味しいからね。沢山作って実家や兄弟のおうちにもおすそわけするわけさ。」





主な材料はしいたけ、こんにゃく、中身(豚の内臓)。
「なかみは必ず公設市場まで買いに行くよ。やっぱり市場のが上等、よごれも少ないし。クセをとるために月桃の葉を5cm角くらいに切って一緒に煮るわけ。クセのとりかたは家庭によって違うはず、小麦粉をまぶして煮たり、塩で揉んだりとかね。私は一度に沢山買っておいて月桃と一緒に圧力鍋で炊いてから冷凍しておくわけ。そしたらいつでも使えるでしょう。」





大きめに切られているので、細かく刻む。
「この一手間で食べるときだいぶ違ってくるからね。法事の時なんかは量が多いから刻むだけで2時間かかるよ。」








圧力鍋で煮込んでいた三枚肉、鶏の首、赤身の肉を取り出す
「鶏の首は脂が手で取れるくらいしかないから上等。鶏の胴体の部分は脂が多すぎて手では取りきれないから私は使わないよ。」





肉を取り出したあとのスープは、なかみ汁、沖縄そば、クーブイリチーなど、色々な沖縄料理に用いられる。





豚のスープと、昆布と鰹節でとっただし汁を、ほぼ1:1の割合で中身を入れた鍋に注ぐ。
「豚肉から出たスープだけだと脂っこいから、鰹だしも入れるようにしてるよ。」





中身とスープの入った鍋を火にかけている間に、先ほど取り出した肉を刻む。








「中身汁に三枚肉を入れる人も少ないかもね。赤身だけだとおいしくないから私は入れてる。その時は皮は取った方が良いよ。」





しいたけも同様に刻み、戻し汁に一旦戻してから、鍋に入れる。
「しいたけを刻んだら細かいくずみたいなのが出るさーね、だから、そのまま汁に入れると汁がにごってしまう。一旦水の中に戻してそのくずを落としてから鍋に入れると良いよ。」





刻んだお肉も入れ、醤油と塩で味付け
「豚とかつおでだしがちゃんと出てるからね、味付けはシンプルでいいわけさ。」





「お椀に盛るときは具から先にいれて、スープをあとから注ぐと綺麗にできるよ。」
二日目以降はほうれん草など青菜を入れても美味しい。
圧力鍋があれば、お肉の処理もあっという間。
鰹だしと混ぜてあるので脂っこさもなくすっきり飲めて美味しい。
「美味しいと言われるのが嬉しくて、いつも沢山作ってしまうわけさ。」
家族だけでなく、親戚一同大好きな大城さん家の中身汁、おすすめレシピです。
 

写真・文 中井 雅代