まずは三枚肉のゆで汁を用意する。
「クーブイリチーのためにわざわざゆでるのは難儀だからね。
中身汁（関連記事：臭みは取りは月桃の葉で、だし取りに鶏の首も入る 贅沢中身汁）作るときに一緒に作るか、その時に出た汁を冷凍保存しておけばいいよ」
ゆでた三枚肉を取り出し、細かく刻む。
「クーブイリチーはうちなんちゅはもちろんだけど、内地の人にも食べやすいみたいね。
あんまり油っぽくないし、昆布でさっぱり食べられるからかもしれないね。
三枚肉は大きめに切るひともいるけど、他の食材に合わせて細めに切ったほうが見た目がきれいよ」
切昆布を水にもどしておく。
「普通の昆布を自分で刻むひともいるけどね、とっても大変だわけよ。
今は便利なものがあるから助かるさ。
その中でもこの昆布がおいしくてね。
昆布の白い粉はうまみ成分って。だからできるだけ白っぽいのを選んだ方がいいよ」
昆布、切り干し大根、糸こんにゃくをフライパンにいれ、三枚肉のゆで汁を回し入れてすこし煮る。
「切り干し大根は入れないおうちが多いかもしれないね。
昆布や糸こんにゃくと同じ細さだから食べやすいし、だしをよく吸うので味がしみておいしいのよ」
刻んだ三枚肉を加え、泡盛、砂糖、醤油を適量加えてさらに２０分ほど煮込む。
煮込んでいるあいだにかまぼこを刻む。
「ちきあぎを使ってもいいよ。
昆布といっしょに煮込むおうちが多いと思うけど、そうするとくずれてしまうことがあるから、私は別で炒めてあとで混ぜるようにしてるよ。そうするとくずれないから見た目がきれいに仕上がるわけ」
「汁気がなくなって味がしみこんで、これくらいの色になったらできあがり。
かまぼこはできあがる直前にいれて混ぜこんでもいいし、盛りつけのときに上にのせてもいい。
今日は上にのせるだけにしようね」
「ゆで汁はあまったら冷凍保存しておいたら便利。
クーブイリチーはゆで汁さえあれば簡単にできるからね。
ゆで汁は冷凍で１ヶ月くらいもつよ。
クーブイリチーはあと一品というときに便利だから、こちらもぜひ多めにつくって。
もともと冷蔵庫がなかった時代の保存食でもあるから保存がきくし、クーブイリチー嫌いな人はいないからね」
写真 中井雅代